2021年7月9日更新
こんにちは。 大阪店の大崎です。 梅雨入りが早かったので梅雨明けも早いのだろうと思っていましたが、どうやら平年並みの予想。 洗濯物がぱりっと乾いてほしい...早くこんな青空が見たいですね。 皆さんいかがお過ごしでしょうか。 世間はクールビズで、スーツのスの字も頭にない....(いや、きっと少しはありますよね?汗) 今回はそんな時期だからこそ皆さんに考えてみてほしい「ブラックフォーマルウエア」についてご紹介したいと思います。 “備えあれば患いなし”と言いますように、頻繁に使わないけれども必要な、あの時準備しておいてよかった~となる物。 ん?なんで?ブラックフォーマル?と、思われた方も是非一度読んでみてください。
さて、ブラックフォーマルとはなにか、頭に浮かんでいますでしょうか。 男性の場合は、結婚式等に参列する場合ブラックフォーマルは必須なのでオーダーしたことがあるという方も多いと思いますが、女性の場合はお祝いの席では着用することがないので、ブラックフォーマル=喪服のイメージ。 葬儀・通夜・法事などの弔事の席でしか着ないため、特にお若い方は“まだ用意しなくても大丈夫”と、なかなかオーダーするきっかけがありません。
しかし、お祝い事とは違って喪の席は突然やってくるもの。 そういう場面での服装や行儀といったことが“なんでもいい、誰も見ていないから”と、無意識過剰になってきてはいませんか? 以前私も着る機会があった際に「○○さんとこの○○ちゃん?」と、身バレもなにも皆が知り合い状態。(田舎のいいところでもあるんですけど。笑) そんな時はなおさら恥ずかしい思いはしたくないですし、どんな職業でどんな立場であっても“大人の嗜み”として、1着はちゃんとしたブラックフォーマルは必要なんだと改めて実感いたしました。 今回のコラムでは、何を着るのが正解で、オーダーで作るメリットについてもお話ししますので、皆さんにはいざという時に慌てなくてもいいように、安心を備えていただきたいと思います。
右:フォーマル用の生地
レディースのブラックフォーマルにはいくつか種類があり、故人との関係や参列する立場によってふさわしい装いをしなければなりませんが、葬儀・通夜・告別式から三回忌までの法要など、喪主・遺族・近親者や一般の参列者の立場など幅広いシーンで使える1着があると、とりあえずは安心です。 基本はアンサンブルを仕立てましょう。
生地は普段のスーツをオーダーするように光沢のある生地「=華やかな見た目」ではなくマットで、黒は黒でも漆黒が◎。 生地に染色するのは非常に高い技術が必要なので、礼服用とされる生地はこの漆黒に近くなればなるほど高級とされているのです。(安い礼服地がNGというわけではありません。) また、肌の露出を極力控えるのもマナー。 ジャケットを脱ぐ可能性がある場合のインナーは7分袖、脱ぐ可能性がない場合は5分袖くらいが望ましく、ワンピースやスカートの丈はひざ~ふくらはぎまでくらいでとめておきましょう。
※足を隠したい、寒いのが苦手・・・ 喪主側の場合は「正喪服」と呼ばれる和装もしくは洋装を着用します。 その際は極力肌を隠すことを意識した襟の詰まったデザインで、スカート丈はひざ下5cm~7cm以上あるものからくるぶしまでのロング丈が好ましいので、参列者側は丈が長すぎないものにすることがマナーとなります。 スカートが着慣れない、寒さ対策をという方はパンツスーツでも良いのですが、一般の参列者の立場で参列する時や三回忌以降の法要等以外の“フォーマル度の高い場”では着用できないことを注意してください。
レディースの既製品は、大体相場が¥40,000~¥60,000くらいでポリエステル素材。 ヨシムラでは、同じ価格帯で全てウール100%。 いくらオールシーズン対応と書かれていても、ポリエステルに吸湿性はなく汗で生地が張り付いたりと着心地がいいとは言えません。 その点、ウールは吸湿性があり快適で、なにより高級感が遥かに上さということは皆さんもご存じだと思います。 そして、オーダーの最大のメリットは「自分だけの、自分に合ったサイズ感」であること。 既製服の場合は、ここはちょうど良いけど他が大きすぎる等、自分にぴったりくるサイズを探し当てるのは至難の業。 オーダーなら、肩幅・バスト・腕の長さ・ワンピースやスカート丈等、細かく採寸した上で一人ひとりのお好みのサイズに合わせて製作することが当たり前です。
※ただ喪服の場合は、今の体型にジャストで合わせるのではなく10年先も想定し、特にお腹周りには“適度なゆとりを入れたサイズ”で仕立てることをお勧めしています。
シーンを選ばない正装、ジャケット+ワンピースのアンサンブル。 3つ釦のクローバーカラーか、シンプルなノーカラーがオススメです。 ワンピースのシルエットは身体のラインが出やすいタイトよりもセミフレア。 インナーを考える必要がなく、コーディネートいらずで楽ですし、座った際にもボトムスの帯が食い込んでキツイなんてことはありません。
次のオススメは、季節を問わずお召いただけるスカートスーツ。 また夏は汗をかくしワンピースはちょっと...という方もインナーを変えて着られるのでいいですよ。 コーディネートが煩わしいという方にはベーシックなクローバーカラーと併せて、ラウンドネック(釦留め)のジャケットもオススメです。 スカートやワンピースの丈は、1cm単位で調節可能のため、お客様一人ひとりに合った丈をご提案いたします。
最後は略喪服としてお使いいただけるパンツスーツ。 活動的(動きやすい)でビジネスっぽい印象を与えないために大事なのは、サイズ感とデザイン。 ジャケットの襟は無しのラウンドorVシェープ、パンツシルエットはストレートが基本で、テーパードシルエットやピタピタすぎるのはNG。 大きすぎてもだらしなく見えてしまいますので、ほどよくゆとりを入れたサイズで仕立て、ビジネス感を和らげましょう。
ノーカラー(ラウンド) (注意:写真は全てイメージです。)
ヨシムラでは数ある礼服地の中でも選りすぐって漆黒の生地をご用意しておりますが、フォーマルは「春夏秋冬」時期に関係なく着用する可能性があるので、年中着られるスリーシーズン物のMIYUKIKEORIがオススメです。(大阪店では人気NO.1) “フォーマルと言えば御幸毛織”といわれるくらい優秀な毛織物を織り上げることで有名な尾州のメーカー。 国内三大毛織の内の1つであります。 綾織でほどよく厚みがある生地は、ストレッチ性に優れシワにもなりにくいため、長時間座っていることの多いフォーマルスーツとして嬉しいポイントです!
※社会的立場のある方・・・ 列席される機会も必然的に増えるかと思われますので、スリーシーズン物で賄うよりかは、春夏、秋冬用それぞれを1着づつご用意される方がよろしいと思います。
以上、簡単にご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。 今回は私にしては真面目な?内容でした。 なんでもありの世の中はたしかに楽なんですが、その場面がきた時くらいは失礼のない装いをしたり、日常とはしっかり分けた意識をもちたいところですね。 店頭では常時、礼服用のハンガーサンプルをご用意しておりますので、涼みがてら寄っていただければ幸いです! 分かりにくい点がございましたらお問い合わせください。 ではまた、次回もお楽しみに。