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新衿型「ドレスボタンダウン」


良い季節になりました。読者の皆さんはいかがお過ごしですか?
気づけば「衣替え」の季節です。店舗では常時新しい新作生地を店頭にご用意していますので、お近くにお寄りの際は是非お店へお立ち寄りください。

さて
ファッションの流れですが、今年はこれまで以上にビジネスのカジュアル化が進み、ジャケパンやセットアップといった『ビジカジスタイル(ビジカジ)』が深化する様相です。
そこで、ヨシムラではビジカジ時に格好良く見えるようビジカジ用シャツの襟型を新たに開発しました。

新しく追加することになったのは、『ドレスボタンダウン(BD)』の襟型です。

まずは、従来のボタンダウン(これからは従来BD、あるいはオーセンティックBDと呼称します。)と新しいドレスBDを見比べてみて下さい。

ご覧いただきいかがでしょうか?
右(ドレスBD)は左(従来BD)と比べて襟のロール感が立体的で、襟が綺麗なことがお判りいただけますか?

そう、そこが今回のドレスBDと従来BDとの一番の違いです。

従来BDは、オーセンティックBD の名の通り汎用性が高く、全てのシャツデザインの中でご注文の約30%を占めていました。(2023年工場調査)
BDの襟型はビジネスからカジュアルまで幅広く着用可能で、使い勝手が良いことから、ご注文の3割というのも納得できます。
しかし、そこには1つ大きな問題がありました

それは、、、ボタンダウン襟は本来はカジュアルに近い襟型なのにもかかわらずビジネスを重視するばかりにネクタイ着用を前提とした汎用性の高い襟型になっていることです。
:ビジネスやフォーマルでは本来はBDの襟型を使うことはNGとされています。
何故ならBDはブルックスブラザースによって初めて商品化されましたが、その時はあくまでも屋外でのポロ競技で襟が風で捲れないようにするために付けたものでカジュアルデザインの1つなのです。従ってフォーマルはもちろん、ビジネスの場(特にセレモニーの場)などでBDのシャツを着るのは明らかに間違った着こなしです。(昨今では大企業の役員さんでも知らない人が多く、テーラーとしては忸怩たる思いです。

この汎用性というのは、つまりはボタンダウンシャツが、一般的なビジネスの場でネクタイを締めスーツ上下で着る時のシャツとして利用されていることのみならず、クールビズ時ビジカジのシャツとしても着用され、更にはカジュアルではセーターはブルゾンのインナーやジーンズに合わせての着用するという、ビジネスからカジュアルまであまりにも広範囲に使われているという意味です。 ここまで汎用性が広いと、問題点や弊害が生まれます。

それを知るには、もう一度、BDの襟のロール感に注目してください。

柔らかく立ち上がる襟、適度なロール感がある襟は、着用する方をエレガントに見せ、とてもお洒落です。
しかし、ボタンダウンは先述のようにビジネススーツでネクタイ着用を前提とする使い方もされています。そうなると、ネクタイ姿で綺麗に見せることも必要です。
そこで注目すべきなのが “タイドアップ時の見せ方” か? “ノータイ姿の見せ方か?”どちらを優先するか、です。

これを考えると、従来BDはタイドアップ姿が優先され、衿が直線的になりやすく、ノータイ姿に美しさや色気が不足していました。

そこで今回はノータイ姿が美しいドレスBDを開発したのです。 位置づけはこんな感じです。 ドレスBDと従来BDのドレス度合いのマッピングをご覧ください。

一番、フォーマルなのはウイングカラーで、その次がレギュラーカラー、ワイドスプレッドがいわゆるビジネスに最適です。 ワイドは、最近ではノータイ時のビジカジにも使われていますね。
そして、従来BDはビジネスからビジカジ、カジュアルまで幅広く使われています。
そこで、今回のドレスBDですが、位置づけとしてはビジカジカジュアルに重点を置いた襟型です。
ネガティブ説明になって恐縮ですが、何故、ドレスBDがビジネスにやや不向きか?先に説明しますと、ドレスBDも第一釦はありますので従来BD同様、タイドアップすることはもちろん可能です
ですが、衿のロール感はタイドアップすることで、ロール感=隙間が目立ってしまい、丁度ワイドスプレッドの襟にナロータイ(細いネクタイ)を締めた時のようにネクタイと襟の隙間(空間)に若干の違和感が出てしまいます。

ノーネクタイ
ノーネクタイ
タイドアップ
タイドアップ

ただ、時代はクールビズからビジカジです。また温暖化も進みタイドアップそのものの機会が減っているのも事実です。
そこで、ノータイ時に格好良く見えることを優先した襟型ドレスBDを開発したのです。

今シーズンシャツをお探しの方は是非、従来BDとドレスBDを1枚ずつ作って、比較してみて下さい。(オプション料金等は不要です。従来BDと同じです。)
襟型によって見える印象が随分変わることに気づかせられると思います。

それでは折角ですので、私、河本から以下オススメの着こなしなどをご案内します。

ドレスボタンダウンの着こなし例

ジャケパンスタイル~ドレッシーな装いに~

まず、ドレスボタンダウンに合わせていただきたいのが「紺ブレ」です。 そもそもボタンダウンシャツはアメトラファッションを象徴するアイテムですから、同じくアメトラファッションのアイテムである「紺ブレ」との相性は抜群。
この「紺ブレ×ドレスボタンダウン」の組み合わせは、比較的ドレッシーな印象ですので、ジャケパンでもあまりカジュアルなスタイルにはしたくない方にはオススメです。

また、ジャケットを脱ぐと、無地のグレーパンツにボタンダウンシャツと、ベーシックなシャツ&パンツスタイルになりますが、ドレスボタンダウンであることで、シャツにインパクトが増し、コーディネートに寂しさを感じさせません。

ジャケパンスタイル~洒落感のある爽やかな装いに~

一方、少しカジュアルなスタイルがお好みの方は、季節感のある「ブルー」「ベージュ」といった爽やかな色目のアイテムにドレスボタンダウンを組み合わせると、非常に洒落感のあるジャケパンスタイルになります。また、ただ洒落感があるわけでなく、ドレスボタンダウンの美しいロール感が上品な雰囲気も醸し出してくれますので、絶妙に調和された唯一無二のスタイルになるのが魅力です。
もちろん、このままジャケット脱いだシャツ&パンツスタイルでも粋なコーディネートです。


以上、今回はシャツの新しい襟型『ドレスボタンダウン』についてご紹介しました。
世界的にもビジネスのカジュアル化は進んでいます。
ネクタイを締める時はそれ専用のシャツで、ノータイの時もそれ専用のシャツで臨めば、ビジカジでドレスダウンしても“だらしなく”は決して見えませんから、皆さん是非一度お試し下さい。


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