よく既製品のスラックスを履いた時、何故かしっくりこない、なんてことありませんか? その理由は、既製品の場合、ウエスト・股上・股下・渡り巾(モモ巾)・膝巾・裾口巾というのは予め決められていますよね。ですから、ここから例えばウエストや股下等をお直しするとどうしてもシルエットを構築する線の繋がりが悪くなってしまい、型(シルエット)が崩れていってしまいます。 ですが、オーダーの場合は仕立てる人ぞれぞれの体型に合わせて、各サイズを設定することが出来ます。 そのため、バランスの整った綺麗なシルエットのスラックスを手に入れられるのです。 このように”履く人に合ったスラックスのバランスを初めから設定し作ることが出来る”これがオーダースラックスのいいところであり、既製品のスラックスとの違いです。 また、好きな生地、デザイン、シルエットで仕立てられるのもオーダーの大きな魅力の一つ。 ビジネス用~プライベート用まで自分好みにカスタマイズした理想のスラックスをお作りいただけます。 昨今はカジュアル化も進んでいますから、ビジネスファッションにおけるスラックスの重要性というのは 非常に高く『キーアイテム』となっています。 上手く履きこなせるかで、そのスタイルの良し悪しを左右するといっても過言ではありませんので、スラックスは是非、オーダーで仕立てることをオススメします。
自分好みの生地、デザイン、そしてサイジングを詰め込んだこだわりのスラックスが、 当店では1本17,325円(税込)~お仕立ていただけます。 手頃な価格で理想のスラックスが手に入るのもオーダーの魅力ですので、オンリーワンの1本を是非お仕立てください。
スラックスも着用シーンや頻度など、それぞれの用途に合ったデザイン選びがとても大切です。 先ずはスラックスのキモとなる「基本デザイン」について、その特徴や与える印象などをご紹介します。
ノータックは、スリムなシルエットに仕上がるのが特徴のデザインです。 そのため、細身のシルエットが好きな方や、足を細く見せたい方にオススメ。 また相手にスッキリとした印象を与えられることから、お若い方からも人気があります。 カジュアルパンツに用いられることも多いため、ジャケパン用やプライベート用のスラックスにもノータックは最適です。
ワンタックは、スッキリ感がありながらも動きやすさもあるスラックスに仕上がるのが特徴のデザインです。 ビジネスシーンでは最もポピュラーであり、フットワークを高めてくれる機能性と、上品なシルエットをご体感いただけるので、特に営業職の方にオススメ。 また、タックがあることで、座った時に太もも周りやヒップ周りにゆとりが出来るため、座り仕事がメインの方にも最適です。
ツータックは、ワンタックよりもゆとりが多く、エレガントな印象に仕上がるのが特徴のデザインです。 そのため、より楽な着心地をお求めの方や、大人の威厳を感じさせるスタイルにしたい方にオススメ。 また、このツータックをデザイン性と捉え、カジュアルなスラックスに落とし込む方も多くなっています。 一般的にはノータックが用いられますが、リラックス感のあるゆったりとしたシルエットに仕上げたい方はツータックが最適です。
タックが外向きに倒れているアウトタックは、視覚的に腰回りをゆったり見せる効果があります。 そのため、リラックス感のある印象を与えられることから、イタリア風の着こなしのスーツやビジカジ用、またプライベート用といったスラックスにお付けするのがオススメのデザインです。
タックが内向きに倒れているインタックは、視覚的に腰回りをスッキリと見せる効果があります。 そのため、クラシックな印象を与えられることから、イギリス風の着こなしのスーツや、フォーマルライクなスーツ・ジャケパン用、またツータックといったスラックスにお付けするのがオススメのデザインです。
細部のデザインは、そのスラックスの〈見え方〉や〈機能性〉を大きく変化させます。 そのため、着用用途の他、スラックスを履く上でのクセや体型にも考慮したデザイン選びが重要です。
ポケットを傾斜させて、手の入れやすさを考慮したデザイン。 物の出し入れが便利になりますので、サイドポケットをよく使う方にオススメです。
脇線に沿って真っすぐポケットが付けられたデザイン。 手は入れにくくなりますが、ポケットが開かずスッキリした見た目になりますので、シルエットの綺麗さを重視される方にオススメです。
右側のポケットのみ使われる方にオススメの標準デザイン。 使わない左側のポケットにボタンを付けることで、ポケット口が開かず、型崩れを防止する役割を果たします。 (右ボタン留めにすることも可)
ボタンにプラスしてフタが付いたデザイン。 ボタン留に比べデザイン性が高くなるため、カジュアルスラックスなどにオススメです。 (右雲フタツキにすることも可)
後ろのポケットを使われない方にオススメのデザイン。 左右のポケットの型崩れを防止してくれると共に、既製品に少ないデザインであることから、オーダーらしさも感じられます。 シンプルに仕上げるなら左右ボタン留を、デザイン性をお求めなら左右雲フタツキをお選びください。
シングルは、裾が折り返っていないデザインで、どちらかというとフォーマルな位置づけ。 畏まった場で着用するスーツのスラックスでよく見られます。 また、裾に傾斜を付けたモーニングカットというデザインをお選びいただくと、靴の上に溜る生地のたるみが抑えられるため、より美しいシルエットを作ることができます。
ダブルは、裾に折り返しがあるデザインで、どちらかというとややカジュアルな位置づけ。 通常のビジネススーツやセットアップスーツ、またジャケパン用、プライベート用のスラックスによく見られます。 ただ、折り返しがあることで重厚感のある仕上がりになるという側面もあるため、フォーマルライクでクラシカルなスーツスタイルをお求めの方にもオススメです。
”スラックス1本でサマになる” そんなオーダーらしい面白いデザインもご用意しております。 ここでは代表的なデザインを2つご紹介しますが、他にも色々ありますので、やってみたいこだわりのデザイン等ございましたら、お気軽にお申し付けください。
ベルトを付けず(ベルトループを付けない)着用するベルトレス仕様。 デザイン性が高く、ビジカジスタイルやプライベートスタイルなど、カジュアルライクなスラックスに最適なデザインです。 また、ベルトを付けない分、腰回りがスッキリするため、スタイリッシュな印象に仕上げることも出来ます。 色々なアレンジ方法がありますので、他のスラックスとは一味違う洒落感を味わうのでれば、ベルトレス 仕様は非常にオススメです。
脇部分に尾錠という飾りを付けたこのデザインもオーダーらしい仕様の一つ。 飾りといっても一応ウエストを絞れる調節機能が付いていますが、それをすると腰回りのシルエットが崩れてしまうため、あくまで飾りと思ってお付けください。 サイド尾錠を付けることで、腰回りの良いアクセントになり、またカジュアルな雰囲気の中にどこかドレッシーさも感じられるという唯一無二のデザインです。 そのため、是非ベルトレス仕様とセットでお付けいただき、本格的なスラックスを存分にお楽しみください。
スーツ・ジャケパン・クールビズスタイルなど、どのスタイルにおいても「スラックスが着こなしの良し悪しを大きく左右する」といっても過言ではありません。 コーディネートの中でスラックスがそれだけ重要なアイテムということです。 ですから、デザインもそうですが、特にこだわりたいのがこの『サイジング』サイズが合っていないと、折角の着こなしが台無しになってしまいます。 そこで、ここではYOSHIMURA&SONSが考える《スラックスサイズの基本の考え方》をご紹介します。
渡り巾(太もも周り)のゆとり量は、お尻周りのゆとり量と連動していますので、この渡り巾を細くしすぎたり太くしすぎたりすると、一緒にお尻周りのゆとり量もその分少なくなったり多くなったりします。 そのため、渡り巾は細過ぎず太過ぎない程よいゆとりを必ず付けるようにしましょう。 そうすることで、お尻から太もも(渡り)にかけてのシルエットが綺麗になり、美しいスラックスに仕上がります。
太ももにはゆとりを付けながらも、スタイリッシュなシルエットを作り上げるには、ヒザ巾と裾巾が非常に大切です。 このヒザ巾から裾巾にかけて絞りを入れることで、足のラインがすっきりと見え、綺麗なシルエットとなります。 ただ、綺麗なシルエットというのは、生地がストーンと裾まで引っかかることなく落ちているモノのことを言いますので、細くしすぎるのはダメです。(ふくらはぎに当たってしまいスラックスが上手く裾まで落ちず、また見た目も不自然になります) 絞りながらもふくらはぎを圧迫しない程度のゆとりは必ず付けるようにします。 もちろん、太すぎるのも体に合っていないスーツを着ているような悪い印象を与えてしまうのでNGです。
スラックスを綺麗に見せるためには、股下 (スラックスの長さ)もかなり重要です。 一般的に股下の長さは、ワンクッション(靴の甲に当たる程度)~ハーフクッション(靴の甲) が良いとされています。 ただ、最も正しいのは、裾がシングルorダブルかで長さを変えることです。
裾がシングルのスラックスは、どちらかというとフォーマルな位置づけで、股下はワンクッションもしくはハーフクッションのベーシックな長さが適切 です。 なお、シングルの裾で股下が短いと、つんつるてんのスラックスに映ってしまいがちですので基本的にNGとなっています。
裾がダブルのスラックスは、どちらかというとややカジュアルな位置づけで、股下はハーフクッションもしくは甲に当たるか当たらないかギリギリのスッキリした長さが適切です。 なお、ダブルの裾で股下が長いと、靴の甲との境目がくっきり見えてしまい野暮ったく映るので、なるべく避けるようにします。