2025年7月25日更新
こんにちは、東京店の富田です。 酷暑続きの毎日が続きますが皆さん如何お過ごしでしょうか。 来月になれば夏季休暇を控えている方も多いと思います。 夏季休暇を目指してあと半月、体調を崩さずに頑張ってください。 さて、今季は当店で新しい仕様のメンズパターンによる《コンフィージャケット》 (完全1枚仕立てのジャケット)がデビューしました。 お仕立てされたお客様からは〝軽くてびっくり〟と喜びの声を頂いております。 中には、『飛んでいるジャケットでしょ?!(笑)』なんて言われるお客様もいらして、HPをご愛読頂いていることに嬉しく感じます。 私もこのコンフィージャケットがどこまで軽くなるものなのか興味津々だったので、仕立ててみました。着用しての感想は「ほんとに軽い!」に尽きました。 ここまで軽いものだったら、レディースの方こそ是非オススメしたいと思い、今回取り上げてみました。 題して、『レディースこそコンフィージャケットがオススメ』です。
先ずコンフィージャケットのご紹介ページをご覧ください。
続けて、コンフィージャケットのレディース仕様について大阪店の西脇が執筆しているコラムもあわせてご覧ください。
先ずは、早速ですが自身の着用をご覧ください。
一見、右の画像を見ると分かりにくいかもしれませんが裏側を表にしてみました。 表か裏か一見どちらの面が出ているか分からないほど、『完全に裏無し1枚仕立て』という事が分かりますね。 裏地が全くない、胴裏も袖裏も一切ないので、今まで仕立てた中ではもちろん一番軽いです。 その中で今回私が体感した『軽さ・柔らかさ・仕立ての拘り』のポイントを新ためてお伝えします。
基本スーツの裏側の縫い代(総裏以外の場合に行う)を既成のバイアステープでくるむ一般的な始末として「パイピング」をしております。 中には胴裏と合わせて統一感を持たせ「裏地でパイピング」することもあります。 しかし今回のコンフィージャケットの縫い代は、「メローロック仕上げ」を行っております。 特徴としては、端がきゅっと丸まり、<華奢で装飾性が強い>のが特徴です。 何気なくみると縫い代を緻密に巻き付けているので、パイピングしているように見えますが、完全なメローロック始末です。
「裏地でパイピング」したものは、丈夫で高級感があり、綺麗さに目を見張るほどです。 全ての縫い代をパイピングすることで実際は分からない位微増なところですが、生地のハリや厚み、パイピングの硬さが出てしまいます。 一方メローロック始末は、薄くて軽やかな繊細な印象に見え、伸縮性のある生地にも対応可能なことから、今回のコンフィージャケットの裏仕様にはベストマッチといえます。
また、ここでメローロックが、選ばれた経緯も確かではありませんが、恐らく他のロックミシンと比べても最適な始末だったといえそうです。 メローロックと他のロック始末を比較してみましたのでご覧ください。
各ロックミシンの特徴
なるほど、メローロックの特徴として縫い代が巻き込み+繊細で装飾的な点から、今回のコンフィージャケットにメローロックが採用された意味が分かる気がします。 1枚に仕立てるからこそ、裏面も美しくなければ価値もないですから、ここまで拘っていることに自社製品ながら凄いなと思います。
オーダーのスーツ(ジャケット)の肩回りは、しっかり形成した状態を表現することについては素晴らしく、きちんとした印象を与えます。 一方、時として目的や場所においては、オーダースーツの肩回りが返って「良い目立ちする」場合もあります。 そこで、このコンフィージャケットの肩回りはどのようになっているのか? 条件が近いパット無し画像を元に比較してみましょう。
上記の画像は共に肩パットとタレワタが入ってない同じ条件の肩回りです。 しかし画像をよく比較して見ると袖山の雰囲気が違うことがわかります。 左画像のコンフィージャケットは、《肩線が上で袖山が下》という、ドレスシャツの肩先と同じ表情になっています。更に袖山に入ったコバステッチが、カジュアル見えと袖山のラインをフィットさせる効果もあります。 ちなみに、こちらのマニカカミーチャ仕様に似ているものは、コンフィージャケットの標準規格となっておりますので気軽にお試し頂ければ嬉しいです。 対して右画像の一般的なジャケットは、《袖山が上で肩線が下》という、本来のスーツと縫い代の倒し方向が同じものです。パットやタレワタがなくても縫い代の微量の厚みだけで肩の雰囲気が変わって、肩パットが入っているように見え、きちんと感が出てしまいます。 こうした肩先の違いで、よりカジュアルスタイルに合わせやすいので、プライベートの機会に大いに活用頂きたいです。
突然ですが、袖口回りにステッチが入っていたらどう感じますか? 先に画像をご覧ください。
コンフィージャケットは当店のグループの青森にあるスーツ工場で仕立てるため、基本袖口始末はルイス仕上げになります。見た目もきれいです。 一方、既製品では、仕立て全体はそれなりにカジュアルに着るジャケットでもエレガントに見せているのに、袖口だけがミシンたたきになっているものを見つけました。 目に見える袖口回りがこれでは断然チープに見えてしまいます。 ステッチ一つで印象が変わりますし、こういった拘りもコンフィージャケットならではと思います。
最後に、自身のコンフィージャケットと合わせたコーディネートを紹介します。 カジュアルに着るにはふさわしいジャケットですから、プライベートの服と合わせやすいです。
以上、今回はレディースこそコンフィージャケットがオススメとしてご紹介しましたが如何でしたでしょうか。 女性は職場でも服装の自由度は男性よりありますから、オフィス内の冷房対策にも一役買ってくれます。 またカジュアルでもきちんとしたフェイスに仕上がっていますので、職場の置きジャケットとして急な来客対応にも備えておくのも便利です。 何を着ていくか迷う日には、気軽に羽織れるコンフィージャケットをお持ち頂ければ簡単にコーディネートもできますので、レディースこそオススメしたいです。 気になる方は是非、ご連絡お待ちしております。 それでは次回もお楽しみに。