11月もそろそろ終わろうとしておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
師走になると仕事納めに向けて助走が始まりますね。
朝晩とコートが欲しい程の気温になり、秋冬物のスーツが気持ちよく着用できる時期ですが、そんな中当社グループでオリジナルとして開発した生地のご紹介させていただきます。
今回ご紹介するのは、企画段階で携わった生地で思い入れのある「カシミヤ100%」のスーツ地。
カシミヤ100%でスーツ地???
柔らかくて、ヒザとかヒジとかすぐ抜けちゃうんじゃないの? とか、
生地が厚すぎて、普段のスーツとして着用できないんじゃないの?
とか聞こえてきそうですが、
「スーツ用に作った生地」ですからご安心下さい。
カシミヤ100%スーツ生地はいかがですか?
なぜ、カシミヤ100%のスーツ地を企画したのかと申しますと、、、
率直に、他にはほとんど流通しておらず、こういうのがあったらおもしろいなぁ。と思ったからです。
もちろん、ウールでもスーパー160’sや、スーパー200’sの生地はございますが、毛の中でも最高級の位置づけとして確立している「カシミヤ」にスポットを当てることによりおもしろいことをやってみようというのが始まりでした。
言うのは簡単ですが、
この企画、立案して実際に物になるまで約2年かかってしまいました。
ここで、少し話は置いておいて、大まかに羊や山羊の毛から生地になるまでの流れをご紹介させていただきます。
...と、羊や山羊などの獣毛の毛から生地にするまで実際には上記のような流れで、スーツやコートの元となる生地が作り上げられます。
そんな流れで普段通りにとんとん拍子で進むのかと思いきや、まず最初の原毛の仕入れから、つまずいてしまいました。
カシミヤ、カシミヤと気軽に言っておりましたが、実のところ国内で原毛を入手できるのは、大阪:泉州のみ。(毛織物で有名な尾州ではなかったのですね!)
そして、その原毛を今度糸にしなければいけません。
そのまま、泉州で糸に、、、と考えてしまいがちですが、この泉州では実は紡毛しか糸に出来ない。
糸には大きく分けて「梳毛(そもう)」と「紡毛(ぼうもう)」の2種類があり、コートなどに使われるカシミヤは紡毛という毛足の比較的短いものを「紡いで(つむいで)」使用しているのですが、スーツに使われるのは梳毛という毛足の長いしなやかなものを「梳いて(すいて)」使用しています。
一般的なカシミヤは、紡毛にして使用しているのですが、スーツ生地としてしなやか、かつシャキッと織り上げるには梳毛にしなければいません。
どこでカシミヤの原毛を梳毛で紡績してくれるのか、、、
なかなか国内では限られており、そこで行き着いたのが、鳥取にある日本一と言われている紡績工場。
こちらに依頼してカシミヤ/梳毛の糸を紡績していただきました。
ふぅと一息もつかないまま、今度は糸を生地にしなければいけません。
ここで、重要なのが普通の高速織機ではカシミヤらしい風合いが損なわれてしまう。
そこで当社でも国内の生地において絶対的な人気の尾州「葛利毛織(くずりけおり)」さんに依頼しました。
このように、実際に商品になるまでの約2年間。
とても勉強になりました。
そんな経緯を経て出来上がったカシミヤ100%スーツ、
カシミヤらしい紡毛のコート地も非常に魅力的ですが、その魅力を表に出さずギューっと凝縮した(梳毛にした)生地を、是非一度手に触れてみてください!
触るだけでももちろんOK!です。
私の感想としては、
「ウールでもないような、シルクかな?でも違うような、何だろう?これ」という事しかいえませんでした。
多分、プロでも一発目で「これカシミヤ100%?」なんて答えられる人はかなり少ないんではないでしょうか?
日本の技術を集約したカシミヤ100%のスーツ生地。
御幸さんのナポレナシリ○ズではお値段は400,000円〜ですが、私共では生地問屋として、そして極力皆さまへお試し頂きたい気持ちから、
198,000円にてお仕立てさせていただきます。
さらに、今回お試し期間として
98,000円で販売する事に致しました。
是非とも仮縫い付きフルオーダー+57,000円の155,000円にてお仕立てもオススメいたします。