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裏地一つで・・・ |
オーダースーツでオーダーできる点というと皆さん「デザイン」や「生地の色柄」ばかりに気持ちが行ってしまう方が多いですが、実は裏地を楽しむことも結構気持ちの良いものです。 他のオーダー店でも「裏地オプション」を選べるにも関わらず、「儲けが少ない」「面倒だ!」といった理由で最近はあまり積極的にセールスをされないようですが、(実は恥ずかしながら当店でもかつてはそうでした。)裏地を選ぶのは「本当にスーツの好きな方」しかできない、本当のこだわりなのかもしれません。 ちなみに、どこのオーダー店でも同じだと思いますが、オーダースーツを注文して特にお客様から指定がなければ「裏地」はそこのお店か工場の「お任せ」でだいたい同系色になります。 ですから、裏地は表地に対して「やや濃い」か「やや薄い」色のどちらかになってしまい、「存在感」はほとんどなくなってしまいます。 こんな販売店が多いので裏地はいつしか紳士服のディテールの中で「色・柄」も「素材」も忘れ去られた存在になってしまいました。 話が脱線してしまいますが、素材についても忘れ去られてしまっていて、オーダースーツでも最近の標準的なモデルの裏地は「ポリエステル」で、正直なところ、冬物でしたら別に問題ないのですが、これから春夏物となってくるとやっぱり「キュプラ100%」の裏地に軍配が上がります。 HPの新着情報としてはちょっとまだ早すぎかもしれませんが、夏場暑い日に汗びっしょりでスーツを脱ぐと「裏地がぐっしょり!べっとり!」ということがありますよね。 こんなのはまさに「ポリエステル裏地の典型!」やっぱり通気性がよくありません。 着心地・高級感重視のオーダーなのに意外なところで手を抜くことがあります。 裏地の品質表示は目立ちませんがだいたいスーツの内ポケットの内側に縫いつけてあります。 一度ご覧になってみて下さい。 さてさて話が逸れてしまいました。 裏地の色を指定してスーツを作るとこんなにスーツが変化します。 写真は似たような色目の生地を使用したスーツですが、どうですか?随分印象が違うでしょう? これが裏地の楽しみ方です。 |
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ちなみに当社のHPは男性読者が多いので、ご忠告しますと・・・私が今書いている「裏地の色指定」は女性にとっては「ごくごく当たり前」のお洒落アイテムの一つです。 先日ご注文いただいたレディーススーツはキャメルの生地に「オレンジ」の裏地でした。 男性ではとても考えつかないような色合わせです。 「裏地の色指定」のことは実は女性には自慢できないアイテムかもしれませんね。 さてさて、折角ですからここで読者の皆さんに裏地の色合わせの簡単なコーディネート方法をご紹介しましょう! 話を簡単にするため、ごくごく一般的な濃紺のスーツを例に取ると・・・<br> 濃紺のスーツ 通常裏地・・・紺または黒 お奨めコーディネート・・エンジ・赤・スカイブルー((ちょっと勇気がいる?)) こだわり仕様の方・・・パイピング付きの場合パイピングも色指定してみましょう! (注:パイピングがお分かりになられない方はこちらへ飛んでください!) グレー系でも赤・エンジは裏地オプション初心者には比較的無難で紺と同じように色の相性はGOODです! どうです!今までとはひと味もふた味も違ったスーツができるでしょう! ちなみに当社では併設している卸部門が縫製関係資材を扱っていますので裏地については格安でしかもカラーバリュエーション豊富に取りそろえています。(約50色×10種類) 裏地の種類といっても、普通のスーツ用・コート用・ニットのような伸びる素材用・平織り・綾織りetc結構奥が深いです! 当店では、自慢ではありませんが全てのテーラーのニーズにお応えするだけの素材はご用意しております。 こちらはオプション扱いになりますので1000円〜2000円前後アップしますが、一度試してみて下さい。 なお、通常のサンプル帳のご請求では裏地の色見本まではお送りしておりません。<br> ご希望の方は備考欄にでもその旨ご記入の上サンプル請求をお願いいたします。 特にリピーターのお客様は1着目と雰囲気を変えるためおすすめです! ちょっと一言・・・裏地の知られざる一大ブランド 「旭化成のベンベルグ」・・・旭化成はご存じでも「ベンベルグ」(厳密には「ベン」シリーズ)までご存じの方は滅多にいらっしゃらないと思います。 この旭化成ベンベルグは初めて裏地にキュプラ(パルプ繊維)を持ち込んだ会社でテーラーさんをはじめ各種オーダー店では「旭化成のベンベルグ」というのは知る人ぞ知る大ブランドです! オーダー店で「ベンベルグ裏地でお願いします!なんて言ってオーダーしたら「この人本当にスーツが好きなんだな〜!」と思われ店員さんとも親しくなれること請け合いです。 既製服店ではここまでご存じの店員さんは滅多にいませんよ! |