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オーダースーツのヨシムラ
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 ブリオーニ!発見!
BRIONI  オーダースーツの販売をしていて一番辛いのが『お客さまのイメージを如何に自分のイメージに変えていくか』ということですが、多くの場合 皆さんファッション雑誌の切り抜きや見本服をお持ちになってご説明頂くケースが多いです。
 つい先日も見本服をご持参になってご来店されたNさんがいらっしゃいました。
Nさん:このスーツが気に入ってるんだよね。
荒井君:拝見してよろしいですか?

・・・だいたいこういった場合は、シルエットの他仕立てのレベルとか縫製工場のタグがないか調べてみます。
今回のスーツも見てみると・・・
 ブリオニ? ブリオーニ!!』
「お客さん凄いスーツお持ちですね!!」いやいや大興奮です。
☆★☆ SHOPMASTERより一言・・・
 ブリオーニをご存じでない方へ
 ブリオーニは、最高級の素材とハンドワークを随所に使った文字通りクラシコ(「最高水準の」という意)イタリアの原点、クラシコイタリア加盟店19社の中で、一番高い評価を受けている会社の一つです。
そこの仕立てたスーツは伝統的なテーラーのハンドメイド手法を取り入れながらもそれを工業的生産レベルで量産し、一躍世界で脚光を浴びた高級プレタポルテの最右翼です。
またその人気は特にNYで強く、世界中の芸能人他 数多くの優良顧客を抱えています。
今回はそんなブリオーニの魅力を解剖!(もとい)研究してみたいと思います。
(以前2プライススーツの解剖をしましたが今回のはお客さまのスーツの預かりですから解剖は出来ません。念のため)
さて、さて、ブリオーニスーツの写真を掲載する前に皆さんにブリオーニの魅力からご説明しましょう。
(初めにお断りいたしますがこれから記述することは落合正勝氏の著作「クラシコ・イタリア礼讃」((世界文化社1800円))で述べられていることをベースに書かせていただきます。
詳細は氏の著作をご覧下さい。)
ブリオーニがブリオーニたるエピソード
エピソード1・・・ピアースブロスナンとショーンコネリーどちらが背が高いか?
 007ボンド役で有名な2人ですが、ピアースブロスナンは「ゴールデンアイ」でブリオーニのスーツを着て出演したとのこと。
落合氏はこの質問をブリオーニのデザイナーに質問され
「ピアースブロスナンの方」と答えたそうです。
実は私も映画のイメージから同じようにピアースブロスナンの方が背が高いと思いました。
でも、正解は「ショーンコネリー」

スクリーンの上で背が高くスマートに見せる』それがブリオーニの『スーツバランス』です。

・・・凄いことですね。
ちなみに画像はNさんのスーツを当社スタッフ荒井君に着用してもらいました。
荒井君はもともと背が高いのですが、やはりすっきり見えます。
絶妙にビルトした肩のラインが芸術的です。
この肩のラインはイタリアというよりむしろブリティッシュなイメージに近いですね。

エピソード2・・・手縫いのボタンホール
 ブリオーニはハンドメイドの職人技術を使いながら既製服として工業生産化したことで一躍有名になりましたがこれは言い換えればミシンを使わないで手縫いで既製服を作るというもの。
氏によればブリオーニの仕立ての80%がハンドメイドで残りがマシンメイドだそうです。
既製服は中国で「がー」っと大量に縫製するというのが主流の現代では考えられないような非合理的なことをしてきますね。(かなり乱暴な説明です。念のため)
それではプレタポルテ(既製服)でありながらどの辺がハンドメイドなのでしょうか?検証してみましょう!
ボタンホールに注目してみました。
<<画像をご覧下さい。
茶色のストライプの生地がブリオーニ、もう1着が当社で仕立てたスーツのボタンホール。
形の違いが分かりますか?
一見すると正直言って不均一な形をしているのがブリオーニのボタンホール。
『へ〜、意外に不格好なんだ〜』なんてお思いの方います?
そんなんじゃダメですよ!
この一見すると見慣れない形のボタンホールこそが、手縫いの証なのです。
テーラーリングというのは全て整然としていれば良い物でもなく、こういった不均等さがハンドメイドの良さなのでしょうね。
・・・でもこのボタンホールを今の日本の消費者に提供したら多分大多数の人には受け入れられないと思います。
ブリオーニだからというのと、分かる人のみが選ぶことの出来るブランドだからなのでしょう。

エピソード3・・・柄合わせ
 普通柄合わせというと、ストライプの生地などの柄物を上襟と下襟で綺麗に柄を合わせることを言います。
また、これが如何に丁寧に行われるかで仕立てのレベルもある程度把握できるというもの。
悪い表現ですが、粗悪な縫製のスーツには柄合わせは全く出来ていないといっても過言でありません。

それでは、ブリオーニ流柄合わせとは何か?
もちろんブリオーニは柄をキチンと合わせる。でもそこには技術に裏付けされた遊び心や計算されたこだわりがあるとのこと、
例えば2重ストライプの生地の場合どうするかというと、「柄を故意にズラして交互に合わせ」たりするそうです。
どれどれ・・・画像を見てください。>>
まさにその通り
さすがですね。
この自信と遊び心を持ったこだわりがブリオーニの真骨頂、落合氏がべた誉めするわけです。
 その他にもブリオーニの柄合わせは、例えばストライプ柄の生地の場合、上襟はストライプが縦に来るようにするのがセオリーなのにも関わらず全く逆に横にストライプが来るようにしたりもするそうです。こんな遊び心良いですね。

ところで画像は荒井君に着用してもらった図ですが、実は彼は怒り肩が激しくて当社で仕立ててもどうしても「ツキジワ」が取れずいつも非常に仕立てに苦労する人です。
そんな彼が人様の物であるブリオーニを着用すると、なんとあれだけ苦しんでいた「ツキジワ」が全く出ないではないですか?
もちろんこのスーツは彼自身のものではないので、これは偶然と思いますが、それにしてもブリオーニ素晴らしいです。

どうですか?皆さんブリオーニで1着なんて・・・(他社を宣伝してどうする?)

その他ちょっと気づいたこんなコト!
●ベンツが深い!!
 お預かりしたブリオーニの上着と体型が同じ荒井君の上着のベンツの深さを比べてみました。
当社の通常のお仕立てでは24センチ位(身長にもよります)ですが、ブリオーニのは29センチでした。
画像で見るともっとよく分かるかもしれませんが、ベンツが深いですよね。
こんなところにもブリオーニのこだわりがあるのでしょうか?