2020年11月27日更新
こんにちは、東京店の富田です。 本格的な寒さも近いこの頃ですが、皆さま如何お過ごしでしょうか。 毎年この時期になると、インフルエンザの予防接種を受けるのですが、今年も予定通り接種してきました。巷の話では、今年はワクチンが少ないとか。きっと多くの人が摂取するという事なのでしょうね。接種すれば少し安心ですが、それでもインフルにかかる事もありますし、 実際去年の私がそうでした。(涙)栄養と休息、そして疲れは貯めないことが大事ですよね。 皆さまもどうぞ、今年の冬はより一層気を付け下さい。
さて、今回のレディースコラムは、ロングジレのお披露目です!! 大変長らくお待たせしましたが、覚えていらっしゃいますか?
前回の話では、作れるかどうかも分かりません。。。とお伝えしておりましたが、 打合せを何回か重ねながら、妥協できるところは妥協した結果、なんと出来上がりました!! 自分の思いは、このロングジレをレディースオーダーの〝新しいアイテム〟にしたい! との挑戦でもありまして、これを見たお客様が、こんなジレもつくれるんだぁ~♥ と喜んで頂ける事を願い、工場の方が作りやすい仕様に変更して完成しました。 それでは、完成したロングジレをご覧ください。
どうでしょうか?自分で言うのもなんですが、いい仕上りになっていると思います! (はい、ここは自信をもって自画自賛で、スミマセン) こうしてお披露目すると、きっと問い合わせが殺到しそうですので、先に結論から言ってしまいますと、 申し訳ございませんが今回のロングジレは、お仕立てできません。(T-T) え~っ、何故何故~?!と私も驚いて聞いてみると、ベテランの技術のあるスタッフさんが、 辞めてしまうそうです。先に分かっていれば、挑戦しなかったのに。。。 これはもう、落胆と、モヤモヤした気持ちしかなく、何とか出来ないものか?と、 懇願してみたのですが、結果お客様にご迷惑はかけられないと思い、私の中では〝休止〟として、またの機会を待とうという結論になりました。 ここで思うのは、やはりモノ作りはそう簡単にはいかないということ。 今は物が大量にある時代で何でも簡単にできてしまうと思いがちですが、 すべて始まりは人の手ですからね。経験と技術がなければ当然作れませんし、 熟練の人材は不可欠です。また初めて作る物は、型紙の作成から仕様確認、縫製と繋がっていきますから、一苦労です。 それではここで大変だったと言ってはなんですが、〝初のロングジレ〟を作るにあたり、 打合せた内容と番外編?! をご紹介します。
そもそもベストに衿があるなんて、素敵ですよね。 私の希望したノッチ衿ですが、絵型にも後ろ衿を描いていましたが、 本来のベストに後ろ衿は無いそうです。それはジャケットを着るためにゴロつくからと。 へぇ~確かに!そう思えばそうだなぁと。 そのため、後ろ衿は無くしてすっきり仕様になりました。それを偽(ニセ)衿と言います。 後ろ衿がないのは、ちょっとさ寂しいかな?と思いましたが、鏡に映るのは前だけですから全然気になりませんね。
当初希望していたのは、底辺角をふんわり小丸にしたアウトポケットでしたが、 元々ベストにアウトポケット仕様が無いとのことで、箱ポケットに変更しました。 ここはデザインの一部でしたので、正直妥協したのは残念でしたが、仕上ってみればそうでもなく、生地のイメージからすると、むしろ箱ポケットで正解でした(笑)
そして、、、ここからは番外編として、ちょっとした失敗談?!です(苦笑)
テーラー衿の要でもある、衿と返り線のプレスは、とても表情を左右するところでもあって、返り線は綺麗に返るよう軽めにプレスで押さえるのが美しいのですが、 何でこんなにびたっ~とプレスするの?かと、怒る気持ちを抑えて聞いたところ、そもそもベストの上にジャケットを着るものだから、ベストの衿は押さえておかなければいけないとのことで、そのようにプレスをかけたようです。 はぁ~、そういうことでしたか(汗)。。。 ロングジレだから、このまま着るのになぁ。。。 言わなくてもそのほうがカッコいいと思わないかなぁ。。。と、 心の声も連発しましたが、ここは指示の難しさと勉強と思い割り切りました。
手を入れるとそれは深く30センチ定規がすっぽり入る程、裾まで袋地が長かったので、 ある意味おかしかったのですが、何故こんなにポケットが深いのか聞いてみたところ、 元々のベストの着丈は短く、袋の深さはほぼ一緒ですが、今回のロングジレは規格外だったので、見落としてしまったようです。 深すぎるポケットは、やはり使い辛いので、そこは直してもらいました。
最後に、 今回ロングジレに挑戦するにあたり、既存のパターンを元に、着丈や横寸法を少し調整してもらえば簡単に出来るのかと思っておりましたが、出来る人がいなければ仕方ありませんね。 今は出来ないという事で、結論付けとしますが、またいつか機会を待って、 ロングジレのオーダーが取れる様になれればと私も願っていますし、また思いつく事があれば、挑戦してみたいと思います。 それでは、次回のコラムもお楽しみに。