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オーダースーツのヨシムラ
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 オズワルド・ボーテングのスーツ!
皆さん「オズワルド・ボーテング」ってご存じですか?
この名前を知っている人は本当にスーツ好きというかかなりのマニアですね。
このオズワルドのスーツ(お値段16万円也!!)が、とあるルートで手に入りましたのでご紹介します。
ちょっと一言・・・OZWALD BOATENG
 '94年のパリコレでデビューを果たしたイギリスはロンドン、サヴィルロー出身のデザイナーさんです。
Yahoo UKで調べたら日本でメジャーな「Paul Sumith」よりも人気が高く、ロンドンっ子の人気ナンバーワン・デザイナーでした!(出所はこちら

特徴はというと・・・
サヴィルローのテーラーの中でもハーディーエイミス等の老舗ブリティッシュデザインのテーラーとは全く違い、メンズなのにかなりの
ボディーコンシャス&パープルやオレンジなどの鮮やかな色使いが特徴的なデザイナーです。


まあ何はともあれ実物を見てください!
オズワド・ボーテング 凄い色ですね。いやはや誰がこんな色のスーツを着るんだろう?と素直に不思議に思うようなスーツですね。
皆さんのモニターでそれぞれ見えるかどうか微妙なのですが、実はこの生地玉虫色に光っているんです。
一見すると紫色なんですが見る角度を変えるとオレンジの色が見えてきて・・・
画像で見るより実物の方が、凄んごく綺麗です。(現在東京店で展示中)

ちなみに玉虫色に見えるのは横糸ブルー縦糸パープルの糸を使っているため、縦糸横糸をうまく組み合わせるとこんな風合いの生地になるんです。
でもこの生地を企画した機屋さんは凄いセンスの持ち主ですね。
当社も長年生地の企画をやっていますが、なかなかこんな色は頭で考えたって出来ないですよ!

....とまあうんちくはさておき、このスーツ色もさることながら格好いいデザインも皆さん必見です。
特徴は4つ

(1) 異常なまでのボディコン
 画像は東京SHOPMASTERが着用していますが、元々このスーツは私のではないので身体にあっていませんのでこの点はお許しください。
が!このウエストのライン・・・ぐっときませんか?
一方、上着の裾の方は逆にフレアー(広がっている)になっているのでウエストの絞りが一層強調されて・・・
メンズじゃなかなかセクシーという言葉は似合いませんが実にセクシーですね!

パンツも細身&ウエスタン風
 細身のパンツが最近20代の方の間では流行っていますが、それでも普通はズボンの裾幅で21〜22センチぐらいまでが一般的ですが、オズワルドの場合は20センチでした。
凄い細身ですね。足が細くて長ければ自分でも着れるんですが・・・(でも頑張ってきてみました!)
またポケットも必見です!
Gパンのように横置きになっていてオシャレ!
最近20代の方にこんなウエスタン風のデザインが結構流行ってるんですよ。
ノータックでウエスタン風ポケット痩せている人にはオススメです!

(2) ハイゴージ
 襟の幅が細いため強調されすぎの部分もありますが、オズワルドのスーツはどれも襟の位置が高いハイゴージのデザインですね。
襟が背中に抜けていてこれまた格好いい!
今年(2001年)秋冬から30代の人にはハイゴージが流行するのでは・・・と考えている私には本当に魅力的なデザインのスーツです

(3) シングルピーク襟
 最近のシングルスーツでピーク襟(ダブルのスーツの襟のように尖ったもの)にしたデザインが日本でも流行し始めていますがオズワルドのもこれでした。
でも先に説明したようにオズワルドはハイゴージである事と襟幅を狭くしてある事のため、国産のスーツとは似て非なる物、国産には絶対真似の出来ない斬新なデザインです。

(4)裏地がまたド派手!
 オズワルドの裏地は何といっても「派手」!
紫色のスーツで裏地がオレンジ!皆さんこんな色のスーツ見たことあります?
 でもこれは単に奇をてらったものではなく綿密なコーディネートの計算の上に行っています。
というのは表地は確かに紫だけれど、実は 前述の通り生地が玉虫色で隠し色に「オレンジ」が入っていてこれに裏地を色合わせしているんです。
 なんという発想!さすがです。脱帽しました!

ところで仕立ての方は?
 仕立屋である当社にとって最も興味があるのがやはりオズワルドの仕立て具合
国産のもそうですがデザイナー系のスーツは「デザインは良いんだけど、仕立がね・・・」ということが多いのですが、オズワルドはどうでしょうか?

◎生地・・・モヘヤ混の良い生地を使っていました。ポリエステルもかなり入っていましたが発色を良くするためにはやむなしですね。
◎ステッチ・・・AMF(ピック)ステッチが要所要所に入っていてGOOD!
◎芯地等・・・さわった限りでは全く問題ないですね。しっかり出来ています。
◎裏地・・・サテンという丈夫な生地でした。
◎ボタン・・・高価な貝ボタンでした。これって水牛ボタンよりずっと高い物です。(悔しい!負けた!)
 さすが16万円もするスーツだけのことはありますね。
同じ価格帯の某ア○マ■ニとは縫製への意識が違いますね。この辺が職人を多く抱えるロンドン・サヴィルロー出身だからなのでしょうか?

 とまあ、こんな斬新なスーツがただ今東京店で(無造作に・・・)展示中です。
 無造作なところが当店らしい?


ところで、どうして手に入ったかというと・・・
 実はとある芸能人のステージ衣装を依頼されたときの見本服として預かりました。
(当サイトをよく見ればすぐ誰のだか分かりますがここでは検索エンジンでひっかかるのでヒミツ!)

 プロダクションの方は、デザインはこんな感じに仕立てて欲しいのだけれど素材がもっと耐久性の良い物でないと×とのことでした。
ちなみにオズワルドのスーツはモヘヤ混の生地でしたので汗や水に弱いですし、裏地がかなり肉厚な生地を使っていたので、ステージ衣装ではライトの具合で熱を受けるためこのまま着ていると暑すぎるのです。(ステージは特殊なのです。)
 こちらはプロダクションの了解を得てからアップしますね。(多分9月頃です)

 さてさて、この見本服はどうやら頂いてしまっても良いようなので自分のサイズにお直しして自分用にしちゃおうかな〜
でもどこでコレ着るの???