服地の本場大阪谷町で生まれ、東京神田の生地屋街で育ち...はや

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オーダースーツのヨシムラ >> お客様いらっしゃ~い >> 5th Wedding Anniversary

お客様いらっしゃ~い

2017年12月7日更新

5th Wedding Anniversary

今年も残すところ後1ヶ月ですね。
毎年この時期には同じ事ばかり言っておりますが、今年1年を振り返られて皆さんにとって良い年だったでしょうか。
私は特段可もなく不可もなく、といった感じでしたが、特段大病も患わず、無事に年男として2018年を迎えられそうです。
(干支が一周するのなんてあっと言う間ですね)
年男は縁起が良いとされてますから、プライベートもヨシムラ大阪店の売上も飛躍の年になるのを願うばかりです(笑)

さて今回は今年の夏に「シアサッカーJK」をご注文頂いたUさんご夫妻が結婚5周年を迎えるにあたり、記念の品としてコートのオーダーを頂戴しましたので、そちらをご紹介したいと思います。
私はお恥ずかしながら一度も結婚したことが無いので分かりませんが、節目となる結婚記念にはアクセサリー的な物を選ぶのが普通なのかな?と思っておりましたが、そんな大切な記念の品に当店でのオーダーコートをお選び頂けたのは本当に嬉しい限りでございます。

ただ、ただ、最初にUさんからこのご依頼を頂いた時、私はてっきりご夫婦で全く同じ生地で、同じデザインのものをお考えだと思っていたのですが、いざフタを開けてみると生地も違えば、色も、素材感も、デザインも全く異なる物をお考えという、さすが洋服好きのUさんご夫妻!と思わず苦笑、いや感嘆してしまいました(笑)
しかしながらご夫婦で全く別のコートということは、生地も提案内容も倍になるということで,,,,ちょっと嫌な予感が漂う中、お二人それぞれにご希望を伺ったところ、案の定、無理難題を吹っ掛けられました(笑)

それではUさんと奥さんのSさんのリクエスト内容をそれぞれご紹介してまいりたいと思います。

Uさんのコート イメージ
まずUさんがお持ちになられた雑誌が↓コチラ
ポロコート(アルスターコート) 昨年のとあるメンズ雑誌の1カットで、ファッションディレクターの赤峰幸生氏が着ているキャメルカラーのポロコートアルスターコート)※

※元々、アイルランドのアルスター地方で生まれたデザインのコートがアルスターコートで、その後、このアルスターコートを着てポロ競技を観戦する英国紳士のイメージを強調するために“ポロコート”と名付けられたとされています。

デザインは数年前から当店でもアルスターコートの仕立てが可能となりましたので、こちらは良しとしても、問題は生地です。
赤峰氏のアルスターコートの素材はキャメル100%、ご用意出来なくはないですが、カシミア同様、お値段がかなり高額(20万over)となってしまう為、Uさんからは10万円台で、キャメルカラーで、画像のように肉厚感のある生地で、とのリクエストでした。
“そんな上手い具合に見つかる訳、無いですやん”などとは言えるはずもなく(笑)、
仕入先の担当者に依頼し、見つかった幾つかのサンプルの中から
Uさんがお選びになられた生地はコチラ→


英国製のウール80%、カシミア20%のヴィンテージ生地(目付420g)です、ノーブランドですが。
ヴィンテージといえど、カシミア混ですので上品な光沢感はさすがのクオリティです。
この生地に画像のイタリア製ボタンを合わせ、下記の仕様で決定致しました。
デザイン
1.基本デザイン

ダブルブレスト6B×2ボックス仕様
>>> コートの種類は構造上、2種類に分けることが出来ます。
一つはチェスターコート、もう一つはボックスコートとなります。
(この2つ以外にもう一つあるのがラグランコートです)
これらの違いは使用するパーツの数で、チェスターが前身頃、細腹、後身頃の3面×左右で計6面体、一方ボックスは細腹のパーツが無く、前身頃と後身頃の2面×左右で計4面体となります。
面の数が増えれば増える程、球体に近づきますので、ボックスよりチェスターの方がウエストの絞りを出しやすく、立体的な仕上がりとなります
その反面、ボックスは面が少なくなる分、平面的な仕上がりとなり、ウエストの絞りを出しにくくなるからボックスと言われる所以となっております。
因みにトレンチやダッフルコートなどもボックスコートの範疇に入ります。

2.ラペルデザイン

アルスターカラー

3.ベント

インパーテッドプリーツ

4.袖口仕様

ターンナップカフス

5.腰ポケット

フタ付ハッキングポケット

6.裏地

LI2502(ワインペイズリー)

上記、あくまでベーシックなアルスターカラーコートのデザインとなりますが、皆さん、何かお気付きになられませんか?
それはなんぞやと申しますと、様々なパーツの生地が折り重なっているという点です。
ダブルブレスト然り、インパーテッドプリーツ&ターンナップカフス然り、保温性を高めるために考え出されたコートですので、暖かいコートをお求めの方には最適なデザインとなります。

奥さん(Sさん)のコート

続いて、奥さんのSさんのコートはと言いますと、そもそもが以前に大阪店のレディススタッフとして約3年半がんばってくれた上條さんのキャメルカラーのダブルチェスターコートを一緒にお食事に行った際に見て、いつか私も、と心に秘めていらっしゃったそうです(笑)

私:“ならキャメルカラーで行きましょうか?”と言いかけたその時!

Sさん:“私はライトグレーがいいです!”

私:“,,,,,,,,,何で無いものばかり”(心の声)

Uさんのキャメルカラーは幾つか見つかりましたが、Sさんのは本当に無くて、ようやく1種類のみご用意する事が出来ました。
その生地がコチラ↓

こちらも英国製でウール90%、カシミア10%のヴィンテージ生地(目付460g)です。
Uさんの生地と比べると、ウールの分量の方が多いので目付は重くなります。 その分毛足が長くなり、一見するとアルパカシャギーっぽく、女性らしい風合いの生地ですね。
これなら大丈夫だろう、とSさんにご覧頂いたところ、一発OK!を頂いたので、この生地で進めることになりました。


それではSさんのコートの詳細をご紹介してまいりましょう。
デザイン
この画像のコートこそ、上條さんの私物のコートで、
今は東京で頑張っている彼女に無理を言って物取りしてもらいました(笑)、上條さん、ありがとう♪

至ってベーシックなダブルチェスターですが、
ボタン&裏地を同系色で纏めた非常に品のあるコートに仕上がってますね。
今回はこのコートのデザインを忠実に再現致します。
ダブルチェスター
1.基本デザイン

ダブルブレステッド4B×2

2.ラペルデザイン

ピークドラペル(ゴージラインは敢えて低く)

3.フロントステッチ

AMF(太糸で)
>>>肉厚で毛足の長い生地は細番手の糸だと沈んでしまうので、30番手辺りの太糸で入れると程良くカジュアル感で出ます。

4.腰ポケット

フタ付
>>>160cmのSさんのご身長に対して、今回のコート丈は95cmとロング仕様なので、バランスを取ってフラップ巾も5.5cmで。

5.袖仕様

筒袖ボタン無

以上の内容でお受けすることになりました。
前回のシアサッカーJKの完成時にはUさんにお顔撮影のOKを頂きましたが、さすがに奥さんはマズいと思うので(とても綺麗な方ですよ、本当に)、お顔は写さずにお二人で並んで撮影した画像で仕上がり具合をご紹介したいと思います。

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