開始早々、東京・大阪共に多くの方々からご利用頂き、お薦めstyle執筆者として非常に嬉しい限りです。 コロナ禍でビジネスカジュアルが加速した反面、どうしてもスーツを着なくてはいけない時はこれまで以上にきちんと着こなしたい、という声が多く聞こえてきてます。
確かにビジネスシーンでスーツを着る機会は激減したかもしれませんが、全く無くなった訳ではありませんから、たまに着なければいけない機会=晴れの日、に着るスーツが欲しい!というニーズの高まりと今回のフェアがジャストタイミング!で出会ったからかもしれませんね。
ただお越しになられたお客様からはぶっちゃけ"クラシックStyle"ってなに?的なお言葉も頂戴します。
そこで今回は"クラシックStyle"はどういったモノなのか? "クラシックStyle"スーツを仕立てるに当たってのポイントは?etc,,,,,をスリーピースとダブルブレステッド、それぞれの成り立ちから仕立てるに当たって意識して欲しいこと等を書き連ねてみました。
是非ご一読頂き、今回の【スリーピース&ダブルスーツフェア】をご利用頂く一助になれば嬉しい限りです。
まず最初にご紹介するスリーピースは上記のように礼装から進化した衣装であり、ベストのデザインによってその印象が変化します。 基本はシングルであるが、クラシカルなデザインであるダブルの方がよりエレガントでクラシックStyleと言えるでしょう。 クラシックスリーピースStyleを表現するのに重要なのが、身体にフィットした美しいシルエット 正統派スーツはラインが綺麗であればあるほど凛々しく見せることが出来ます。 芯地をしっかりと用いた伝統的な英国式Styleは正に王道ではありますが、芯地を極力省いた柔らかな印象のイタリア式仕立てであってもスーツの形やラインが美しく整っていれば、それもまたクラシックスリーピースStyleと言えるでしょう。
続いてクラシックスリーピースStyleを語る上でポイントとなるのが色 先述の様に礼装から派生したStyleであるスリーピースには厳粛な色目であるグレーが最も相応しい伝統色でありますので、まずはグレーを極めることがクラシックスリーピースStyleの条件であります。 ただ個人的にはスリーピースの持つシャープさ、強さを最も表現出来るネイビーのロンドンストライプがお薦めであります。 ロイヤルブルーという言葉があるように、グレー同様、ネイビーも高貴な色であり、気品を与える永遠の色目として不可欠、それにロンドンストライプの力強さが加わることによりクラシックさが醸し出されます。
最後に重要であるのがVゾーンの演出です。 後述のダブルブレスト然り、スリーピースもVゾーンが狭くなるため、ネクタイがスーツ全体の印象が決まりやすい。 基本と遊びをこのVゾーンで表現することで全体の印象が大きく変わります。 ソリッドなネクタイで正統派感を、ヴィヴィッドなネクタイで洒落感を、演出してそれぞれのクラシックスリーピースStyleを楽しんでください。
クラシックスーツの代表的なデザインとして挙げられるのが、先述のスリーピースと今回ご紹介するダブルブレステッド 前者が礼装から派生したデザインであるのに対し、このダブルブレステッドは軍服から派生したと言われております。 フロントをダブル(二重)にすることで風が入りにくいよう工夫されたという説と元々軍服はシングルであったが、匍匐前進する際、フロント部分の中心にボタンがあると邪魔で進みにくい為、左右両側にボタンを付けるようになったとの2つの説があります。
余談ですが、海兵隊員が着るPコートは左前と右前と両方掛け違えるようになっているのは、風に対して身体の側面を向けた際、打ち合わせの部分から風が入らないように、との理由からであります。
その軍服から19世紀半ば頃に昼間の正礼装であるフロックコートへ、そしてディレクターズスーツへと変遷を遂げ、今のダブルブレステッドへと行き着いたとされています。
クラシックダブルブレステッドStyleを語る上で決して外すことの出来ない人物、それがかのエドワード8世(ウィンザー公)です。 プリンス・オブ・ウェールズ時代に英国親善大使として世界各国を周り、そのクラシックでダンディなスーツStyleがハリウッド俳優等、多くの人々に大きな影響を及ぼしたと言われております。
ウィンザー公でダブルブレステッド、となれば有名なのがダブルの段返り クラシックな6B×2の第1ボタンをわざと外して着るこのスタイルは何年か周期でトレンドとなるデザインでありますが、これはあくまで正統派な着こなしが出来てこそのテクニック あくまでクラシックダブルブレステッドStyleは英国本流のデザインを引き継ぐ6B×2であり、第一ボタンのみか両方留める着こなしが正統派であることに間違いはありません。
クラシックダブルブレステッドStyleを語る上で是非1着は持っておきたい生地がグレーのフランネル グレーがクラシックStyleに相応しいかはスリーピースの欄で述べましたが、クラシックStyleの頂点とも言えるウィンザー公がこよなく愛用したのが、他ならないグレーフランネルのダブルブレステッドであります。 フランネルと言えば"FOX BROTHERS" こちらのファブリックを使用すれば正に英国式クラシックダブルブレステッドStyleの完成です。 ただ最上のクラシックは無地であることは周知の事実でありますが、私個人的にはフランネルならではの柄であるチョークストライプを推したい。 こちらであればチョークストライプの持つ柔らかなイメージを活かしたナポリStyleのイタリアンクラシックダブルブレステッドStyleがお薦め ダブルブレステッドの持つ威厳とフランネルのカジュアル感、そしてナポリ仕立ての柔らかなイメージが品良く調和した1着に仕立て上がります。
スーツ離れが進んで久しい昨今ですが、そんな今だからこそビジネスシーンで正統派クラシックStyleスーツが求められているのでしょう。