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オーダースーツのヨシムラ
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 講演会に出ました!
 東京のテーラーさんの最大組合である東京都洋服商工協同組合で先日(8月28日)講演会の講師をしてきました。
当日は北は盛岡、西は京都・大阪からもお越しになる方がいらっしゃいまして、総勢関係者を含めると170名位のテーラーさんが一同に集まりました。

そんな中、私は「インターネットと注文服」というタイトルで講演をいたしましたので、その要旨とテーラーさんの反響を読者の皆さんにご紹介したいと思います。
会場スナップ
≪ 私のお話しした要旨 ≫
  1. 感性を売り物にする「オーダー服の販売は今までインターネットでは適さない」と言われてきましたがアイデアとやる気次第でできます。

  2. 消費者の皆さんは情報を求めているので、無料でためになる情報」「楽しい情報」を出し続ければきっとお客様は見てくれます。
    (独りよがりの自己満足的HPは手間暇がかかるだけ無駄です。)

  3. レジュメただ、インターネットは良い評判も口コミで広がりますが、逆の悪評も広がりやすい『両刃の剣なのでクレーム対応には従来以上のデリケートな対応が必要です。

  4. NET上でのコンペティターが増えることは嬉しいことだと思います。
    NETでのオーダー店が業界として認知されるためには良きライバルが増えることは望ましいことです。

  5. ただし、オーダーがオーダーであるためには、その命である『採寸』に手抜きをして欲しくありません。
    よく『今着ている服を送ってくれればそこから採寸』とか『メジャーを送るのでご自身で測って』という店がありますがこれだけは絶対にしないで頂きたい。
    (これじゃどこかお店の悪評が業界の悪評になりかねません!)

  6. NETで遠地からのご注文があったら当社の提携店を利用すれば、全国どこからでも注文を受け付けられる体勢があるので遠慮なく利用してください。

とまぁ、こんな話を1時間ほどしてきました。

≪ テーラーさんの反響 ≫

 講義を聴きに来られた方の年齢は、平均すると50代後半位でしょうか。
中には、私の父よりもご年輩の方もいらっしゃいました。
ですから、初めは『若けえ者が生意気に・・・』といわれたらどうしよう。とか内心ビビっていたのですが、皆さん凄く熱心に私の話に耳を傾けてくれました。(本当に感謝します。)

 皆さんの反響をお話しする前に、実は講演に先立って、聴衆の皆さんに壇上からアンケートしました。
伺ったことは・・・

インターネットを見たことがありますか? YES 約85%
パソコンを家族等身近な人を含め持っていますか? YES 約80%
E-MAILを使用したことがありますか? YES 約70%
HPをお持ちですか? YES 約10件(さすがに少ない!)
 皆さんもそうだと思いますが、街のテーラーさんのイメージって『古くさい』『ジジ臭い』『頑固親父っぽい』『自分とは世界が違う』....etcと思われると思いますが、実は街のテーラーさんも新しい物を取り入れようと必死になって頑張っているんですね。
私もこんなに普及率が高いとは思っていませんでしたのでこの点はちょっと驚きました。
その上で皆さん一生懸命私の話に耳を傾けてくれ、講義の後に次のようなご意見ご質問を頂きました。

どうすれば消費者ニーズを捉えることができるか?
インターネットは匿名性があるので、意見の出やすいオープンな環境を作れば色んな意見が寄せられます。
またお客様から寄せられた意見を逆にWebで紹介すれば同じような悩みのある人にも悩み事の解消になることもあり相乗効果がでるんではないでしょうか。
今までは店が「コレを売りたい」という形での店のエゴが出ることが多かったですが、お客様のご要望を充分聞くことができれば、我々はオーダーなのだから消費者ニーズに合わせたモノ作りができるのでは?
メールの活用は重要で、メールで信頼関係が築けるかどうかに全てかかっています。

テーラーや専門店向けの卸売を長くしていた吉村(株)は我々テーラーからお客さんを奪うのか?(卸が直販して良いのか?)

当社のインターネットのお客様の60%以上がオーダースーツ未経験者または初心者です。
これは、消費者の皆さんがわずかでも既製服業界からオーダー服業界へ回帰していることを意味しているので、広い意味ではテーラーさんの為になると思います。
その上で当社は最終的には消費者の皆さんがオーダー服へ回帰して頂けるようなオーダー服業界の広告塔になりたいと考えているので、当社の直販は目をつぶっていただきたい。

ちいさなテーラーは独自のサンプル帳を作成したり、HPを作ったりするのに限界があるので協力して欲しい!

協力はいくらでもしますが、一番大切なのは自分が勉強すること。甘えは禁物です。
どんなにハイテクで武装してお金をかけてもお店の魅力を出すのは皆さん次第、ローテクでもアイデアを出すことがお店の為に大切なのではないでしょうか?

NET通販で一番大切な物は何ですか?

メールのやりとりでそこから信頼関係が築けるかどうかだと思います。
お陰様で当社は固定客ができ消費者の皆さんからご愛顧頂けるようになりましたが、私や他の担当者が出すメールの質や頻度が落ちて、お客様のご要望にクイックレスポンスで応えられないようになったら、すぐ消費者に見放されると思います。
でも、これはある意味では非常に常識的なことをするだけです。
質問を頂いたら真面目に答える』年賀状を頂いた人にお返しするのと同じです。
あとはちょっとだけウィットを利かせて個性を出せば良いのではないでしょうか?

 読者の皆さんいかがでしょうか?
こうやってテーラーさんの考えを聞くことはなかったのではないでしょうか?
私は自分が講演したことを自慢するつもりはありませんが、こうやって読者の皆さんにテーラー・専門店がこんな事を考え、こんな状況なのだ!ということをご紹介したいと思い今回は筆を執りました。

今後当社は提携店をドンドン増やしていきたいと思っていますが、その中で『個性的な店』『魅力のある店』はどんどんWEBでもご紹介したいと思います。
その時には、読者の皆さんもそんな『魅力のある提携店』さんを是非ご覧になってください。

ところで
あるテーラーさんからその日の晩に早速こんなご感想メールを頂きました。HPもお持ちですので是非ご覧下さい。


01.08.28 件名:本日の講演会、ありがとうございました
吉村さん
本日、名刺交換させていただいた、安積です。
ネット販売での第一人者の生の声を聞けて大変嬉しく思いました。
また、ちょうど私と同年代の社長さんで、考え方もほぼ同じですのでこれからよろしくお願い申し上げます。

私は、従来の洋服屋とは、違います。
吉村さんがおっしゃっていた悪しき慣習を徹底的に破壊し、会社の構造改革を推し進めてまいりました。その点共通する部分が多々あります。
是非、一度膝を交え意見の交換をさせていただきたく、メールをいたしました次第です。
明日は、午後二時に絶対に抜けられない用事がありますので不可能ですが、その他平日ならば、何とかいたしますので是非お会いできないものでしょうか?
お返事をお待ちしております。

Fashion AT Men's
ファッションディレクター 安積 武史
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