桜が見頃を迎え、GWに入るまでのこの時期は花粉さえ無ければ1年で最も過ごしやすい時期ではないでしょうか 私の場合、スギonlyなんでようやくピークは越えた感がありますが、ヒノキとダブルの方は本当に気の毒に思います。 GWが明ける頃には収まっているでしょうから、もう少しの辛抱ですね。
さてそれはそうと、今年は雨が少なくて、こんなに長く桜が楽しめる年も珍しくないでしょうか 例年は見頃を迎えてから1週間くらい?で数日雨が続いてサヨナラまた来年、といった感じで終わるのに、今年はまだ満開状態が続いているので、お花見好きの方にとっては最高ですね。 実は私、家で犬(秋田犬)を飼っていまして、食事後の晩の散歩は私の役目で毎晩近所にある大仙公園に行くのですが、画像は散歩途中に撮影したその公園の桜です。 夕暮れ時の空と街灯の光、ピント、構成がちょっとアンバランスな感じがするのは否めませんが、なかなか上手く撮影出来ていると思っているのは私だけでしょうか? スマートフォンで画像を撮影するのって、本当に難しいですよね。 カメラの性能がどんどん良くなっているのにスキルが追いついていないのが情けない限りです笑
さて、今回はお題目を御覧になられて、これからどんどん気温が上がりクールビズも始まるというのに何を考えとるんだ!と思われた方も多いでしょう。 確かにもうGWを過ぎれば上着は不要、という企業も多くなりますし、昨今のビジネスカジュアル化でそもそもスーツを着なくてもよくなった、という方も増えてきました。 ただ仕事内容や業界、会社でのポジション、会議や商談等のシチュエーションによって夏でもスーツを着る機会がある方が一定数、というか結構いらっしゃるのも事実でありますが、一旦楽を経験してしまう=上着を脱ぐ、と逆に戻る=再び上着を着る、のは非常に苦痛であります。 クールビズが始まる遥か前、クーラーも今ほど普及しておらず、夏でもビジネスマンは上着を着て当然の時代はそれが当たり前だったので我慢出来た、せざるを得なかったのですが、そこには現代でも応用可能な先代の知恵が存在します。
そこで今回はそれを踏まえた上で、夏でもスーツがご入用のビジネスマンに向け、快適にスーツスタイルを楽しんで頂けるファブリック3つをご紹介したいと思います。
全てのビジネスマンの方に当てはまるかと言われると難しい側面もあるかと思いますが、賛否両論、良い面悪い面、清濁併せ呑む感じでお読み頂ければ幸いです。
それではまず最初に,,,,,
◇WOOL 100% ◇目付:250g/m シングルスーツ:本体価格 58,300円 (税込)
なぜこのソラーロ(イギリスではサンクロス)を最初に持ってきたかと言いますと、キッチリとタイドアップしても(フォーマル)、ノータイでリラックスしたスーツスタイルでも(カジュアル)、どちらでも対応出来るポテンシャルの高いファブリックであるからに他なりません。 経糸と緯糸、それぞれ異なる色目の糸を織り上げることにより、光の加減で表情が変わるので玉虫色に見えるという訳であります。 綾織なので光沢感もあり、より一層表情の変化が楽しますし、当然夏用ですので裏仕様は背抜か大見返し(アンコン仕様)がメインとなるでしょう。 そうした場合、敢えて色目が異なる裏側が見えるので、デザイン的に楽しめる側面もございます。 X21-3205,06,07の3色は特に玉虫感が強いので、見た目に清涼感溢れる仕上りとなりますが、綾織で目が詰まっているので通気性に優れ、体感的に涼しいと感じるファブリックではありません。 色目で涼を感じるファブリック、ですね。
ならば、仕立てとサイジングでそのデメリットをカバーしましょう。 冒頭でフォーマル&カジュアル、両方対応可とご紹介致しましたが、少しでも涼しくするにはやはりナポリ仕立て(マニカカミーチャ)で極力保温性のある付属品を排し、軽く仕立てるのがお薦めです。 シルエットも昨今の流れに沿ったリラックススタイルが良いでしょう。 楽に動くことの出来るゆとり量を付けつつも、オーバーサイズ感は出さない(だらしなくみえない)サイジングが肝要です。 ボタンや裏地などのアクセントアイテムも蝶貝やペールトーンの物を選ぶことをお忘れなく。
続いては,,,,,
◇生地品番:X22-3327~X22-3329 ◇WLINEN 12% WOOL 88% ◇目付:250g シングルスーツ:本体価格 58,300円(税込)
復元力、柔軟性に富んだウールと独特のシワ感と通気性の良さが特徴のリネン、それぞれの良いトコ取りをしたファブリックがこのリネン&ウールです。 ピュアリネンに比べるとシワになりすぎず、ウールと混紡していることによりしなやかさが出て着心地がupします。 反面ウール100%のファブリックと比べるとフォーマルになりすぎず、リネンの持つシワ感がカジュアルで柔らかい雰囲気を与えます。 基本的にリネンやコットンの植物性繊維は伸縮性が無く、ストレッチ性に乏しいので、丸く柔らかなラインを表現するのに向いていない側面がございますが、ウールがそのデメリットをカバーしております。
軽く、とてもしなやかなファブリックですので、その特性を活かしたアンコン仕立てがお薦めです。 先のご紹介したSOLARO(ソラーロ)同様、軽く涼しい仕立てにすることでこのファブリックのメリットが最大限発揮されることでしょう。
ただリネンの持つ風合い、ざらっとした肌触りがこれまで経験されたことの無い方にとっては違和感を感じるかもしれません、特に パンツ 素肌の上からジャケットを着ることはありませんが笑、パンツは太股の裏側が直接生地に触れてしまうので、下着とは別にステテコ的な物か、膝上位までの長めのインナーで対応することをお薦めします。 現に私、南浦も夏場リネンのパンツを履く際には〇ニクロで購入した膝までのロングインナーを着用しております。 生地と素肌との間に1枚挟むことにより、生地に対する負担も軽減出来ますし、速乾タイプのインナーを選べば履き心地も格段にup、結果スーツの寿命も伸びる、と良いことづくめです。 是非お試しあれ
最後に,,,,,
◇生地品番:P22-5201~P22-5204 ◇WOOL 100% ◇目付:400g/m シングルスーツ:本体価格 63,800円(税込)
TONIKとは本来イギリスのマーチャント DORMEUIL社(ドーメル)のオリジナルブランドであり、リリース当時大ヒットしたことからそのままファブリックを示す名称になっております。 聞き覚えのある呼び名は"ポーラ"や"フレスコ"の方がポピュラーかもしれませんね。
経糸と緯糸共にポーラ糸(3PLY)を使い、敢えてシャリ感を出す織り方をし、通気性、防シワ性に富んだファブリックです。 百聞は一見に如かず、このファブリックを触ればお分かり頂けますが、かなり目が粗く、一目で通気性が良いのが一目瞭然です。 この織り方こそ、昔夏でもスーツが必須であった時代、少しでも快適に過ごせるようにと偉大な先人達が考え出したのです。 私も夏用スーツでこのトニック(ポーラ、フレスコ)地を使用したものを3着所有しておりますが、夏場はリネンとこのトニックで乗り切っております。 暑がり、汗っかきの私が断言するので間違いありません。
今シーズンご用意しております葛利毛織のトニックは国産らしい非常に堅牢な作りであり、今回ご紹介する3つのファブリックの中では最もフォーマルな仕立てに向いているファブリックと言えるでしょう。
最近の夏のスーツファブリックの流行はクールエフェクトやクールマックスのように機能性を持たせた物や薄く軽い物が主流であり、このトニックのような重く硬い物は敬遠されがちではありますが、この両者を着比べると意外や意外後者の方が体感的に涼しく感じることが出来ます。 これから夏用スーツのオーダーをお考えの方、一度だまされたと思ってこのトニック、試してみてはいかがでしょうか?
以上、独断で笑、夏でも快適に過ごすことの出来るスーツファブリックをご紹介させて頂きました。 これが皆さんの夏場のビジネスシーンを快適に過ごせることの一助になれば幸いです。