2019年1月11日更新
こんにちは。 大阪店の大崎です。 2019年も10日程が経ちますがまだまだお正月モードが抜けていらっしゃらない方もちらほら。 皆さまお正月はいかがお過ごしでしたか? お正月らしいことはされました? 私はといいますと12月の忘年会後から、焼肉・ラーメン・焼鳥・中華・蕎麦・鍋で餅・餅・餅…と。 体重計の電池が切れておりほっとしているところでございます(笑)
さて、今回私のコラムではオーダーパンツ(スラックス)についてお話しさせていただこうかなと思います。 皆さん「オーダー」といえば、ジャケットの肩幅やバストが既製品では合わない、袖丈が短すぎて…反対に長すぎて…といった悩みを解決するため一人ひとりに合わせて仕立てるもの、どちらかというとボトムよりジャケットを思い浮かべませんか? もちろんジャケットはパンツよりもサイズやデザインを操作できる箇所、体型補正を入れられるところも多いのは事実ですが、ジャケットは脱ぐことはあってもパンツは常に着用しますし、運動量も下半身のほうが多くサイズが合っていないとシワが入ったり、履き心地が悪いとストレスに感じたりします。 もちろんオーダーなのでパンツもジャケットと同じようにデザインを選択できたり、採寸をしてお仕立てするのですが、デザインやシルエットの詳しいことについては、また次回以降にお話させていただくとして…。 今回はパンツの“履き心地”を良くする(お客様のご体型に合わせた補正を入れる)ことはどのようなことか、体型補正を入れることによってストレスを軽減させたり、綺麗なシルエットを作るということに大きく繋がる要素であることを知っていただけたらなと思います。
まずはじめに既製品のパンツを履く際、ウエストがぴったりだから少しお尻や太もも辺りが張ってても…少しお尻のところは大きいけれど入るからいいか…。 と、諦めている箇所がありませんか? 特にスポーツをされていた方や、年齢とともに筋肉が落ち身体の線も細くなってきたという方は、ヒップまわりがぴたぴただったりゆとりがありすぎてどこかだらしなく見えていませんか? それを解決するための方法。 それが...「出尻補正」と「平尻補正」です。 それぞれの意味は文字通り、出尻は欧米人のようなヒップに高さのある方に入れる補正で、簡単にいうとヒップが張っている分後ろの距離が足らないため、後ろの距離を出してお尻のラインを綺麗に立体的に見せるようにします。 日本人に多いのが反対の平尻で、もともとアジア人は歩き方の癖によって太もも前の筋肉が発達しやすい傾向にあり、デスクワークが多く一日中座りっぱなしだと更に平尻になりやすい。 そういう方には後ろの距離を削るのですが、どちらの補正も横の寸法(ヒップの仕上がり寸法)は同じまま距離を前と後ろそれぞれを足したり引いたりしている、というイメージです。
またこの体型の違いで見た目に現れる特徴としては、まず平尻の方はヒップ周りの布が垂れて溜まった状態になる「たなジワ」が発生。 パンツのヒップの高さよりも内側に実際のヒップラインがあることで、布が余りシワが入るためお尻が垂れて見え、だらしない印象に。 反対の出尻の方は、ヒップラインがヒップの高さの限度よりもより外側に張り出すため、ヒップ周りの寸法が足りず帯下(ベルトの位置より下太ももの前側)に引っ張られたようなシワが入ったり、パンツの外側から内側へヒップに向かって食い込んでいくような引きジワもできてしまうのです。
このような体型の違いによって入るシワは違いますし、単純にヒップサイズの大小で補正を入れるわけでもありません。 補正範囲にも限界はありますが、パンツのお仕立てをさせていただく際、平尻の方はヒップの後ろのダボつきを防ぐように、出尻の方は太もも前や後のシワ、ピスポケットがヒップに引っ張られて開きっぱなし、ということにならないよう、その辺りの見極めはしっかりさせていただきます。
今回パンツの“体型補正”についてお話ししたのは、朝夕の通勤時やお昼時にパンツスーツを着ている女性の方を見ていると...割とパンツのシルエットなどは、ないがしろにされてしまっているように感じたからです。 今までどこか我慢して履いていたパンツ、もっとこうだったらいいのに...というお悩みの方も多かったのではないでしょうか? オーダーでしたらデザインやシルエットをこだわることもでき、今回ご紹介した“体型補正”を入れていくことで、シルエットは綺麗にもっとパンツを楽に履いていただけるかと思います。
スーツを着る際、「サイズが合っていないし着るのが億劫だな…仕事の時だけだから…」と思いながら着ているのはもったいないです! スーツを着る機会や多い方も少ない方も、オーダーというと仰々しい...なんておっしゃらずに!笑 ストレスの少ないカッコいいオーダースーツでおでかけしましょう! お近くに来た際には是非お気軽にお越しくださいませ。 ではまた、次回もお楽しみに。