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麻のこと~夏を凌ぐ天然繊維~

2020年7月10日更新


こんにちは。
大阪店の大崎です。
梅雨があけると本格的な夏がやってくる...そう思ったら急に梅雨もいいかもと思ってきました。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
例年は7月末に天神祭、8月にPL、淀川花火大会とワクワク・ドキドキの季節のはずですが、今年はまったく違う夏になりそうですね。
青森のねぶた祭りや、新潟の長岡花火、山形の花笠祭り。(自社工場があるところ推し)
数年後には行けるといいなぁ...楽しみに待つとします♪

今回のテーマは夏を代表する天然繊維≪麻≫
“梅雨があけたら麻のジャケットやな!”そんなふうに思っていただけるよう書いてまいりますので、どうぞ最後まで宜しくお願いいたします。

さて、お祭りに行くときの装いといえば“浴衣”
皆さんが持っている浴衣のその生地、素材はなんでしょうか?
なにも気にせずに買っていた...そんな方もいらっしゃるかもしれませんね!
色鮮やかで色合いがはっきりしている、でも生地感が堅く膨らみがあまりない...。
それは化学繊維(ポリエステルやレーヨンetc)かも...。
汗をかくとべたつきませんか?
化学繊維の生地は自宅で洗えたり色柄も豊富なので増えてきましたが、本来浴衣というのは通気性の良い麻や木綿が主流だったんですよ!

浴衣の語源.......

湯帷子(ゆかたびら)と言って、元々は平安時代に入浴時に着られていた着衣。
それが後に寝間着として用いられやがて江戸時代になると、今に近いちょっとした外出着としても広がっていきました。

素材........

江戸時代に入るまで苧麻[ラミー]と大麻[ヘンプ]が主流。
あまり聞きなれない名前かもしれませんが、鎌倉時代~室町時代にかけて、衣服だけでなく陣幕や鎧の裏地等(丈夫なので矢を通しにくい)にも麻が使用されていました。
その後、明治初期に亜麻[リネン]が持ち込まれ、戦後は衣類だけでなく一流ホテルや皇室のシーツなど室内用品として多く用いられるように。
その理由は皆さんもお分かりのとおり、ソフトでしなやかな風合いが苧麻や大麻には無かったんですね...。
こうして衣料品や肌に触れるものは徐々に亜麻に移っていきました。

日本で「麻」と表記できるのは、苧麻と亜麻この2種類だけ。
その他の数十種類の麻は(大麻や黄麻etc)指定外繊維と表記されます。


苧麻[ラミー]
陣幕や鎧の裏地などにも使用されていると言いましたが、繊維は天然素材の中で最も強く、コットンの2倍、ウールの4倍強度があり、水に濡れると更に強度を増します。
亜麻に比べると少し繊維が太くザラザラとした肌触り。
服を着た時に“ちょっとチクチク・ゴワゴワするなぁ~”と感じた。
それは苧麻の糸が混紡されているかもしれません。
見た目は絹に似た光沢感で涼感も優れているので、和装の生地や帯によく使用されます。


亜麻[リネン]
ここまでしつこいくらい「麻」「麻」「麻」と話してまいりましたが、もっと「麻」を身近に感じる名称は≪リネン≫ではないでしょうか?
(カタカナを使ってはいけないゲームをしているみたいで少し疲れました。笑)
“リネン”と聞いて思い浮かぶのはもはや定番?
皆さんご存じユニクロのプレミアムリネンシャツ

上質な[フレンチリネン]を100%使用しているのにも関わらず、コストパフォーマンスが高いことでたちまち人気商品に。
それまで高価だったイメージは薄れ、既製品でもたくさんのリネン素材のアイテムが増え“春夏の定番素材”となりました。
フレンチリネンはあまく織られた柔らかい風合いが特徴で、チクチクせず着心地が良いのでより肌に近いシャツ生地として定着しています。

またもう1つオーダー業界でもポピュラーなのが、アイルランド産の亜麻から作られた摩擦に強くハリのある[アイリッシュリネン]
雑菌が繁殖しにくい衛生的な面や、生地にした際に毛羽立ちが少いこと、しなやかで上品な光沢感が最高級と評される理由です。
私も昨年仕立てましたが、独特なシャリ感のある生地は肌にまとわりつかず皺もよりにくいため本当に重宝しました。

現在リネンの主産地は東欧諸国や中国ですが、日本(栃木県etc)ではリネンというよりも大麻の生産が有名。
日本のほとんどの地名には文化や地形、特定の自然物からとらわれた字を含むのですが、「麻」とつく地名が全国各地にあるということは...それだけ昔から根付いていた文化だったんですね。(因みに「麻」が入る地名が一番多い県は徳島県)


大麻[ヘンプ]
そんな大麻は、あまり良いイメージというかそれがどのように使われているかといったら、これまた良くないことしか思い浮かびませんが(汗)
実は昔から神聖なものとされており、神社のしめ縄や横綱の綱に使用されている植物なんですよ。(成熟した無害の茎を使用)
加えて農薬や化学肥料も使用しなくても元気に育ってくれるため、環境への負担も少ないエシカルな素材として注目されています。

しかしまぁ.....。
街中を見てみても麻のジャケットを羽織っている方は本当に少ない!(泣)
機能性素材ジャケットが多いのが現状です。
涼しく快適に過ごせるのはリネンだということは知っていても、ビジネスシーンにおいて基本的に“皺”は天敵。
どうしてもカジュアルに映ってしまうところが気になるところ。
そこで、100%麻ではなく、皺になりにくいようウールやコットンを混紡した生地YOSHIMURAにはあるんです。
それはどんな生地かというと...?

オススメ生地

【Loro Piana “summer time”】Wool 49%,Silk 30%,Linen 21%

ウールベースなので皺が入っても元の形に戻ろうとする力が働き、皺になりやすいシルクとリネンの性質をカバーしてくれます。
生地に光沢感があるのでフォーマル感が保たれ、普段履くスラックス等とも合わせやすい。

画像の中には混紡率が微妙に違う生地もございます。

【X14-4341~4344】Linen 100%

リネン100%の生地は、カジュアルなデニムやコットンパンツとの相性がGOOD。
男女関係なくプライベートの日にもお使いいただけます。

【Orobianco】N19-7401,7402  Wool 66%,Cotton 27%,Linen 7%

マットな表面感、杢調ベースにドビー織りのウインドウペン。
ツーピースで仕立ててジャケット単品としても使えるように。
一粒で二度おいしいアイテムにいたしましょう。

麻は繊維組織に中空構造を持つため汗をかく夏は水分を吸熱・発散、汗をかかない秋冬もその中には空気が入ることで体温を逃がさず温める保温効果も!
夏はクールマックス、冬はヒートテック、機能性素材に頼らずとも麻は夏も冬にも適応できる最強繊維なのです。

日本の夏“麻”無しでは凌げない。

春夏物はお盆過ぎまで店頭にてご覧いただけます。
どんな風合い?どんな色柄?
気になる方はどうぞお気軽にお立ち寄りください。
ではまた、次回もお楽しみに。