2021年1月15日更新
こんにちは。 大阪店の大崎です。 2021年初めてのレディースコラム更新となりましたが、皆様お変わりございませんか。 コロナ禍一色だった昨年の漢字は「密」、私は早くも今年2021年の漢字を予想してみました。気が早い(笑) コロナやそのショックから立ち直る、痛みがひいて回復に向かえるようにと願いを込めて「癒」です。 当たるといいなぁ....。 因みに今年の干支は「丑」で、十二支の中で最も緩慢。 ワクチンというトンネルの先の光が見えて、すぐさま出口めがけて全力疾走したい! という気持ちもぐっと堪えて先を急がず一歩一歩着実に物事を進めることを大切に。 引き続き手洗い・うがい・消毒を怠らず、今年も元気に過ごしてまいりましょうね! さて、今回のテーマは「紺ブレザー」。 いわゆる紺ブレです。 昨年はコロナの影響で更にオフィススタイルの多様化・カジュアル化は加速しましたが、その数年前から紺ブレを含む“ジャケット”がレディースのレディメイドでも目立つようになりました。 事実、お越しいただいたお客様(男女問わず)からもスーツの代わりが欲しいと注文数が多かったです。
と、いうことで。 今回のコラムではスーツがいらなくなった方も、プライベート用ジャケットを探している方も、このコラムを読んでいただけている読者の方々にも今年こそ手に入れて欲しい《紺ブレザー》についてお話ししてまいります!
さてまずは、紺ブレと聞いても普段はスーツばかりで全くピンときてない方もいらっしゃるかと思いますし、店頭では詳しくお話したことのない由来や基本のデティールについて簡単にご説明してまいりますね。 起源は諸説ありますが有力な説が2つ、まず1つ目はビクトリア女王の前で行われる式典の際、みすぼらしい格好の水兵たちを見栄え良くさせようと、艦長が全員に紺のサージに金色のボタンがついた制服を与えたところ、女王がその制服を大変気に入りその船の名前「ブレザー号」にちなんでブレザーと命名した説。 基本デザインは、ダブルブレスト6つ釦2つ掛けの英国的正統派デザインで王室も認める略礼装です。 全体にやや細身でウエストのシェイプをきかせたシルエットが特徴。 そして2つ目は、ケンブリッジ大学の生徒がオックスフォード大学とのボートレースの対抗試合で深紅色の上着を着たため、Blaze(炎)が訛ってBlazerとなった説。 米国流のブレザーは、シングル3つ釦(段返り)のパッチポケット仕様が基本で、米国大統領も紺ブレを取り入れたスタイルを実践しているのを見かけます。 肩のシルエットは強調せず着る人を選ばないナチュラルショルダー。 前ダーツ無しの比較的ゆったりとしたサイズ感が特徴。 いずれにしても、ブレザーとはスポーティーなユニフォームのことで、メタル釦(ドーム型で刻印入りのものやフラットで足付きetc)や胸のエンブレムには所属するクラブで統一したものを使用、それがいわばクラブの象徴(=チームへの帰属意識)とされています。
街で男性のジャケットの仕様を見た時、ほとんどの方がシングルスーツ(もしくはジャケット)を着ているように、日本の紺ブレは米国的ブレザーが定番。 日本では1962年「VANヂャケット」が誕生、みゆき族と呼ばれる当時の若者を中心に大ブームとなり、1964年東京オリンピックで日本代表選手が真っ赤なブレザーを着たこともきっかけの1つだそうです。 基本デザインは、フロント釦は3つ釦(中1つ掛け)、袖口は2つ釦で、胸はオープンパッチポケット、腰はパッチ&フラップポケット。 そこから現在は胸ポケットはオープンパッチではなくウエルトポケット(箱ポケット)、バックサイドのセンターフックベントはセンターベント、というように多様なデザインで展開されています。
メンズはビジネスシーン等きれい目スタイルを要求される場面にはダブル。 フォーマル・カジュアルどちらも兼用にしたい時は、コーディネートのハードルが低く楽ちんなシングルが良いと思います。 しかしレディースの場合はオフィスカジュアルOKの方も多い....どちらかというときちんと感と華やかさのあるダブルがオススメです! やはりビジネスでは相手に良い印象を与えたいのでシルエットにも“洗練さ”を。 ルーズすぎないようほどよくウエストを絞り、胸・腰ポケットもON/OFF分けず使用できるようアウトポケットではなく「両玉のフラップ付き」が確実です。 ステッチもミシンではなくAMFでカジュアルすぎない仕様がオススメですよ。
※1>>> ダブルでサイドベンツはデフォルト、シングルはセンターベントorサイドベンツどちらでもお好みの方をセレクトできます。 センターの方がシャープな印象で、サイドは少しメンズライクでクラシカルな印象に。
※2>>> 既製品のレディーススーツ・ジャケットには胸ポケット無しが多い...バストにあたる部分なので見栄え的にはないほうがすっきりとは見えます。 ただ実用面(ペンや名札等をさす)で胸ポケットが必要な方もご安心ください。 ヨシムラでは胸ポケット、腰ポケットそれぞれの有無、デザイン等も指定可能です。
※3>>> 高級感は金属製の方がいいのですが、重く釦がお辞儀してしまうため生地が柔らかいほど軽いプラスチック製がオススメです。 また釦を重ねると音がカチャカチャと鳴りやすいのでキッシングがGOOD。
※4>>> サージとは斜め45度の綾目が特徴で、シーズン問わない汎用性の高い生地。 夏は平織のホップサックで軽く、冬は目付のしっかりとしたフランネル等季節に合わせて選ぶのもいいと思います。
ひと口に紺ブレといっても、このようなデザインや素材、カレッジブレザー・テニスブレザー等、使用目的によって細かく分類していくと本当に幅広い。 そこに紺色のトーン(ミッドナイトブルー、インクブルー、ロイヤルブルー)まで入ってくると、紺ブレ1枚持っていると安心みたいな感覚はなくなりますね。笑 こんなふうに実は奥が深い紺ブレを“自分好みにアレンジできる”のもオーダーの醍醐味です。 シャツとパンツのコーディネート次第で様々な表情を見せてくれるので、定番のグレーパンツはもちろんトレンドカラーを取り入れるのもあり。 パントンが選ぶ2021年のトレンドカラーは、太陽を表す鮮やかなイルミネイティング(イエロー)と、堅実で静かな安心感を与えるアルティメットグレー。 どちらも明るいトーンではありますが、紺ブレがきちんとまとめてくれるので安心です。 私も春夏に向けて合わせるパンツをコットン生地で検討中。 是非皆さんも《紺ブレ》を使ったコーディネート楽しんでみてはいかがでしょうか。 お電話やメールでもご相談承ります。 ではまた、次回もお楽しみに。