2019年5月17日更新
こんにちは。 大阪店の大崎です。 新元号“令和”に変わってはや2週間ほどが経ちました。 元号をまたぐ瞬間はなぜか“大晦日”のような雰囲気に包まれ、年越し蕎麦ならぬ「元号越し蕎麦」まで発売されたそうですが、皆さまはいかがお過ごしでしたでしょうか。 平成生まれの私にとっては「平成が終わる」というのは感慨深く、色々なことを思い出しますが、気付けばすっかり大人になった自分がいて、まわりに「結婚いつすんねん、相手おるんか?」となじられる日々....(泣笑) そんな周りの目に立ち向かい、今まで以上に仕事に邁進して“素敵な1着”を作ることに専念していきたいと思っておりますので、令和の時代もどうぞよろしくお願い致します。
さて、今回は大阪店にてオーダーいただいたWさんの「セレモニー用コート」についてご紹介させていただきます。 単語“セレモニー”の意味だけでいうとお葬式なども含む式典すべてのことを指しますが、日本においては入学式・卒業式・結婚式...etcと、おめでたい意味で使われることが多いですよね。 コートのデザイン・シルエットは至ってシンプルですので、皆さんご自身がお持ちのフォーマルウエアを引き立たせるコートのご参考として読んでいただければと思います。
まずは、生地と基本のデザインについて。 Wさんのお召しになられる服の色柄・アイテム等を教えていただき、合わせやすさを考慮し一番バランスが良いものにと考えた結果....先だってオーダーしていただいたスカートスーツ地と同じロロピアーナの生地でお仕立てさせていただくことになりました。 ツーピースにベストを仕込むことはあってもアウターを同じ生地でというと、馴染みがあまりないという方もいらっしゃることかと思いますが、冬の定番生地であるハリスツイードやフランネルの生地でコートを同じ生地で仕立てるのはありですし、今回のように防寒対策としてではなく、フォーマルウエアの邪魔をしない羽織り物としてオーダーもOKです。 今回お仕立てするのにあたって、基本はスカートスーツの上から羽織っても違和感がない、フォーマル感が損なわれないようにすることを前提に、ちょっとしたお食事会、イベント、音楽鑑賞会....etcスーツではなくとも綺麗目な服装をする際にも使えるようにデザインを決めていきました。 簡単にご説明いたしますね。
全体シルエットはWさんのご希望で裾がすとんと落ちるようなIラインに。 サイズ感は既製品でいう“Sサイズ”でいらっしゃるWさんにとって、既製品だとサイズが少なく着ぶくれして見え、シルエットもなかなか気に入ったものが無いとおっしゃておりましたので、ご希望に添えるよう裾周りのサイズはひろがりすぎないよう設定し、丈も調節いたしました。 また、着ぶくれしないようにするためには、コートのシルエットももちろんですが、インナーにお召しになられるものを少し工夫するとよりスタイル良く見えます。 ワントーンコーディネートというよりは、アウター・インナーでコントラスト・色がはっきり違う、動物に例えるとするなら「ペンギン」のような、インナーが黒系統であれば羽織りは白系統に、モノトーンに限らず同じように意識してみてください。 インナーは同系色でグラデーションにするとバランスが良いですが、トップスとボトムスとで色がかけ離れているものは、できればトップスを短めにしたり、ハイウストのスカートまたはパンツを履いて腰の位置をなるべく高くもってくることを意識するとGOODです! また、今回は厚手の服の上に羽織る防寒用コートではないためシルエットを重視し、肘幅、袖幅はそれぞれ少しだけ出してジャケットの上に羽織ってもタイトすぎないようにいたしました。 残念ながら着用写真はないので少々分かりづらいところがあるかと思いますが....(汗) ご試着の際にはWさんにも「ラインが綺麗ですね」と裾のおさまりなどご満足いただけたご様子でしたので、とても安心いたしました! スカートスーツに引き続きオーダーしてくださり、今回のコラムでご紹介させていただきましたWさん、本当にありがとうございました。 様々なシーンでお召しいただける、スーツとコートですので、是非たくさんご活用くださいね! ではまた、次回もお楽しみに。