オーダースーツのヨシムラ >> 新着情報 >> ハンドメイド受注休止のご案内
2018年1月7日更新
読者の皆様、遅れましたが新年おめでとうございます。
株式相場の格言では、『申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑う』と言うそうで、戌年の今年は笑顔で笑える1年になると良いですね。
さて
おめでたい年始から心苦しいのですが、当社で長らく取り扱っておりました『仮縫付きハンドメイド』が職人の高齢化と後継者不足により、2018年2月以降 受注を休止することになりましたのでご報告差し上げます。
読者の皆様はご存知かと思いますが、ハンドメイドの業界はもはや風前の灯。
この10年間に首都圏近郊のハンドメイド工場が何社(倒産・廃業)に至ってしまったか。
それを考えると、当社のような『こだわりのオーダースーツ』を販売する店舗だからこそ、縫製工場を、そして何よりその技術を守りたいと考え、これまで営業しておりましたが、この度、熟練の職人の病気、引退によりやむなく、受注の休止に至りました。
思い返せば、当社(オーダースーツのヨシムラ)にとりましては、ハンドメイドのご注文を受け始めたのは2005年秋でした。
前オーナーが倒れ、資金的な背景を失った三久服装は廃業寸前になり、
そこに当社が助け舟を出した形で、経営にタッチすることになったのです。(当時 日経産業新聞にも掲載されました。2005年8月31日付)
当時のヨシムラは、今のようなハンドメイド工場、イージーオーダー工場もグループ内に持たず、外注工場だけを利用することで営業しておりました。
その一方で、当時から“こだわりのスーツ”を提供していた当社にとっては、ハンドメイド工場である三久服装はイージーオーダーの技術的な限界を超えることができ、また、それまで縫製については間接的にしか携わっていなかった当社にとっては直接経営にタッチし、縫製の技術に直接触れ合うことが出来るようになったことは、その後のヨシムラの商品開発に、ひいてはビッグヴィジョンの買収に大きな影響を与えたものでした。
しかしながら三久服装をグループに入れる時には色々と悩みました。
それまでイージーオーダーだけだった当社が仮縫つきのオーダーを販売できるか?
高齢化した従業員からどうやって若手に技術移転をするか?(出来るか?間にあうか?)
そもそも門外漢から縫製工場を管理できるのか?
などなど。
そこで色々な方に意見を伺いました。
販売価格や当社がハンドメイドをやるべきかどうか、悩みに悩んだ私はとうとうお客様にアンケートをお願いしたほどです。
画像はその時のアンケート結果
その後、工場(三久服装)・販売(ヨシムラ)側の意思疎通を図るため工場長の吉井氏には、暫くの間仮縫のフィッターをやって頂いたり、工場の若手職人を週末ヨシムラの店舗で接客してもらったりと、双方の交流により相互理解を図りました。
同時に、営業面でもお互い協力し合い、某百貨店の超高級ブランドのハンドメイドラインのご注文を受けたり、その後グループに入ってきたビッグヴィジョンでも仮縫付きハンドメイドを取り扱うようになったりと、
売上的にはなんとかかんとか黒字を確保できておりました。
が、残念ながら、職人の高齢化と後継者不足にはかないませんでした。
今後につきましては、若干流動的な面もありますが、フルオーダーのご注文は2月以降ご注文を休止いたします。
その後、三久服装は一部残ったスタッフと共に、洋服のリフォーム(お直し)事業を行う予定です。
このため当面の間、水洗いクリーニング等の対応は可能です。
非常に辛く厳しい判断ですが、いい加減な商品を提供することは出来ませんのでどうかご理解下さい。
ご利用いただいていたお客様に多大なご迷惑をお掛けすること、社を代表する立場として深くお詫び申し上げます。
平成30年1月吉日
吉 村 株式会社
有限会社三久服装
代表取締役 吉 村 雅 隆