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ジャケットを着こなそう!~新作生地のご案内~


立春もとうに過ぎ、暦の上では《春》が始まっていますね。
暖冬傾向で本格的な冬の寒さを感じることが多くなかったこともあり、例年よりも《新作春夏の立ち上がり》を一足早く準備しております。
サンプル帳の完成はまだちょっと先になりますが、店頭では新作春夏生地をいち早くご覧いただけます。是非衣替えの品定めにご来店ください。

新作生地を並べているうちに今年も、あれもこれも仕立てたい!と、オーダーシートを書く手が止まらない、、、いくつになっても物欲に歯止めが効かない、東京店SHOPMASTER(佐野)です。。。今年もいい生地たくさん仕入れました。

さて、2024年春夏シーズンが本格的に始まるその前に、そして衣替えの前に、ビジネスシーンでのファッションは、『ビジカジ』または『スマートカジュアル』が主流の時代に大きくシフトし、カチッとしたスーツスタイルは影を潜め、いわゆるジャケパンスタイルがマストになってきました。

今回はそんなビジネスシーンでマストアイテムとなった《ジャケット》をメインに、その着こなしのポイントから、パンツとのコーディネートの基本をご案内し、更にはジャケパンのお仕立てにオススメな生地を、入荷したての春夏新作生地の中からご紹介したいと思います。

これを読めば、ジャケパンスタイルの【基本】&新作生地の予習はバッチリ!
ジャケパンスタイルを格好良く着こなし、スマートに新しい装いで、新年度を気持ち良くスタートさせていただけたら嬉しい限りです。

是非、最後までご覧ください。

◇ジャケット着こなしのポイント◇

さて、まずはビジカジスタイルのメインディッシュである《ジャケット》の着こなしのポイントからご説明していきます。

ジャケットのお仕立てをご検討中の方から聞かれる疑問として1番多いのは、、、
『スーツとジャケット何が違うの?』です。
確かに、着方(コーディネート含む)も着ていくシーンも違いますし、正直どのように着たらいいのか分からない、という方が多いのではないでしょうか。

そんな皆さんの疑問に私(佐野)がものすごく簡単ではありますが、一発回答します。

その答えは、、、『実は特に大きな違いはないです。』と回答をしたら、読者の皆さんに怒られてしまいますね。すみません。
ですが、これはある意味正解で、ジャケットのご注文でも、バスト周りや、ウエストの絞りといったサイジングの核になる部分は、スーツと比べ大きくは変化させません。
ですから、難しく考える必要ないのです。

ただその中でジャケットを着こなすために考えておくべきポイント、
それは、、、 『着丈』と『肩』です。
プラスで『素材感』もありますがそれは後程に、まずは、この2点を抑えてジャケットの着こなしをマスターしていきましょう。

◇着丈のバランス ~ジャケパンスタイルは軽やかに~◇

ジャケットとスーツの上着で一番の違い、そして特に気を付けたいポイントは、《着丈の長さ》です。
ココを抑えれば、ジャケットを制すると言っても過言ではありません。

一般的にスーツの着丈の基本は、『ヒップが隠れる長さ』です。
スーツは基本的にお尻を出すのはNGですので、お尻を隠すが基本です。

着丈の長さ

一方でジャケットの着丈は、『ヒップトップが少し隠れる長さ』が基本です。
お尻を隠す(見せない)スーツと違い、お尻を少し見せる程度の長さで着こなす。
それが、ジャケットの着丈の長さの基本です。

ジャケットの着丈

フォーマルで重厚感のあるスーツに対して、カジュアルでスポーティーな着こなしが基本のジャケットは、軽快で軽やかなイメージを演出するために、着丈は短めに設定します。

また、スーツの語源は、『一組、揃っている』という意味があり、いわゆる『一揃いの服』と言われ、ジャケットパンツは同じ生地で着ますよね。
ですが、ジャケットはどうでしょうか。基本は同じ生地で着ないことが多いアイテムですので、コーディネートするパンツのシルエットは、スッキリ細目からワイドまで幅広く、また素材は必ずしも上下揃える必要もありません。

ですから、上下のバランスを取りやすくするために、着丈を短めに設定し、あらゆるアイテムとコーディネートしやすくしているのもポイントです。
着丈を短くすることで、パンツの見える範囲が長くなるため、脚が長くスマートに見えるというメリットもあります。

つまり、、、ジャケットの長さを考える時の基本は、、、、

スーツの着丈-1~2cm=ジャケットの着丈

ヒップの高さや大きさにもより変わりますが、上記が基本的なジャケットの着丈です。
たかが1cm、されど1cm。たったこれだけの違いですが、全身バランスの印象が全然違います。

ジャケットは着丈が命。軽やかでバランスのいいジャケットを着こなすために、【着丈】を制しましょう。

◇肩も軽やかにそして柔らかに◇

着丈に続き、《肩》も軽く仕立てていきたいところです。
結論から申し上げますと、『肩パットは抜きましょう。』です。

商談やプレゼンなど自分を力強く見せたいビジネスの場では、カチッとした構築的な肩回りが求められるため、ある程度肩パットを入れますが、ビジカジなど少しドレスダウンした堅苦しくない場でのジャケットは、着丈同様、軽快感や柔らかい雰囲気を演出するために、《肩パットを抜くこと》がオススメです。
パットを抜くことにより、肩は軽くなり肩周りの可動域も広がり、スーツの固い印象からソフトな見た目に変化させることが出来ます。

更に肩回りを柔らかく演出するために、《マニカカミーチャ》を加えるのがオススメです。

マニカカミーチャ

マニカカミーチャとは、
イタリア語のマニカ(=袖)、カミ―チャ(=シャツ)から来ており、スーツ(ジャケット)の袖付けを『シャツ袖』と同じような手法で付けます。
袖を取り付ける際にいせ込み(ギャザーを入れながら、平面な布に丸みを付けて立体的にする方法)を入れて取り付けているので、いせ込んだ事で出来る縦のシワから「雨降り袖」とも呼ばれています。
肩パットを抜き軽くしたうえで、いせ込みで出来るギャザーで肩の可動域が増えて動きやすくリラックス感も生まれます。
肩先のふくらみも消え、ナチュラルな肩周りになりますので、よりカジュアルライクな印象に仕上げてくれます。

常仕立て
マニカカミーチャ仕様

ジャケットの顔と言っても過言ではない、着丈と同じくらい重要な《肩周りの印象。》
スーツの上着との差別化にもなりますし、柔らかな着心地&印象を演出するには、ここもマストで抑えましょう。

◇更に柔らかく上品に仕立てるために◇

ジャケット着こなしの2大ポイント【着丈】と【肩】を確実に抑えたら、更にジャケットの表情をソフトに、そして柔らかく変化させる《アンコン仕立て》を取り入れて、裏の仕様までこだわりましょう。

アンコン仕立て

アンコンとは、『アン·コンストラクティッド-unconstructed』を略した言葉で、日本語に訳すと『非構築的』という意味です。
スーツの仕立てでいうと、一般的な総裏や背抜きの仕立てよりも素材を省き、構築的なシルエットを作らない、ということです。
また、見返し(ジャケットの裏側にくる表地)部分を贅沢に広く取ることから『大見返し』とも呼ばれています。

従来のスーツ(ジャケット)の仕立てでは、ジャケットの裏地を含め、毛芯、接着芯、肩パット素材と呼ばれるものが、外側から見えない内側の部分に入っており、これらで構築的なシルエットを作っています。
ただ、アンコン仕立ての場合は、こういった内側の素材を極力省いて仕立てます。
その為、素材が入っていない分ソフトで軽い着心地になり、また全体的にカチッとした印象ではなく、柔らかいリラックス感のある印象に仕上げてくれます。
また、このアンコン仕立ては、ただ単にリラックス感のある印象を与えるだけでなく、上品になびく生地が美しいことから、エレガントな印象も与えてくれるので、スーツとはまた違った表情に仕上がるのでとってもオススメです。

スーツのようにカチッとした仕上がりではなく、ジャケットは軽快感と柔らかさを演出する事が大切ですから、【着丈】【肩】【アンコン仕立て】この3つを組み合わせて、ジャケットスタイルを極めましょう。

◇コーディネートの基本を抑えましょう◇

ジャケット、パンツと同じ生地でつくられた上下一組のものがスーツですが、ジャケットは上下別々の色柄、素材を組み合わせて着ることが基本なので、コーディネートが難しい、、、と感じている方も多いのではないでしょうか。 実際ジャケパンをご検討の方から多く聞かれることだったりします。

スーツと比べるとコーディネートの幅が広すぎて、確かに難しく感じるジャケパンのコーディネートですが、ここもシンプルに考えてしまえば攻略も簡単です。

コーディネートの基本は、、、ジャケットとパンツにコントラストを付ける

これを守れば、ジャケパンのコーディネートに迷わず楽しく着こなせます。

シンプルに考えれば、上下一揃えにしなければいい。
究極的に言ってしまえば、本当にそれだけではありますが、コーディネートの幅が広いと、難しく考えすぎてしまいますよね。

コーディネートの考え方の基本は、ジャケットに濃色をもってくるなら、パンツは淡い色や薄い色をコーディネートし、(その逆は反対のコーディネートで)上下でコントラストを付けることです。
どうですか?シンプルですよね。

とは言え、色の組み合わせに自信がない、、、と言う方も多いかと思います、そんな時は、《グレーのパンツ》を軸にコーディネートを組み立ててみましょう。
特にダークグレーや、チャコールグレーのパンツを1本持っていると、ジャケットにどんな色見を持ってきたとしても、うまくコーディネートがまとまるのでオススメです。

グレーのパンツを軸に上下のコントラストを付けて、メリハリのあるコーディネートを心掛ければ、ジャケパンのコーディネートは簡単です。

他にはパンツにブラウンや、ベージュを選ぶと洒落感がグッと増しますので、グレーの次に持っておくとコーディネートの幅が広がりオススメです。

また、これからの季節はジャケットを脱ぐことを考えると、パンツにチェック柄を取り入れるのもオススメです。
柄が大きくなればなるほど、コーディネートが難しくなるのでオススメは、小柄なチェック柄や、グレンチェック、千鳥格子、シャドーチェックです。
ちなみに、柄物を取り入れるなら、ジャケット、パンツどちらかにしましょう。
柄物どうしの組み合わせは絶対NGです。

◇足元も気を付けてみましょう◇

スーツの足元は、ストレートチップ等のヒモで結ぶクラシックな革靴を履いている人が多いと思いますが、ジャケパンスタイルでは、少しカジュアルなローファーや、紐靴でもスエードを選んで、足元もカジュアル感を演出することも忘れないでおきましょう。
ココは意外と見落としがちですので気を付けていきたいところです。
『足元を見る』そんな言葉があるように、シューズは重要な要素です。

◇ジャケパンにオススメ!~新作生地のご紹介~

さて、ここまでジャケパンの着こなしについて色々とご紹介しきましたが、ココからは、ジャケパンにオススメの生地を、今季新作生地のご紹介と共にご案内していきます。
冒頭でもご案内したように、今年は新作春夏生地をいち早くご覧いただけるように準備しておりますので、是非ご来店いただき手に取ってご覧ください。

◇MARLING & EVANS Undyed(マーリング&エヴァンス アンダイド)

ジャケット価格:64,350円(税込) パンツ価格:34,650円(税込)

MARLING & EVANS Undyed(マーリング&エヴァンス アンダイド)
MARLING & EVANS Undyed(マーリング&エヴァンス アンダイド)

個人的に2024年春夏一番の目玉生地と言っても過言ではありません。
実は数年前からずっとラインナップに加えたいな~、、、と惚れ込んでいた生地でして、満を持して今年ラインナップに加えた生地です。
英国ブランド名門の MARLING & EVANS(マーリング&エヴァンス)。
このブランドのコレクションの代名詞と言われる【Undyed】。
Undyed(アンダイド)、つまり染色(や脱色を)せずに天然の羊毛の色を生かした糸を織り上げた生地です。

ドライな質感と仕立て映え&湿気の多い日本の夏でもヘタることのない、ヘヴィーな目付、そしてザックリとした生地の風合いは、ジャケパンスタイルに取り入れるのにはベストな生地と言えるでしょう。
テキストで説明するよりも、先ずはこの独特な生地感と風合い、色目を是非ご自身で体感していただきたいそんな生地です。生地を実際に見て触れてみることで、よりこの生地の良さを実感していただけます。

オススメは、ジャケットは天然羊毛の風合いをダイレクトに楽しめるナチュラルな《グレンチェック》、そしてパンツは、《ブラウン無地》でコーディネートを引き締める。 品のある大人のジャケパンスタイルにとってもオススメです。

◇CANONICO 21MICRON(カノニコ21マイクロン)

ジャケット価格:50,050円(税込) パンツ価格:26,950円(税込)

CANONICO 21MICRON(カノニコ21マイクロン)
CANONICO 21MICRON(カノニコ21マイクロン)

イタリアブランドの名門《カノニコ》が作り出す、イタリアブランドらしからぬ、そのザックリした風合いとハリコシのある生地感は、ジャケパンスタイルに是非取り入れていただきたい生地です。

21MICRONのザックとしたドライな生地感は、ジャケット良し、パンツにも良しと汎用性の高い生地感に加えて、豊富な色柄は組み合わせの幅いジャケパンスタイルにはもってこいの生地です。

今季は定番の、無地シリーズにブラウンベースの複雑なグレージュに、ジャケパンに取り入れやすい、シャドーチェックや千鳥格子など、21マイクロンシリーズの中で様々なコーディネートが楽しめるのが魅力です。

オススメのコーディネートは、ジャケットは紺ベースでシンプルにお選びいただき、個性的なマスタードやテラコッタ、グリーンなどカラーパンツをコーディネートするのがオススメです。 一見派手に見えますが、ビビットな発色ではなくマットなお色目なので派手にならず、 こなれ感を演出できます。

◇機能性ポリエステル生地シリーズ

ジャケット価格:38,500円(税込) パンツ価格:19,800円(税込)

機能性ポリエステル生地シリーズ
機能性ポリエステル生地シリーズ

昨今のトレンド生地としてメインになってきている、ストレッチ性、防シワ性、軽量性、ウォッシャブル性など嬉しい機能が満載の、機能性ポリエステル生地。

天然繊維と比べると、少しチープに感じる方も多いとか思いますが、、、そんな皆さんに一言、『そんなことは全然感じません!』と胸を張って言えます。
一見すると天然繊維かと見間違えるほどですので、生地の完成度に驚かされます。

この機能性ポリエステル生地は、春夏生地の核となりうるほどシリーズも多いのですが、
そんな中で個人的にとってもオススメなのが、《&+RIRANCHA》(リランチャ)です。

パッと見は夏の代表素材『リネン』そのもの。
吸湿速乾・通気性・防しわ性・ウォッシャブル・360°方向へのストレッチ性などがあげられ、リネンの弱点(シワシワになる、色落ちする、短命等)を克服し、リネンの風合いを楽しめるハイブリッド生地。
どこに弱点があるの?と疑問に思うほどです。

リネン風セットアップ(上下揃い)から、単品ジャケット、パンツと、どのアイテムをお仕立てしてもサマになるのはもちろんのこと、天然繊維とのコーディネートも難なくこなすところも魅力的ですから、ジャケパンコーディネートに取り入れやすくオススメです。 今年は、生成やベージュなどのリネン風のナチュラルな色合いに少し挑戦的な《エンジ色》を新しくラインナップに加えバリエーションの幅が広がりました。

さて、ジャケパンの着こなしのポイントから、新作生地を中心にジャケパンにオススメの生地をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

ビジネスシーンのファッションに、《自由度》が加わったことで、定義が曖昧で複雑になりつつありますが、ある意味でファッションをプライベートシーンだけじゃなく、ビジネスシーンでも楽しめるのが、嬉しいところですね。

スーツスタイルよりもコーディネートの幅が広くファッションを目一杯楽しめる、ジャケパンスタイルを極めて、今年の春夏はファッショナブルに楽しんでいきましょう!


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