こんにちは。東京店の富田です。
ようやく本格的な寒さを感じる頃となりましたが、皆さんは如何お過ごしでしょうか。
体調管理が難しい季節です、どうぞお身体にはお気を付け下さい。
さて、今回のレディースコラムは、ベスト付きスーツについてご紹介します。
ここ数年いわれるレディースのファッションスタイルで<メンズライク>が一つのスタイルとして定着している中、YOSHIMURA&SONでもメンズライクなスーツのご注文が増えております。
時代は<ジェンダーレス>、性別の垣根を超えたデザインや、ゆったりシルエットなどのメンズライクが求められています。
オーダースーツにおいてもその傾向があり、ダブルスーツを作りたい、ベスト付きのスリーピースで作りたいという方が増えてきております。
そこで今回注目するのは、『ベスト』です。
ベストは男性がスーツに合わせてカッコよく着こなしているイメージがあり、男性に特化したアイテムと思われる方が多いのではないでしょうか?
ですが、女性の方こそ着て頂きたいアイテムなので、是非参考にして頂ければと思います。
先ず、女性の方にお伺いしますが、べストはお持ちですか?
メンズライクなスタイルが好きな方は別として、一般的にはあまりお持ちでない方の方が多いと思います。
街のショップではあまりベストを見かけませんが、なぜでしょうか。
ベストは肌に近いアイテムなので、スーツよりサイズ感がシビアです。
女性らしい身体のラインを拾い、ゆとりが少ないアイテムなので、既製品ではなかなか自分に合うサイズを探し出すことが難しいです。
既製服は誰でも着れるようなサイズ感の設定が求められるので、細かくサイズ展開を作り込むことはしません。
ベストがあったとしてもビジネス用として、制服みたいな事務的なベストが一般的です。
このように既製品ではなかなかスタイル良く着る事が出来ないベスト。
その点オーダーは、着る人それぞれのお身体のサイズに合わせて1着ずつ作っていきますので、ベストはとてもオーダー向けのアイテムなのです。
それではここからは、オーダーでベストをお仕立する際に、どんなところに気を付けているのか、オーダーだからできるポイントをご紹介していきます。
ベストを着る際に女性のお身体の特徴から以下のような問題が挙げられます。
それを解消していくために、オーダーではこんな事に気を付けていきます。
「今日付けているお下着は、いつもと同じですか?」
女性に特化した下着と言えばブラジャーですね。
このようなことを伺い、「えっ?」と驚かれる方もいらっしゃると思いますが、実はオーダーにとってこの事は重要なことです。
それは、ブラジャーの種類(ノンワイヤー、キャミブラ等)によっては、胸の高さが変わり、それによりサイズまで変わってしまうからです。
ベストを着る時のブラジャーはどのタイプか?それによって胸の高さも変わってきますので、どの下着を着けてベストを着るか?胸の高さの基準を確認します。
ご来店時にはいつもの下着を付けてお越しください。
女性ならではの身体の特徴としてバストの高低差があり、特にバストが高い人は前裾が短く見えます。
それを解消するために前丈出しすることで、バストによって前裾が持ち上がってしまうことを防ぎます。
着丈の長さもベストで重要なポイントです。
街中でベストを着て歩いてる方がいますよね。背中からシャツが出てる方をたまに見かけませんか?ベストとパンツの間からシャツが見えてしまうのはカッコ悪いですね。それは着丈が短いからです。
前姿は自分で見えますが、後ろ姿は自分では見えないため、シャツがチラッと見えてる事に気付きにくいです。
そのためベスト丈の設定は重要です。
ベスト丈の理想は(特に上下組合せのスーツの場合)、スラックスの帯下から尻ポケットまでの距離の半分程がベスト丈が基準となります。
特に股上が浅目のローライズパンツを穿く場合は、後ろからシャツが見えやすいので、是非、オーダーをオススメします。ご自身のサイズに合わせることができ、お好みの生地で仕立てれば、制服のように感じる事はありませんね。
安心してカッコよく着こなせます。
以上のポイントを踏まえて、オーダーで作る一人一人のお身体に合う、カッコよく着るベストをご提案します。
それではここからは、ベスト活用法についてご紹介します。
スーツ上下の色と素材のバランスもみながら、ベストの生地を変えるのは大変お洒落です。ベストは身体の中心に位置しますので、ジャケットの釦を外していてもその隙間からベストがチラ見えし存在感は抜群です。
合せるベストで全体の見え方も変わるので、コーディネートの幅も広がります。
また、スーツの上衣を変更するだけでも、見違えるほど印象が変わります。
本格的に寒くなるこれからには、ツイードで作るベストがおススメです。
防寒性に優れており、袖が無い分コンパクトで動きやすく、着膨れ知らずです。
色々なアイテムとコーディネートできるのがベストの強みです。
例えば薄手のニットに合わせて、ちょっとルーズに釦を外して着るのも新鮮ですよね。
また寒い日には、コートの下に着れば、ライナー感覚のようにご着用できます。
ベストを着ると脇のラインがすっきりするため痩せ見え効果もあります。 また背中外側の生地は、メンズ仕立ては通常裏地使いする事が一般的ですが背中外側を表地にすることで背中のラインを拾いにくく、下着のラインも目立ちません。
以上、オーダーベストの魅力をご紹介しましたが如何でしたでしょうか。
既製品ではあまり売られていないベスト。
身体に合ったベストは、その人をスタイルよく見せてくれます。
ビジネス用にはクールでスマートな着こなし、寒い時には防寒用、そしてプライベートでは、お洒落のアクセントとして活用できますので、是非この機会にご検討ください。
それでは次回もお楽しみに。