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『レディースJKとコンフォートJKを比べてみた』


こんにちは、東京店の富田です。
5月もあっという間に終わりを迎え、梅雨を思わせる蒸し暑さを感じるこの頃ですが皆さんは如何お過ごしでしょうか。
今年も間違いなく暑くなることでしょうから、早めの暑さ対策が必要ですね。

さて、ますます暑くなるこれから、ビジネスファッションにおいては、脱スーツ、カジュアル化に伴い、街のショップでも軽量化されたスーツやジャケットが多く見られます。

当店でも昨夏には、メンズでリリースされた『コンフォートジャケット』や、そして今季は更に軽量の『コンフィージャケット』と続き、〈カジュアル化〉、〈着て楽・快適〉を追求したことで、関心も高まりご注文も増えております。また、相次ぐメンズパターンの新作が出ておりますので益々気になるところであります。

そもそもコンフォートやコンフィーって何か、簡単にご説明します。

肩パットを無くし芯地を最小限に抑えた「最軽量のジャケットモデル」です。
コンフォートとは「快適」という意味であり、『毎日気楽に』=『着て楽に』お召し頂けるというコンセプトです。
そして《ソフトで軽い仕立て》であることから、「着る」ではなく『羽織る』というような軽く柔らかい気心地を楽しめるジャケットです。
 そしてコンフィージャケットは更に上を行く『最軽量のジャケット』、更に肩パットや芯地を、裏地を全て省いた仕立てにより、圧倒的な軽さを追求したジャケットです。

軽さとソフトな仕立てが魅力という点では、レディースのジャケットにも共通します。
レディースは、柔らかくエレガントで、ファッション性を重視しておりますが、メンズは、本来構築的で重厚感がありクラシカルな印象がありますが、一体どれだけ違うのでしょうか。
そこで今回のレディースコラムは、レディースジャケットとコンフォートジャケットを比べてみようという内容です。
ちなみに、コンフィーではなくコンフォートジャケットにしたのは、先にリリースされたコンフォートジャケットを仕立てたからというワケです。

先ず、私が思うレディースジャケットとメンズジャケットの大きな違いは、『芯地』だと思います。

本来、レディースとメンズのスーツやジャケットに使われる芯地にはいくつかの違いがあります。
芯地はスーツやジャケットのシルエットや気心地を左右する重要な要素で、性別やデザインの違いによって使い分けられます。

1.目的の違いからくる設計の違い

  • レディーススーツの芯地は、より柔らかく身体のラインにフィットするように、ソフトな芯地や部分的な芯地(パーツ芯)が使われることが多いです。
  • 柔らかく自然なシルエットを演出
  • 曲線的なデザインや軽やかさを重視
  • メンズスーツの芯地は、構築的で直線的なシルエットを作るために、しっかりとした芯(ハード芯)が使われることが多いです。
  • 肩や胸にボリュームを出す
  • 型崩れしにくく、長時間の着用に耐える

2.芯地の種類と使い方

部位 〈レディース〉 〈メンズ〉
胸芯 薄いソフト芯、または無し 毛芯、やや厚めの接着芯
肩パット 薄め しっかり厚め、やや薄め
ラペル芯 柔らかめの芯地 固めの毛芯、やや厚めの接着芯
前身頃芯 部分的に芯を使用 全面に芯を張る、部分的に芯地を使用

上述したように、レディースとメンズでは、非常に対照的な作りになっていますから、レディースの仕様は、軽くてソフトであり、女性の身体の美しさを表現するための生地もソフトな素材を使うことが多いです。
一方、メンズの仕様は重厚感と立体的なフォルムに見せるため、毛芯や厚めの芯地を主として使うことが多いです。

そんな対照的な仕様のメンズのジャケットが、軽さを追求したコンフォートジャケットに仕立てるとどうなるのか、早速レディースジャケットとコンフォートジャケットの画像を比べてみました。

コンフォートジャケット(レディース仕様)
コンフォートジャケット(レディース仕様)

1,コンフォートジャケット(レディース仕様)

レディースパターンジャケット
レディースパターンジャケット

2,レディースパターンジャケット

上記2画像の裏仕様は、1)アンコン仕立て、2)総裏仕立てと、裏仕様は大きく違いますが、同素材であり、近いサイズのため比較しやすいです。

測りがあれば重さをお伝えすることができるのですが、生憎、測りが無いため正確なことは言えません。
しかし何人かにジャケットをそれぞれ持ってもらい、どちらが軽いか聞いたところ、正直大差なしの意見が多かったところです。
また、見た目だけででも、両方とも同じように軽くソフトに見えますし、どちらがレディースパターンなのか、メンズパターンなのかもわからない程ですね。

そもそもレディースとメンズでは、芯地の目的も違う種類や使い方も違う中、コンフォートジャケット仕様にすることで、まったく性別の区別がつかない位の 仕上がりになります。

そうとなれば、レディースの方にも是非オススメしたいのが、華やかで映えるアンコン仕立てです。

アンコン仕立て(コンフォートジャケット)

1,アンコン仕立て(コンフォートジャケット)

総裏(レディースパターンジャケット)

2,総裏(レディースパターンジャケット)

アンコン仕立ての特徴としては、表地で見返しを大きくとり、内に入る副資材を極力省いて 本来の素材そのものを感じる、ソフトな仕上がりを楽しめるのが特徴です。
さらにいうなら、表地で見返しを大きくとることで、贅沢で見映えするのも魅力です。
更に映えるポイントとしては、縫い代を同裏地でパイピングすることで、益々裏仕様が華やかに個性も表現できて楽しい気分になること間違いなしです。
ちなみにアンコン仕立てオプション代は5,500円(税込)となり、併せてメンズパターンでのご注文となります。

それでは、最後になりますが、こちらの素材(2WAYストレッチブッチャー)で作る肩回りのアレンジをご紹介します。

マニカカミーチャ仕様

1,マニカカミーチャ仕様

パット無し

2,パット無し

パット入り

3,パット入り

全て同素材のため比較がしやすいと思いますが如何でしょうか。

1,マニカカミーチャ仕様:パットタレ綿も省き、袖山にギャザーが入ったシャツ袖のような軽くてカジュアルな雰囲気です。

2,パット無し:パットを抜くことで、やや軽く見えます。
袖山の縫い代が袖側に倒れているので、パットを外しても薄いパットが入っているように見えます。

3,パット入り:肩回りが立体的に見えてきちんと感のある仕上がりです。
大切な場面でスーツ着用の際には、パットの存在も必要です。

以上、今回は、レディースジャケットとメンズのコンフォートジャケットを比べてみたという内容でしたが如何でしたでしょうか。
軽いコンフォートジャケットは、レディースモデルと比べても大差は無く、むしろレディースジャケットはここまで軽いと再確認できた気もします。
また、コンフォート仕様 プラス アンコン仕立てにすることで、より裏側を楽しめるきっかけになっていただければ嬉しいです。
この記事を読んで気になった方は是非ご遠慮なくお問い合わせください。
それでは次回もお楽しみに。


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