9月も終盤に差し掛かり、秋の訪れがもうすぐ目の前まで来ましたね。 先週はいきなりの気温の低下に少し肌寒さまでも感じるようになり、この機会にようやく秋冬物の洋服をクローゼットに並べ始めたという方も多いのではないでしょうか。 私、河本はというと、、、まだまだ衣替えは終わっておりません。スロースターターなんです。(私の悪いところです、汗) ただ、この秋冬シーズンに欲しいものは既にリストアップしておりますので、私の衣替えはもう少し寒くなってきてから始めていきたいと思います。 さて、そんな《衣替え》の時期にとうとう突入しましたが、私のようなスロースターター以外の皆さんは着々と準備は進んでいますでしょうか。 今季のYOSHIMURA&SONSは、ここ数年力を入れていたカジュアルなラインナップとは打って変わり、スーツの需要がやや高くなってきていることから原点回帰ということで、《クラシック&ベーシック》をテーマに生地を揃えておりますので、皆さん是非、今季はスーツスタイルを存分にお楽しみください! と言いたいところではあるのですが、やはり<時代はカジュアル>ですので、本当にスーツは必要ないという方も多いかと思います。実際にご来店されるお客様の中でも、一切スーツは着なくなったという方が非常に多いです。 ですので、そんなスーツはもう必要ないという方は、これからのシーズンはジャケパンスタイルが基本になってくると思うのですが、「ジャケットは何を選べばいいか分からない。。。」「ジャケパンのコーディネートが難しい。。。」といった声をよく耳にします。 確かに、スーツに比べてコーディネート力も多少必要になってきますし、お手持ちのスラックスと合うのかといった想像力も必要となってきますので、難しいのはよく分かります。 ただ、これさえ持っておけば安心です!といったどんなコーディネートにも対応できる 万能アイテム (ジャケット)がございます。それは、、、 そう、永遠の定番『紺ブレ』です!!! ということで、今回はこのジャケットの入門編でもあり、マスターピースとも言える紺ブレについて、色々ご紹介させて頂こうと思いますので、是非最後までご覧ください!
起源は諸説ありますが、有力な説は2つ。 1つ目はビクトリア女王の前で行われる式典の際、みすぼらしい格好の水兵たちを見栄え良くさせようと、艦長が全員に紺のサージに金色のボタンがついた制服を与えたところ、女王がその制服を大変気に入りその船の名前「ブレザー号」にちなんでブレザーと命名した説。 基本デザインは、ダブルブレスト6つ釦2つ掛けの英国的正統派デザインで王室も認める略礼装で、全体にやや細身でウエストのシェイプをきかせたシルエットが特徴。
2つ目は、ケンブリッジ大学の生徒がオックスフォード大学とのボートレースの対抗試合で深紅色の上着を着たため、Blaze(炎)が訛ってBlazer となった説。 米国流のブレザーは、シングル3つ釦(段返り)のラップ付きパッチポケット仕様が基本で、肩のシルエットは強調せず着る人を選ばないナチュラルショルダー。前ダーツは無しと比較的ゆったりとしたサイズ感が特徴。
いずれにしても、ブレザーとはスポーティーなユニフォームのことで、メタル釦(ドーム型で刻印入りのものやフラットで足付きのものなど)や胸のエンブレムには所属するクラブで統一したものを使用、それがいわばクラブの象徴(=チームへの帰属意識)とされています。
着回し力NO.1 との呼び声の高い抜群のポテンシャルを持つ紺ブレは、ビジカジが進むこのご時世で、なくてはならない必須アイテムの1つと言っても過言ではありません。 では、なぜこの紺ブレが着回し力NO.1と言われているのか。それは、、、 『1つのアイテムで多種多様な着こなし方が出来る』というところです。 まず、紺ブレというのは、ジャケット単品で着用するアイテムであり、スーツと違い上下(ジャケットとパンツ)を揃えて着るものではありません。 ジャケット単品での使用と聞くとやはりカジュアルな装いの印象を思い浮かべる方が多いと思いますが、実際には紺ブレはフォーマルとカジュアルの中間の位置に値します。 上下が揃っているスーツほどカチッとした印象ではありませんが、ユニフォームや制服の印象があるため着用するだけでカジュアルな生地のジャケットよりもキッチリとした印象を与えてくれるのです。 そのため、合わせるパンツやインナーウェアによってビジネスシーンでのセミフォーマルな装いからプライベートシーンでのカジュアルな装いまで幅広く着こなしを楽しむことが出来ます。 では、これより実際にこの着回し力抜群の紺ブレを使ったオススメの着こなしを皆さんにご紹介させて頂きます! これからご紹介するコーディネートで使用している生地は、《2022年秋冬新作生地サンプル帳Diplomat》に掲載しておりますので是非ご請求頂き、実際に生地に触れてみてイメージを膨らませてください!!
それでは、まずは紺ブレの着こなしについて語る上で絶対に外すことの出来ないあのトラッドスタイルからご紹介させて頂きますね!!!
1960年頃には銀座のみゆき通りに独特の着こなし方をした若者たち(みゆき族)が現れるなど日本でもひと昔前には一世を風靡したこのアイビールックですが、なかなか今ではマニアックなアメトラファン以外では見られなくなってしまいましたよね。 ですが、ビジネスカジュアルが進むこのご時世だからこそ、ビジネスシーンでも出来るこのスタイルは、どこか懐かしさがありながらも新鮮に映るのではないでしょうか。 一つ一つのアイテムも比較的シンプルなアイテムで構成出来ますので、『原点』にして『頂点』とも言えるこのアイビールックに少しでも興味のある方は是非チャレンジしてみて下さい!!
紹介にもあった通りアイビールックは比較的シンプルなアイテムで構成されます。ですので、シンプルなアイテムだからこそ、ディティールにこだわってお作り頂き、よりトラディショナルな雰囲気を存分に楽しんで頂きたいと思います。 やはり紺ブレのデザインは、3つボタンの段返りに軽快でスポーティなフラップ付きのパッチもポケットが良いですね。また、フックベントに衿には7mmのミシンステッチと分かりにくい細かい部分もこだわっていきましょう。肩はナチュラルショルダーにし、胸のダーツを思い切って無くしたボックスシルエットにすると、より本来のディティール、シルエットに近づきgoodです! シャツはオックスフォードのボタンダウンシャツ、またネクタイもレジメンタルタイが一番定番で良いですね。 パンツは、ベージュのコットンパンツが良いでしょう。本来であれば、ノータックに裾口ダブルのデザインでシルエットは全体的に細身が好ましいですが、あえてタックを2本やBOXタック+1本、後ろにバック尾錠を付けたデザイン性のあるものにし、シルエットをビックシルエットにするなど、自分の個性も合わせた一味違うアイビールックにするのも面白いですよ。
上記でもご紹介したように、紺ブレは本当にあらゆるシーンで活躍してくれる着回し力抜群のアイテムです。(無限大は少し言い過ぎかもしれませんが、、、いや無限大ですね‼)
ですので、着用するシチュエーションに合わせて色々な着こなし方をお楽しみ頂きたいのですが、そんな数ある紺ブレの着こなしの中でも少し捻りを加えた一癖あるコーディネートをこれからご紹介させて頂こうと思います! <タイドアップスタイル>と<ノータイスタイル>それぞれご紹介しますので、是非参考にしてみてください!
王道のスタイルで言えば、ウールのグレースラックスにネイビー(ブルー)ストライプシャツ、無地や小紋柄のネクタイといった全体的に落ち着いたの合わせ方があります。もうこのスタイルは殿堂入りとしましょう。 今回ご紹介するのは、王道の合わせ方では少し物足りなくなってしまった方へオススメする洒落感のある粋な着こなし方です。 紺ブレのデザインは、3つボタン段返りに、フタツキの平行ポケットに、、、など、お好みのデザインで良いかと思うのですが、こだわって頂きたいのは生地感です。 やはり、タイドアップスタイルですので、少しカジュアル感がありながらもカチッとした印象に映った方が良いですよね。 このような場合には、生地感のある(表面に凹凸があるような生地)ようなものではなく、ウールでも表面がクリアになっているサージ素材を使うことで、全体的に引き締まったエレガントな印象にしてくれるのでオススメです。 そこに合わせるパンツは、少し捻った色のダークグリーン。色目が暗い色なので決してカジュアルすぎず綺麗目にまとめてくれます。 また、シャツはブラウンベースに赤×ネイビーのストライプを使用。なかなかビジネスシーンでは見られないグリーンパンツとブラウンベースのシャツですが、ネイビー、グリーン、ブラウンというのは相性抜群です。 この凛とした雰囲気を醸し清潔感もあるネイビーと、エレガントでマイルドな雰囲気を醸す自然色のグリーンとブラウンの組み合わせは、しっかりメリハリを利かせた絶妙なコントラストが魅力。上品さと奥ゆかしさ、落ち着きとリラックスしたイメージをシンクロさせ、洗練されたスタイルを表現力豊かに演出してくれます。 ここにネクタイは、明るめの無地のオレンジタイを入れることで、全体的に暗めだったスタイルに明るさをアップ。ここでのネクタイはお好みのお色を合わせて頂いて良いのですが、シャツがなかなかエッジの効いた柄ですので、なるべく柄物ではなく無地を選ぶよう心がけましょう。
職場でも、プライベートシーン同様のカジュアルな装いが許されている方は、是非このノーネクタイ紺ブレスタイルをこれからの着こなしの参考にして頂けたらと思います。 是非このスタイルには《ダブルブレテッド》をオススメさせて頂きます。 ダブルジャケットは、貫禄や威厳のある人が着られるイメージがあると思いますが、生地を表面に凹凸感のあるホップサックのような生地や、デザインをスポーティなアウトポケットや肩パットを無しにするなど遊び心のあるものにしてあげることで、全然問題なくカジュアルなスタイルでご着用頂けます。 パンツはミリタリー感のあるカーキのコットンパンツが相性抜群です。サイズ感もスタイリッシュに細く作るのも良いですし、画像のように少し大きめのビックシルエットで作るのもオススメです。 シャツは、大胆に赤ベースのチェックシャツは如何でしょうか。デザイン性の強い色柄ですのでカジュアルなスタイルにはもってこいですし、ジャケットが寒色でシャツが暖色としっかり色のバランスも取れているので、派手さがありながらも、決して悪目立ちせずまとまったスタイルになります。 上記ではシャツを合わせたスタイリングのご紹介でしたが、このままシャツをカットソーに変えても十分さまになりますので、もちろんプライベートシーンでお使い頂けます。 キメ過ぎずユル過ぎないといった抜け感がたまらない粋な着こなしを是非お楽しみください。
さて、今回は『紺ブレ』についてご紹介させて頂きましたが、皆さんいかがでしたか!? 紺ブレは、ジャケットを着る機会が多くなるこれからの季節で特に活躍してくれるマストアイテムですので、1着持っておいて本当に損はありません! 是非お好きなデザイン、シルエットで仕立てた紺ブレで、この秋冬シーズンの着こなしを思う存分楽しんでください☆