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『チュニックシャツのススメ』


こんにちは、東京店の富田です。
毎日蒸し暑い日が続きますが皆さんは如何お過ごしでしょうか。
何をするにも暑さは付きまとい体力も奪われますがくれぐれも体調管理にはお気を付け下さい。

既にこの暑さで、男性のオフィススタイルはシャツパンスタイルが増えていますね。
女性はオフィススタイルも様々あり、上物の種類を上げてみても、カットソー、カーディガン、プルオーバーシャツ、サマーニット等沢山あります。 が、しかし、意外にもシャツスタイルが少ない気がします。
着てそうであまり着られてないシャツですが、腕が直接陽に当たらない事で暑さをしのげる、汗を掻いても生地(袖)が汗を吸収しベトつかない、着脱ぎが楽で持ち運びに便利など、実は女性の方にこそ、暑い夏にはシャツスタイルがオススメです。

そこで今回は、本格的に暑くなるこれからの時期に使いやすいレディースならではのアイテム《チュニックシャツ》をご紹介します。

えっ?オーダーでチュニックシャツも作れるの?
と驚かれる方もいらっしゃると思いますが、実はチュニックシャツこそ、オーダー向きアイテムです。

チュニックシャツを分かり易く言い換えるなら《ロングシャツ》です。 シャツは第二の肌と言われているように、肌に近いアイテムですから着る人それぞれの身体に合ったバランスで着ることが求められます。

しかし、既製品の中から、ご自身のお身体に合った丈感やサイズ感に出会える事はとても難しいことですね。

そこで今回は、チュニックシャツのご注文を頂いたTさんをご紹介しながら、 オーダーだから再現できる<理想のチュニックシャツ>をご案内していきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

それでは先ず、
チュニックシャツは何が魅力なのか?その魅力をご紹介させていただきます。

【チュニックシャツの魅力】

1,体型カバー ゆったりとしたシルエットが特徴で体型をカバーしやすい。
特にお腹や腰回りが気になる人には最適。
2,快適さ 一般的にリラックスしたフィット感があるため、動き易く快適。
3,多用途 パンツやスカートと合わせやすく、様々なコーディネートが楽しめる。
4,季節対応 長袖や半袖、更には素材の違いでオールシーズン着用可能。
重ね着することで季節に応じたスタイリングも簡単。

たくさんの魅力が詰まったチュニックシャツですが、その反面、意外と理想の1枚に巡り合うことが難しいアイテムだったりもします。
それは一体なぜだと思いますか?チュニックシャツを着たことがある人は1度はこう思った事ってあるのではないでしょうか?
答えは…『着丈のバランス』です。
そう、今回Tさんがチュニックシャツをオーダーするきっかけになったのも『着丈』でした。

突然ですが皆さん、《JIS規格》って聞いた事ありませんか?
JIS規格は、日本国内の製品や材料、サービスの標準化を図るための基準であり、経済産業省が制定しています。
洋服に関する規格は、主に<衣料品のサイズ>、<品質>、<性能>、<安全性>
ここでお伝えしたい<衣料品のサイズ規格>とは、一言でいえば《サイズ表示》にあたります。
これにより身長や胸囲、ウエストなどの測定方法やサイズ表示の方法が統一されおり、消費者がサイズを選びやすくなります。

サイズ表示は法律で義務化された表示ではありませんが、私たち消費者が自分の身体に合ったサイズを購入するために、必要な表示であることからJIS規格(日本産業規格)として業界で用いられています。

次に下記のサイズ表示をご覧ください。

表を見ると、バストとヒップの横寸法については<SS~6L>迄のかなり広く、バストについては、最小65センチ~最大129センチまでと最大64センチのサイズ展開とかなり広いです。
一方身長縦寸法については154~162センチとその間わずか8センチと、横寸法に対して縦寸法の展開が狭いです。
そのため、日本人女性の平均身長=158センチが、JIS規格の各サイズに一律に表示されています。

しかし現代女性の中には、JIS規格外の体型の方ももちろんいます。
特に身長については、昔より平均身長が高くなっていると思いますが、低い方もいるのも事実。
そして店頭に並ぶ商品も、サイズ展開が豊富にある方が消費者としては嬉しい反面、販売側では在庫を増やす要因にもなるため、規格外のサイズは作りたくないのが現実です。

そのため、平均身長以外のトールサイズの方や小柄な方が、自分のバランスに合った理想のチュニックシャツを見つける事は難しく、Tさんもその1人でした。


着丈のバランスを感じる分かりやすい例として、身長差のある二人がそれぞれ同じチュニックシャツを着てみました。
先ずはこちらの画像をご覧ください。

<身長150cmのKさん>
<身長162cmのSさん>

左が身長150センチのKさん。そして右は身長162センチのSさん。
2人の身長差は12センチ。身長差があることで着丈のバランスの違いがよくわかります。
特に膝位置から裾上りの見え方が違い、そのため着る印象が変わります。

身長150センチのKさんの場合、太ももの付け根から膝までの距離の2/3丈の位置に裾が見えます。そのため、着丈が長く感じ重たい印象に見えます。
一方、身長162センチのSさんの場合、太ももの付け根から膝までの距離の1/3丈の位置に裾が見えます。そのため着丈は軽快な感じですっきり見えます。

このようにご自身の身長(お好み)に合わせた《最良な着丈》を見つけるのは、既製品では難しい事がお分かりいただけたと思います。仮にお修理で裾から詰めたとしても、単純に詰めただけなのでシルエット悪くなり、フロント釦の間隔がバランス悪く切れてしまうことがあります。
そうなると、小柄な方(背の高い方)がご身長とバランスに合わせて着こなすためには、お身体に合わせて全体のバランスを設定できるオーダーが絶対的にオススメです。

それではここからは、Tさんの理想の着丈とバランスでお仕立て頂いたチュニックシャツをご紹介します。オリジナリティー溢れるデザインにも注目してください。

<私好みの着丈と袖丈>

当初からTさんの理想としていた着丈は膝上丈とのことでこちらに決定。 ボトムは細身のスラックスで合わせたいとのことでバランスも良いですね。
また、袖丈もピッタリあった七分袖。冷房対策用に希望されましたが、オシャレにも機能的にも便利な袖丈です。またよく見るとカフスの角が<角切>という角を落としたデザインにしました。これも既製品、特にレディースではほぼ見ない形状のため、これもオーダーならではのポイントです。

<知的な衿>

せっかく仕立てるなら拘りたい!普通のロングシャツではつまらない!ということで、衿はスタンドカラー。こちらも既製品ではあまりみかけない衿型です。
通常はレギュラーカラーが一般的ですが、首回りがスッキリしたデザインで生地のチェック柄との相性も抜群。知的に魅せてくれます。

<拘りの切りポケット>

通常、既製品で多いのはアウトポケットでポケットの底辺のデザインが違うだけ。
しかし今回の拘りは、スラックスのお尻のポケットにあるタイプと同様。
ポケット口の玉縁布がスッキリと綺麗に見えます。
製作にも手間の掛かる仕様のためデザイン性も高く、ワンランクアップしたシャツになります。

<色柄と着こなし>

素材は肌馴染もいい天然素材のコットン。
大胆で大きなネイビーとブルーの格子柄が爽やかに、チュニックシャツを表現していますよね。
何より白スラックスと相性もよくコーディネートも大変綺麗ですね。
着こなしによっては、今回Tさんのように釦を全て留めてもいいですし、又は、羽織感覚で釦は留めず、インナーに着たカットソー等をチラ見せするのも良いですし、これなら更に涼しく着こなせます。

Tさん、この度はご協力ありがとうございました。
旅行にこのチュニックシャツを着て行かれるとのことで私も大変嬉しいです。
楽しい思い出の旅になりますように、お気を付けていってきてください。

いかがでしたか?
着丈だけではなく各ポイントをバランスよく、そしてサイズ設定が自分好みのサイズ設定が可能なオーダーで作るチュニックシャツの魅力が伝わりましたか?
チュニックシャツは汎用性も高く色々な用途に着まわせますので、大変便利なアイテムです。気になった方は是非ご連絡ください。

それでは、次回もお楽しみに。


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