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MY FAVORITE DRESS

2019年3月8日更新


こんにちは。
大阪店の大崎です。
3月に入り寒さもさすがにゆるみようやく過ごしやすい季節となりました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
過ごしやすいとはいってもこの時期が一番つらいもの......それが花粉。
2月末、奈良の大仏さんに会いに行ってきたのですが、くしゃみをしすぎてそれどころではない状態で家に帰る頃にはもうへとへとでした......(笑)
なぜ風の強い日に、ましてやよく晴れた日に、わざわざ奈良に(自ら苦しみに)行ったのか自分自身を疑ってやみません。
皆さんもお出かけの際は天気予報だけでなく花粉飛散情報を見て、どうぞ気をつけてお出かけを楽しんでくださいね。

さて、本題ですが今回のコラムではこの3月に専門学校をご卒業なされるYさんのスーツをご紹介したいと思います。
卒業式の服装としては、男子はスーツ、女子は袴、といったイメージでしょうか。
ですが必ずしも着なければならないということではなく正装であればいいのですが、いざ既製品を購入しようとした際に、サイズが合わない、欲しいと思う色柄が無い、など欲求を満たすことは難しいですよね。

以前大阪店にお越しいただいたお客様の中には、「男の先輩が卒業式で着ていたスーツが印象に残っていて」と、ゆったりとした作りのソフトスーツをお仕立てしたことも。
今回のYさんも、「この画像の男性が着ているのを真似したい」とイメージ画像を見せていただきながらのオーダーとなりました。
その男性はウィンドウペンのスーツ上下に黒ベスト、デニムシャツに蝶ネクタイを身に付けており、仕様は忠実に真似する形で同じ生地はなくとも全体の雰囲気を寄せていくことなりました。

生地

まず初めに印象を決定づける生地選びですが、拝見した画像と同じような生地はなかなか難しく、似たようなお色味、華やかさのトーンを重視し、ヴィンテージクロスの中から今回はこの生地で進めることになりました。
それは.....1938年に設立された世界最大のマーチャント「SCABAL」社のチェックです。
地色はキャメルで明るい緑と茶の色味がアクセントになっており、普通のスーツ地よりもカジュアルにそして可愛らしさのあるこちらの生地で進めることに。

ジャケット

ジャケットの仕様はシングル2つ釦のテーラー襟、腰のポケットも裾と平行真っ直ぐで、最もベーシックに画像を忠実に再現いたしました。
着丈に関しては、レディスのパンツスーツではヒップのトップから少し下のラインで止めるのが一般的ですが、メンズのサイズ感を意識して2cm程ラインを下ろし長めに設定いたしました。
しかし、唯一画像では見えていない仕様...それがジャケットのバックデザイン(ベント・スリット)でした。

レディススーツではほとんどがセンターかノーベント(切り込みの無い仕様)、サイドベンツはとても少ないのですが.....今回はあくまでもメンズライクに!が目標なので「サイドベンツ」です。
その由来として、腰に吊った西洋剣の出し入れをスムーズに出来るようにとデザインされたものの名残と言われており、威厳や風格を醸し出す仕様のためどちらかというとメンズっぽい印象となります。

ベスト

続いてベストです。
ポイントは別地で仕立てるオッドベストです。
スリーピースは全て同じ布で仕立てられた「ジャケット―ベスト―パンツ」のセットからなるものですが、今回はオッドベストをツーピースの中に仕込むことに。
ベーシックな色味のツーピースをお召しいただく際の“はずし”であるオッドベストを、全体のバランスを落ち着かせるものとして活用するのも全く問題ありません。
今回のようなポップな生地にはあえて無地の落ち着いた色味で引き算することがバランスよく仕上げるコツです。

パンツ

また、パンツの仕様はテーパードですっきりとした見た目に。
裾が少しシューズにあたっていますが、卒業式当日のレースアップシューズを履かれることを想定し、綺麗にすとんと落ちるようくるぶしの位置で止めてあります。
裾の仕様・丈感は合わせるシューズ・ヒールの高さによって仕様を変更したり細かく丈を調節することが、足長効果やシルエットの美しさに繋がるため、皆さんがお持ちのシューズに合わせて提案してまいりますね。

最後になりますが、Yさんのご着用写真をお披露目です!
いかがでしょうか。
ツーピースにオッドベストを組み合わせた、カッコいいのに優しげでとても落ち着いた雰囲気のスーツに仕上がっています。
実は今回スーツだけでなくシャツもオーダーしていただきました。
メンズではシャツの袖をスーツの袖から少し見える程度が適切とされており、今回の場合もそれを目安に調節いたしました。
当日は今回オーダーいただいたものに蝶ネクタイを合わせるとのこと....更に華やかさとキュートさが増しますね!
拝見できないのが非常に残念ですが....今回撮影にご協力いただきましたYさん、本当にありがとうございました。
ご卒業おめでとうございます!
学生最後で“一生に一度、学生の皆さんが主役”です。
「私だってスーツをカッコよく着こなしたい!」と自分好みの服装で臨みたいと思っていらっしゃる方には特に今回の内容も参考にしていただければ幸いです。
“MY FAVORITE DRESS”で学生生活最後の思い出を最高のものいたしましょう。
ではまた、次回もお楽しみに。


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