こんにちは。東京店の富田です。
1月も終わりに近付き本格的な寒さになってまいりました。
今年は暖冬といってもやはり寒い時は寒く季節は回っていますね。
そんな寒い中、早くも街のショップではオケージョンスーツを目にするようになりました。
季節の移行は一早く、ショップから感じるという方も多いと思いますが、今年はオケージョンスーツが必要な方はいらっしゃいませんか。
特にお子様の卒入学を予定している方は今からのご用意をオススメします。
お子様が主役ではありますが、親御様にとっても節目を祝う大切な時です。
せっかくご用意するなら満足できるスーツを選びたいですよね。
そこで今回のレディースコラムは、
《最近のオケージョンスーツの傾向》と合わせて、オーダーの良さをご案内していきます。
オケージョンシーンで主流なジャケットデザインと言えば、ノーカラーのラウンドネックを思い浮かぶ方も多いと思います。
こちらは衿が無い分すっきりして見え、さらに衿ぐりがラウンドしているため優しく見えます。最も女性らしくエレガントなデザインであり、オケージョンスーツとしては最もポピュラーです。
しかしここ最近のオケージョンシーンでは、ノーカラーV開きジャケットのデザインが目立ちます。
衿が無い分すっきり見えるのは、ラウンドネックタイプと共通しますが、開きの形がVにより、シャープでクールに見えるので、今までのオケージョンスーツの印象とは変わり新鮮に映ります。
また衿付のテーラー衿より、型にはまらない自由さやこなれ感があります。
女性の価値観もデザインと共に、ゆっくりと変化していると言えるでしょう。
また、ジャケットのシルエットについては、ビジネスシーンのカジュアル化に伴い、女性のスーツも少し緩めのシルエットが流行っています。
身体のラインを付かず離れずのシルエットにすることで、
〝女性らしさ〟をあえて表現しないところが好まれていると言えます。
ノーカラーV開きジャケットとコーディネートするパンツは大きく分けて2種類のスタイルがあります。
膝から裾に向けて絞りを効かせたテーパードシルエット。
絞りを入れることでスッキリとした綺麗なシルエットを演出できるためスタイルアップ効果があります。
ノーカラーV開きジャケットはややゆったりとしたシルエットですから、パンツも攻めすぎないゆるやかなテーパードにすることで、バランスよく今らしいラインを作ることができます。
ベーシックなストレートラインは全てのコーディネートに合わせやすくバランスがとりやすいです。
特に流行のワイドシルエットは、存在感がありスポーティさも加味されるので、新鮮なオケージョンスタイルとなります。
スカート派の方にもノーカラーのV開きジャケットもオススメです。
特にセミフレアースカートは、オケージョンには不動の人気。
上着丈を少し短くすることで全体のバランスが取れます。
ソフトなシルエットで見栄えもよく、また式典での着席時によるシワも気になりませんので安心です。
さて、ここまで新しいオケージョンスタイルをご紹介しましたがだいぶ以前とは印象が変わりますね。
実は、V開きノーカラージャケットスタイル(新しいオケージョンスタイル)は、胸元の開き具合と、パンツのシルエットとのバランスを取るのが難しく実にオーダー向きです。
スーツは着る人の全体のバランスが合っているからこそ、よりスーツスタイルが綺麗に見えます。
しかし既製服で探そうとすると色々なデメリットがあり、下記のようなことに悩まされた事はありませんか?
これらのようなデメリット、思い当たる方も多いのではないでしょうか?
しかしオーダーであれば、お客様一人一人の体型に合わせて採寸を行いますので、しっかりお身体にあったスーツが仕上がります。
そのため、既製品にありがちなサイズ感による不満はなく、満足できるスーツに袖を通すことができるのです。
ただ、今回ご紹介するV開きジャケットは、上述したように胸元の開き具合、またパンツとのバランスが難しいことから、ポイントを押さえておかないと、例えオーダーでも思い通りに仕上がってこないという可能性があります。
そこで、ここからはこのV開きジャケットの新しいオケージョンスーツをオーダーする際の大切なポイントをご紹介したいと思います。
既製品では丈を詰めても釦位置は変えられませんが、オーダーだからこそ、お好みの着丈を決めてバランスのいい釦位置を設定できます。
着丈をどれだけ変えるかによって、釦位置を動かす事は大変重要なことです。
釦の位置によって胸の見え方が大きく左右します。
釦位置が高めだと胸元がキツク見えますが、釦位置を低めにすると、バストの納まりが良く綺麗に見えます。
年齢的にヒップを出すような着丈はオススメしませんが、ヒップが大きい方はヒップが隠せる程度に丈を長めにした方が、シンプルにきれいです。
またベントもナシが断然綺麗です。ベント開きにすると、割ったベントからヒップが覗き、ヒップの存在を目立たたせてしまいます。ベント無しであれば、ヒップも隠せて自然と納まりよくまとまります。
スラックスのシルエットを決める部位はかなり多いです。
ウエスト、股上、股下、渡り巾、ヒザ巾、裾口、そしてヒップ。
各部位の寸法はどれも大事であり、履き心地や、綺麗に見せたいシルエットに大きく影響します。
既製品はサイズ自体が合っていて仮に履けたとしても、各部位のサイズ感が好みでなければ、大切な式典も気持ちよく迎えられませんよね。
オーダーであれば、それぞれの部位をお好みのサイズに決めらます。
更に言うなら、股上の深さ(お腹迄すっぽり安心な履き込みがいいかor カッコよくすっきり履きたいか)など、数値では表せない履き心地の感覚も
大事にしたいところです。
そういった細かな希望を叶えることができるのがオーダーの良さです。
ワイドパンツがカッコよくオススメですと言っても、ご身長と身幅のバランスが合わなければ、カッコいいワイドパンツは穿きこなせません。
また、ご身長が同じ方どうしでも、ふくよかな方と華奢な方とでは、綺麗に見えるバランスは変わってきます。それを確認しながらお仕立てできるのもオーダーの強みなので、その点は我々スタイリストにお任せください。
既製品のスラックスは、既に仕上がっている状態が黄金バランスのシルエットです。
つまり、腿、膝、ふくらはぎの位置は販売時の位置がベストなのです。
それをやむを得ず修理をして股下を詰めてしまったらどうなるでしょうか?
一番きれいなシルエットで履きたいところをカットしてしまうわけですから、バランスの悪いシルエットになってしまう事は想像が付きますよね。
特に今回おススメのややゆったり目のテーパードスタイルとワイドシルエットをカットしてしまったらどれだけ股下が合っていたとしても、履きたいパンツになるでしょうか。
オーダーでは、ご希望を伺ってお仕立てするのでこのような心配はありません。
他には、こんなこともオーダーでは可能です。
袖口本開きや袖口スリット。
袖口の本開き仕様から、すっきり華奢見せのスリット仕様も選べます。
釦ホールも糸色変更することもできるので、小さな箇所も拘れる楽しさがあります。
自身のパーソナルカラーを入れるのもいいですね。
レディースの既製品には、ジャケットに内ポケットが付いているのはあまり見られず、更にスカートの脇ポケットは先ずありません。
ただオーダーであれば、ポケットをお付けすることができるのです。
卒業式で感極まって涙が出てしまった時、ハンカチをさっとスカートポケットから取り出せると便利ですよね。
また入学式では、内ポケットからペンを取り出してメモを取る機会もあるかと思います。
尚ジャケットの内ポケットは口巾のサイズ指定が可能ですから、必需品があればそれと合わせて、ジャストフィットのポケットが作製できるのも嬉しいところ。
このように、《かゆいところに手が届く》、これがオーダーの魅力です。
既製品にはない、個性あふれるプリント裏地が選べます。
せっかくスーツを着るなら楽しい気分になりたいですよね。
裏地は自分が楽しむもの、それを着ればきっと楽しい1日を過ごせます。
また、釦も多くの種類からお好きな物を選ぶことができます。
釦はジャケットの顔になりますから、釦一つでも印象が変わります。
小さな釦でも大きな存在です。釦選びも楽しいですよ。
以上、今回は新しいオケージョンスーツにおけるオーダーの良さをお伝えしましたが、如何でしたでしょうか。
着る人それぞれのお身体のサイズや好みも違いますから、既製品でピタッと合う人は中々いないと思います。
今回のノーカラーV開きスーツは、衿が無い分シンプルなデザインのため着丈と釦位置のバランスは特に重要ですので、是非とも綺麗に着て頂きたいです。
せっかくの節目できる大切なスーツです。
お身体にあった綺麗に着こなせるオンリーワンのスーツで晴れの日を迎えてみては如何でしょうか。
それでは次回もお楽しみに。