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良い本を見つけました! |
東京SHOPMASTERは月に一度大阪店へ出張するのですが、新幹線での3時間を如何に有効に使うかでいつも悩みます。 そんな時はいつも、初めの1時間は「寝る」(日頃から結構寝不足なので・・・)、次の1〜1.5時間は何か「読書」そして最後に外の景色を見るようにしています。 これまでに読んだ本は『沈まぬ太陽』『大地の子』をはじめ山崎豊子女史の長編小説から皆さんおなじみの『MEN'S EX』、はたまた『ナニワ金融道』の漫画までかなり広範囲です。 そして今月の出張時に読んだ本は、東京店のあるお客さま(実は大手町のお役人の方)からお勧めされた本でした。 お役人と聞くと失礼ながらファッションにはあまり興味のない方が多いのでは・・・と勝手に先入観を持っていたのですが、この方凄いファッション通で、本当に凄い本を紹介してくれました。 本の名前は『GENTLEMAN Fashion−紳士へのガイド』 著者はベルンハルト・レッツェル氏(恥ずかしながら初めて聞くお名前でした) そこで今回はこれまでの新着情報とはちょっと雰囲気を変え『アカデミック』に本のご紹介を致します。
内容はというと・・・
全てをご紹介することはモチロンできませんので、その中で私の印象に残ったスーツに関する部分のいくつかをご紹介します。
<1>ブレザーの由来 1.ケンブリッジ大学ボート部のジャケットに由来するという説 2.英国海軍「BLAZER号」から起因するという説
多分、日本で語られる『ブレザー』の由来というのはこの2つのどちらかに由来すると語られていると思いますが、この本では、2つの説なんて関係なし、次のようにしっかりと言い切っていたのが印象的でした。
<ダブルのブレザー>
<シングルブレザー>
どうです。皆さん、アングロサクソン系の人たちはスーツの伝統を生み育てている歴史があるのに対し、我々日本人は所詮、スーツって外来文化なんですね。
日本ではあるいは日本人には推測でしか物事(スーツ)を語れないところが残念な反面、スーツの文化の奥深さを感じさせます。
そして次の逸話
ちなみに物の本を調べてみると次のように記述しています。
つまり、簡単に言うと、クラシコイタリアというのは特段のデザインがあるわけではなく、高度な縫製技術のもとに仕立てられた芸術的なスーツということではないでしょうか? |
この本で紹介しているイタリアの職人テーラー
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落合正勝氏がいうクラシコイタリア19社
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さてさて、本題に戻りますと、この『クラシコイタリア』についてこの本が述べていることは何かと言いますと、厳密に言うと「クラシコイタリア」の定義はしていませんが、イタリアンとブリティッシュの違いについて比較していますのでそこを引用してみましょう。
イギリス人・・・
なるほどイギリス人のスーツ感っていうのはあくまでも「オフィシャル」感が重要で、自分たちもスーツに着せられていることを前提に、苦しいスーツに気合いを込めているんだな〜。
一方で
このような人種的なあるいは文化的な違いからイタリア人は「選び抜かれた」「洗練されている」「エレガントな」スーツを求めるため必然的に洗練された裁断と優れた縫製技術のスーツを求め続けたため、これに適応した上述19社が出来上がり、これをクラシコイタリアというのだそうです。
その他、もはやシーズン遅れ(原稿作成時3/3)になってしまっていますがこんな逸話もありました。
気の利いた高級ホテルではクロークでコートを脱着するのを手伝ってくれるところがありますが、こんな事を考えたこと皆さんありますか?
またこんな事も続いて書いてありました。 どうですか?皆さん、私のつたない説明、また誌面の関係で十分な説明はできませんでしたが、ちょっと『目から鱗』ではないでしょうか? 私自身、スーツの源流がどこにあるのか?等には興味もあり、勉強していますが、所詮それはあくまで外様大名で、紋付きは竈を着ていた日本人がスーツの何たるかをウンチクしてもその文化で生まれ育った人たちには全く歯が立たないな〜と思いました。 でも本の素晴らしいところは、この素晴らしい文化を部外者にも知らしめることが出来ることではないでしょうか? ちょっとイタリア人の気分やイギリス人の気分になれました。 |