2024年2月9日更新 執筆者:東京店 河本
こんにちは。東京店の河本です。 毎日寒い日が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。気持ちの良い暖かな風が吹く春の訪れが待ち遠しいですね。 さて そんな「春」と言えば、《新しいスタート》の季節。ということで、今回は4月から新社会人になるフレッシャーズの皆さんに向けて、正しいスーツの着こなしポイントをご紹介します。 これから新しい環境に身を置き、様々な人と出会う中で、まず「見た目」が第一印象を大きく左右します。 見た目を気を付ける、となると皆さん、髪をセットしたり髭を剃ったりと、容姿はしっかり整えられると思います。しかし、新社会人のユニフォームでもあるスーツに関しては “正直何でもいいや” とお考えの方、多いのではないでしょうか。 スーツも第一印象を左右する大きな要因の一つです。 その為、たとえ容姿は整えられていても「スーツがよろしくない」という理由だけで、だらしない印象を与えてしまうことになります。初日からだらしない印象を付けられたくないですよね。 そうならないためにも、今のうちから【スーツの正しい着こなし方=『基本』】をしっかり学び、初日から格好よくスーツを着こなして大人の階段を上って行ってほしいなと。 基本を知ること。それが大人への第一歩です。 是非、ご参考までに最後までご覧ください。
では、初めに河本から皆さんへ質問です。 「スーツで最も大切なことって何でしょうか?」 色柄?機能性?またはデザイン? 色々な考え方があります。 例えば、新社会人の皆さんが着用する「フレッシャーズスーツ」でいうと、
>>>なるべくシワになりづらく頑丈な「耐久性のある」ものがオススメ。 新社会人にとって、スーツは毎日着る物のため、シワに強いスーツを2~3着持っておき、ローテーションで使う。
>>>デザインも生地の色柄同様、基本はオーソドックスなもの。 例えば、上着は2つボタンで、スラックスは裾の折り返しが無いシングルなど、どこにいっても恥をかかない、最もオーソドックスなデザインがオススメ。
このように、色柄に機能性、デザインも非常に大切なことです。 ですが、これらよりもっと大切なことがあります。 それは何かというと『サイジング』です。 《体に合ったスーツ》これこそが最高に『良いスーツ』だと断言します。 ですが、これまでスーツのあれこれを学ぶ1番の情報網であったファッション誌も、インターネットなどのデジタル媒体の普及により、ひと昔前に比べると大幅に減少。中でもこうした正しいスーツの着こなし (サイジング)についての内容を扱う雑誌なんかは、今やもうほとんどありません。 では、ネットで調べれば出てくるのかと言われると、こちらも残念ながらほとんど載っていません。(スーツの選び方、のようなことで軽く載っているものもありますが) 紹介されているのは、スーツのデザインについてやスーツ、シャツ、ネクタイのコーディネートの仕方についてばかりです。 もちろん、これらもスーツを着る上では大事なことですが、そもそも着る人の体に合っている(フィットしている)スーツでなければ意味がありません。 一番重要な要素は、着るその人の『体』にしっかり合い、その上で使用するシーンなどTPOに合わせた生地、デザイン、そしてコーディネートを掛け合わせる、これが本当に良いスーツであり、格好よいスーツスタイルだと私は考えます。 「体に合ったスーツを着る、そして着こなす」これができれば、それが最高峰の1着になるのです。 ですから、新社会人の皆さんも《フレッシャーズスーツ》は是非、オーダーで仕立てることをオススメします。 それでは、ここからはしっかり体にフィットした『正しいスーツの着こなし』とはどういったものなのか、をポイントごとに紹介していきます。
スーツを着る上で一番重要と言っても過言ではないのが、肩幅のサイジングです。 『スーツは肩で着る』とよく言われるように、体に合ったスーツ着るためには、肩幅がジャストフィットしていることが非常に大切です。 写真のように、手で掴めるほどの大きいゆとりがあるものは、第一印象でだらしなく映ってしまいます。 その為、肩先を軽くツマめるくらいのゆとりを目安に、自分の肩のトップ位置がちょうど合っているジャストフィットなサイジングが理想的です。
袖丈は好みもありますが、基本はワイシャツの袖が0.5~1.0cm出るくらいの長さです。 理由は、ワイシャツの袖の方が長くすることで、ジャケットの袖口と手首の接触を防ぎ、手首皮脂による袖口の汚れ防止するため。 ですから、ワイシャツが覗かないほどの長すぎる丈はダメですし、また短すぎる丈もつんつるてんに見えてしまうためNGです。
昔は「お尻を出すのは失礼にあたる」とされており、ジャケットの着丈はお尻を完全に隠す長さでした。 しかし、ここ最近の傾向(特に若年層)として、お尻が完全に出るような着丈も多く見られます。 ただ、正直言うと短い着丈は上品でなく、体に合ったスーツを着ているようには見えません。 だからといってあまりに長い着丈だと、全体的に重い印象になってしまいます。 正しい着丈は、お尻の下線ピッタリ~1.5cm上くらいの長さです。ただ、こちらは腕の長さとのバランスにもよりますので、そのバランスについては我々スタッフにお任せください。
渡り巾(太もも周り)のゆとり量は、お尻周りのゆとり量と連動しています。その為、渡り巾を細くしすぎたり太くしすぎたりすると、一緒にお尻周りのゆとり量もその分少なくなったり多くなったりします。
これらはゆとり量が正しくないせいで、お尻周りのフィット感を得ることが出来ず、見た目から窮屈感や野暮ったさが伝わるような大きなシワが入ってしまっています。これだと綺麗なスラックスとは言えないですよね。 また、これらのサイズ感だと、股の裂けや擦れ、破れの原因にもなります。
その為、この渡り巾は細過ぎず太過ぎない程よいゆとりを必ず付けるようにしましょう。 その方がシワになりにくく、綺麗な見た目、シルエットになります。
上記で「渡り巾(太もも)は程よいゆとりを付けましょう」と言いましたが、だからと言って太いシルエットになってしまうのかというと、決してそうではありません。 太ももにはゆとりを付けながらも、スタイリッシュなシルエットにすることもできます。 そこで一番大事になってくるのが、このヒザ巾と裾巾です。 このヒザ巾から裾巾にかけて絞りを入れることで、足のラインがすっきりと見え、綺麗なシルエットとなります。
ただ、ここでも細くしすぎるのはダメです。細くしすぎてしまうと、写真のようにふくらはぎが当たってしまい、不自然な見た目になってしまいます。 また、ふくらはぎに引っかかってしまい、スラックスが上手く落ちてこない、というのもよくあることです。
綺麗なスラックスというのは、ストーンと裾まで引っかかることなく落ちているものです。 その為、絞りながらもふくらはぎを圧迫しない程度のゆとりは必ず付けるようにしましょう。 もちろん、太すぎるのも体に合っていないスーツを着ているような悪い印象を与えてしまうのでNGです。
スラックスを綺麗に見せるためには、股下 (スラックスの長さ)も非常に重要です。 一般的に股下の長さは、ワンクッション(靴の甲に当たる程度)~ハーフクッション(靴の甲) が良いとされています。 ただ、最も正しいのは裾がシングルorダブルかで長さを変えることです。 フレッシャーズスーツの場合は、裾はシングルが基本ですが、今後ダブルを履くこともあると思いますので、一緒に覚えておきましょう。
裾がシングルのスラックスは、どちらかというとフォーマルな位置づけで、畏まった場で着用するスーツやフレッシャーズ・リクルートスーツのスラックスでよく見られる仕様です。 その為、股下はワンクッションもしくはハーフクッションのベーシックな長さが適切。 シングルの裾で股下が短いと、つんつるてんのスラックスに映ってしまいますのでNGです。
裾がダブルのスラックスは、どちらかというとややカジュアルな位置づけで、通常のビジネススーツやセットアップスーツ、またジャケパンスタイルやクールビズスタイルのスラックスでよく見られる仕様です。 その為、股下はハーフクッションもしくは甲に当たるか当たらないかギリギリのスッキリした長さが適切。 ダブルの裾で股下が長いと、靴の甲との境目がくっきり見えてしまい野暮ったく映るので、なるべく避けましょう。
ビジネスシーンにおいてスーツの絶対的相棒であるシャツ。 スーツに隠れて目立たない存在ではありますが、実はシャツも格好よくスーツを着こなすためには非常に重要なアイテムです。 折角スーツが良くてもシャツが体に合っていなければ、それは良いスーツスタイルとは言えません。スーツ・シャツ共にしっかり体にフィットしてこそ、格好良いスーツスタイルが生まれるのです。
以上、今回はフレッシャーズの皆さんに向けた『正しいスーツの着こなし方』をご紹介しました。 繰り返しになりますが、最も大事なのは『しっかり体に合ったスーツを着る』という事です。 新社会人の皆さんが新しいスタートを気持ちよく迎えれるよう、我々がお手伝いしますので、フレッシャーズスーツ、またシャツは是非オーダーでお仕立てください! ご来店を心よりお待ちしております。