2025年3月28日更新
こんにちは、東京店の富田です。 桜を楽しめる季節となり、春の陽も眩しく感じる日も増えてきましたが皆さんは如何お過ごしでしょうか。 陽気が温かくなってくると、気分的にも鮮やかな色(Vibrant Color) を洋服に取り入れてみたいな、挑戦してみたいなと思う方もいらっしゃると思います。 洋服そのものを鮮やかな色を選ぶのは勇気がいりますが、小物使いや(靴、ベルト)インナーに取り入れるならまだ挑戦し易いですよね。 そこで今回は、YOSHIMUR&SONS店舗でも、一際存在感のある鮮やかな色でお仕立てしたお客様とスタッフ着用のご紹介です。 なかなか、鮮やかな色で仕立てる方は少ないですが、実際、誰か仕立てているなら、是非仕上がりを見たいものですよね。 そんな色の魅力に惹き付けられ、興味をもった方が何人もいらっしゃいましたので、せっかく鮮やかな色で仕立てたものをご紹介いたしましょう。 先ずは、
まだ寒さ厳しい1月下旬にご来店頂いたNさん。 『大学の卒業式に《袴でなくスーツを着たい》』ということで、見た目も爽やかでボーイッシュな雰囲気のNさんのご希望色は、なんと《グリーン》!! 何マークかグリーンはありましたので幾つかご提案したところ、シーズンがまだ秋冬物という事もあり、グリーンの色目も深い色目のものをご提案しました。 ところが、Nさんにはあまり好みの色見ではない様子でした。 Nさんは希望する色をスマートフォンからお気に入りの画像を見せようと探っていた矢先、、、 「あ、あのグリーンがある!と思いついたのは、寒さ厳しいこの時に、一足早く春夏の新作《CANONICO MONTECARLO》が入荷しておりました。
Nさんにお見せしたところ、 「アッ、これですコレッ!!」という感じで、Nさんはこのグリーンに即決しました。 こちらの生地は、YOSHIMURA&SONSでも今季初リリースのCANONICOの『MONTECARLO(モンテカルロ)』 何とも言えない色鮮やかで爽やかな生地たちです。 こちらは、ジャケット生地としてオススメの『平織のホップサック』 特徴的なのが生地の風合いで『軽やか』、『通気性』を保ち、ドライな着心地を楽しめます。 また、生地の打ち込み(タテヨコの糸本数が少なく)が甘いため、耐久性を必要とするスラックスには、お仕立てすることをあまりオススメしません。 生地の特性とシルエットの相性でいえば、たっぷりとゆとりが入ったワイドシルエットがオススメです。 そこで、ボーイッシュなNさんのお好みのシルエットを伺うと、『ジャケットのウエストは極力絞らず、スラックスはワイドシルエットが理想』とのことで、女性らしくウエストがくびれているのが苦手とのことでした。 本来、ジャケット向けの素材ですが、スラックスはワイドシルエットが希望とのことで、今回は生地の特性と相性のいいシルエットがマッチしたと言えます。 また、念願のグリーンの色目に出会えたことだけではなく、お好みのシルエットを作れることが、Nさんはすっかり気に入って頂けました。 これぞ、『既製品には絶対にないオーダーの魅力』ですね。 Nさんの仕上り画像はこちらです。
全体的に上着もスラックスも、ゆったりとしたお好みのシルエットになりました。 今回のワイドパンツは、昨秋冬にリリースされた『ハイウエスト・ワイドタックパンツ』のパターンが元になっていますから、かなり理想に近いシルエットが完成しました。 生地の軽やかさ、通気性も相まって、ゆったりとしたワイドシルエットでも重たく見えず、エアリーな表情さえ感じます。 《生地MONTECARLO×ゆったりデザイン=生地とベストマッチなスーツ》に仕上がりました。 Nさん、この度は晴れの門出に当店をご利用頂きまして誠にありがとうございます。 新社会人生活も頑張ってください。お写真のご協力もありがとうございました。 続いて、、、
冒頭でもお伝えした、『陽気が温かくなってくると、気分的にも鮮やかな色を洋服に取り入れてみたいな、挑戦してみたいなと思う方もいらっしゃると思います』と言いましたが、それを実際テラコッタカラーで、私富田がジャケットを仕立てました。 先ずは画像をご覧ください。
「鮮やかな色」に挑戦してみたいなぁと思っていた頃、このテラコッタに目が止まりました。 なかなか鮮やかな色は、目立ちやすく相手に与える印象も強いだろうと思い遠慮していましたが、この《ヴィンテージ感のある艶っぽくないマットな表情》が、派手さも押さえられている点が気になりました。 また、このテラコッタなら手持ちのものと合わせやすく、幾つかの色にも似合うと思ったのが決め手です。ボトムがグリーンベースでも、ブラウンでもベージュでも、また白でもOKですから、3パターンも組合せられれば、大いに活用できると思います。
それでは、この生地【21Micron】の特徴についてご紹介します。 CANONICOにも沢山のコレクションがある中で、【21Micron】とはどのようなものか? 代表的で一般的なシリーズの〈PERENIAL SUPER110’S〉と21Micronを比べてみました。
一般的なCANONICOのイメージは、柔らかい質感、美しい艶感とは違い、21Micronは、ドライな質感、艶っぽくないマットな表情と、特徴が正反対です。 何故そこまで違うのか?最も特徴的なのは《原毛の太さ》です。 一般的なCANONICOのPERENIALでSUPER110’S と、(原毛の太さを表す単位)では、この数値が高ければ高いほど原毛が細く、しなやかで艶感のある高品質の素材を作っていると言われています。 ですが、21Micronは正反対で、原毛の太さはSUPER50’S と、この数値が低ければ低いほど、原毛も太く紡糸した糸も太いのがこの21Micronなのです。 では、ここまで違う特徴は何か?
という点から、これから暑くなる時季に相応しい素材といえます。ベトつく肌にドライタッチで通気性もあれば安心です。また湿度が高くなることも思えば《ハリのある生地感に仕上る》という点も大きなポイントです。そのため初夏に向けて大変オススメです。 最後に、タイトルにもある『Vibranto Color(鮮やかな色)』と、最も鮮やかな色で仕立てた方をご紹介します。
お二人ともパンツは太目の(バギー)が気分との事で、2インタックで更に深目のタックで仕立てております。パット見るだけでも太目のシルエットが存在感がある上、何とも色は目が覚めるような鮮やな色ですね。 陽射しもどんどん強くなってくる季節ですから、挿し色になる鮮やかな色を取り入れて、お休みの日や、気分転換に如何でしょうか。 ご興味の有る方は挑戦してみて下さい。 それでは次回もお楽しみに。