2022年4月8日更新
こんにちは。 大阪店の大崎です。 昼間はシャツ1枚だけでも出掛けられるくらいの温かさになってまいりました。 皆様いかがお過ごしでしょうか。 長い冬が終わり今の季節の“服選び”が一番ワクワクするのは私だけですかね。 厚~くて、重た~いスーツやコートから解放されて肩コリが治りそうですし、身軽だからさっとどこへでも行けちゃいそうです。 そして私はここ数週間、春夏スーツはなにがいいかと考えて悩んで悩んで…楽しんですけどね。 皆さんに面白い!私も着てみたい!と思っていただけることが目標なのに、作った本人が着てないというのがパターン化してきているので、今回のオーダーは慎重にギリギリ着るかなというラインを攻めたつもりです(笑)
そんな今回のオーダーのテーマは「楽を着よう」 さて皆さん、2022年SSディプロマットやスペシャルセレクションはご覧頂けましたか? 今年はGOLDLINEのおおよそ半分が化繊“機能性素材”と呼ばれる生地が組み込まれました。 これまでは店頭にサンプルのご用意はあったものの、ディプロマット掲載は今年が初めて! 私も毎年気になってはいたのですが、でもなぁ…化繊なぁ…と天然繊維で育った人間でもないのにも関わらず踏み出せずにいました。(ストレッチしない生地で体型をキープするためです。汗) しかし今回は“何事も挑戦”ということで、そんな機能性素材に挑戦したいと思います。 天然素材のウールやモヘア、リネンやコットンといった素材ではなく、化繊で仕立てることの良さや、どんなデザインだと楽ちんでリラックス感を演出できるのか等、お話しいたしますので是非ご参考にしていただければ幸いです。
世の中には化学繊維を使用した衣類が溢れかえっています。 その化学繊維とは、ポリエステルやナイロンなど石油系を主原料とするものは合成繊維、レーヨンやテンセルは天然の木材などから精製された再生繊維と分けられ、どちらも人工的に作られたものを指します。 中でもポリエステルは、世界で最も多く生産されている化学繊維でスーツ地によく使用されます。 “安価だけど持ちが良くない”というイメージがあるかもしれませんが、シワになりにくい・型崩れしにくい・乾きが早くて非常に丈夫な生地です。 吸湿性がないので蒸れやすいのと、さらに人工的な光沢があるというデメリットはありますが、外気に長時間触れていても劣化が少なく日焼けも起こりにくかったり、(耐候性が高い)天然繊維に数パーセント混紡すると発色を良くするメリットもあります。 防水加工・撥水加工・吸汗速乾加工・UVカット加工など「生活に便利な機能性素材」が作り出せるのもポリエステルの特徴です。
ウール・コットン・麻など天然繊維見えする生地感ですが、ウォッシャブル仕様でイージーケアが可能。 わざわざクリーニングに持って行かずにご自宅で洗えます。 ふわっと羽織れるドライタッチの着心地は、カジュアル・スポーティーなスタイルが好みだったり、スニーカーをよく履かれる方にオススメです。 またサイズは基本的に、素材関係なく体の可動域を計算してお客様にご提案しますが、それを無視したサイズ感をお求めになられる方、パツパツなくらいがいいんです!という方etc...。 女性でも男性でもそのような自分のヌード寸に近い寸法、タイトシルエット好みの方には360°全方向に伸びる機能性素材が最適です。
強撚でムラ感のあるポリエステル糸を使用し、麻さながらの表情と風合いを表現した疑麻(ギマ)と呼ばれます。 麻の弱点であるシワや型崩れがしやすい点や、汗での変色、摩擦で毛羽立ちしてしまう点などをポリエステル100%で生地を作ることでカバーした機能性素材です。
※1 >>> 日本のビジネスシーンではあまり一般的ではありませんが、オンオフを問わず日常のワンシーンで活躍するダブルジャケットは昨今のトレンドです。 重厚感のあるクラシックなイメージがあるかと思いますが、大人・知的なイメージを与えてくれるアイテムとして、レディースのお客様でも取り入れられる方が増えてきています。 ジャケットのボタンを留める事が正しい着方ですが、レディースの場合はフロントを開けてリラックスした着こなしもありです。 よりラフなイメージを高める4×2もしくは4×1でもお仕立てできますのでご相談ください。 いつもシングルばかり、同じシルエットばかりではつまらないetc…そんな時の気分転換にダブルもありですよ!
※2 >>> タックとは、パンツの前側にある生地を畳んだヒダのことです。 1本につき3~4cm程ウエスト・腰回りにゆとりが生みだすことができ、楽な着心地をお望みの方にオススメです。 下腹の張りを目立たなくしてくれますし、最近では飾りとして“お洒落ポイントの1つ”として楽しまれる方も多くなりました。
※3 >>> ハイライズの一択の流れがここ数年で少しずつ落ち着き、ミッドライズ(腰骨の上あたりでひっかけて履くイメージ)が増えてまいりました。 「無理をしない、自分らしい着こなし」が注目されていますよね。 帯無しの仕様は見た目だけでなく、ちゃんと体感的にも圧迫感から解放されます。 既製品でここまでのロング丈を見つけるのも至難の業。 ウエスト・ヒップのバランスがしっくりくるものとなるとなかなかありません。 オーダーだからこそ好みのバランスにジャストで合わせられます。(今回のスカート丈:95cm)
既に何度かオーダー経験がある方は共感していただけるかと思いますが、自分好みのスタイルがもう確率している中で新しいものを取り入れることって案外しないんですよね。 どんなふうに見られているのか、おかしくないか、など不安で着ていると緊張もします。 しかし、新しいことにも挑戦してこそ、皆さんによりオーダースーツを楽しんでいただけると信じて、今回もきちんと機能性素材を体験して率直な感想を皆さんにお伝えしてまいりますので、どうか見守ってやってくださいませ。 お蔵入りにしないよう仕様書と睨めっこしながら進めたいと思います!! ではまた、次回もお楽しみに。