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オーダースーツのヨシムラ
新着レポート

 ドレスアップについて
結婚披露宴で祝辞を述べるのですが、折角なので単なる礼服でなくセンスの良い洒落た上下ってありますか?
友人の結婚式〜披露宴〜二次会に出席することになり、ブラックスーツを仕立てたい。
結婚式はホテルで家族だけの食事会、その後親戚を集めた披露宴といった感じで格式張らないお披露目会の時はどんな服が良いですか?

秋のブライダルシーズンを迎えるこの時期は、このような結婚披露宴などのお祝いの席での装いについてのお問い合わせが目立ってきます。
礼節を守るフォーマルなシーンでは、マナーなどと同じように細かなルールがありますので、時と場所に相応しく、相手に失礼のない装いを知らないと戸惑ってしまうものですよね。
普段着ない物だけに皆さん悩みは尽きません。

そこで、当店ではこれまでもフォーマルなスタイルについて新着情報お客様いらっしゃ〜いコーナー等で度々ご案内して参りましたが、今回は特にお祝い事(慶事)の装いについて個別のケースではなくフォーマルの一般論として改めてご案内したいと思います。
< 参考URL >
□お客さまいらっしゃ〜い関連□
今時の礼服事情(大阪編)
ご婚約おめでとうございます!!
ブライダルのシーズンです!

□新着情報関連 □
フォーマルを普段着にリフォーム?
上手な礼服の選び方は?

皆さんもいくつかはお読みになられたことあるんじゃないでしょうか?

さて、それではフォーマルの一般論からご案内します。
フォーマルな装いには、まずその式典がどんな時間帯に行われるのか?ということがとても重要です。まずは下の表をご覧下さい。

昼間
夜間
 正礼装  モーニング 燕尾服
 準礼装 ディレクターズスーツ タキシード
 略礼装 ブラックスーツ・ダークスーツ ブラックスーツ・ダークスーツ

このように、まず昼間の礼装夜間の礼装のどちらなのか?ということが最重要で、その上に正礼装準礼装略礼装という格式や立場による服装規定があります。

普通の方には、正礼装や準礼装のタキシードモーニングディレクターズスーツ燕尾服などをお召しになる機会は滅多にないかと存じますが、急な話でこういったことがあり戸惑ってはいけませんから、折角ですのでここで簡単に触れておきましょう。

昼間の正礼装:モーニングコート

格調高い結婚式・披露宴の新郎や媒酌人、新郎の父親や、記念式典の主催者代表や主賓、公式行事(叙勲・園遊会)、告別式の喪主・葬儀委員長などの昼間に催される格式の高い式典などに着装。
膝までのテール(尾)の付いたシングルピークの1ボタンの上衣にコールパンツ、白黒の縞柄やシルバーグレーのタイに、グレーかアイボリーのベスト。
なお、昼間の結婚披露宴で花婿がよく着ているグレーのモーニングコートは、アスコットモーニングと言います。

昼間の準礼服:ディレクターズスーツ

昼間に行われる一般的な結婚披露宴、祝賀会などの主要な立場の方、新郎の上司などの主賓クラスの方に相応しいスタイルです。
黒の上着に、シルバーグレー系のベストとモーニングにも用いられるコールパンツのスタイル。

なお、モーニングやディレクターズスーツに用いられるコールパンツには、グレーの縞柄の多い明るめの生地から、黒の縞柄が多いダークな生地まで様々な種類がありますが、慶事には明るめの縞柄を、弔事には暗めの縞柄をお召しください。
(コールパンツの生地はサンプル帳にはご用意ありませんが必要な方は別途お申し付け下さい。)

夜間の正礼装:燕尾服(イブニングコート)

公式の儀式や晩餐会や、格調高い結婚披露宴・観劇・舞踏会・音楽界など夜間に催される最高の格式のセレモニーなどに着装。
招待状に「フルドレス」や「ホワイトタイ」と指定があった場合、この最上級の正装を着用します。

拝絹のピークドラペルにテール(尾)が付いた上衣に、2本の側章と呼ばれる飾り線がついたパンツに白ピケのベスト。

夜間の準礼服:タキシード

英国では「ディナージャケット」、米国では「タキシード」、フランスなどヨーロッパでは「スモーキングジャケット」と呼ばれます。

デザインは、シングル2つボタンのヘチマ衿(ショールカラー)かピークドラペルが一般的。
夕方から夜間に開催される結婚披露宴・公式晩餐会・音楽会・観劇の初日・各種式典・パーティーで着用。
招待状に「ブラックタイ」指定があった場合に着装。

光沢のあるサテン生地が衿にあしらわれているタキシードは、側章が一本のパンツに、黒の蝶タイ(ボウタイ)とカマーバンドが正式です。


★☆★ ちょっと脱線・・・ 西海岸的TUXとは? ★☆★
夜の準礼装として幅広く認知されているタキシードですが、正式なスペルはTUXEDO、略してTUXと言います。
日本では結婚式や華やかなパーティー以外ではなかなか着る機会に恵まれないこのタキシードですが陽気なアメリカ人はタキシードもドレスダウンして楽しんだりします。
西海岸的TUXというのは私が勝手に付けた名前ですが、例えばハリウッド男優などはジーンズの上にタキシードを着たり、一般の人でもパーティー慣れしているアメリカ人にとっては準礼装→「フォーマルな場以外では着れない」という事ではないようです。

当店でも一部の洒落者のお客様はこの夏、画像のようなタキシードを仕立てられました。

素材は何だと思います?
なんと!>>> リネン(麻)です!

こうなると準礼装だか何だか分かりませんが、そのお客様が、真夏のプールサイド パーティで着るお洒落な物を...、麻などをオススメしてみました!
こんな肩の凝らないタキシードも参考にしてみて下さい。

さて、本題に戻りまして、ご参考までに上述の正礼装・準礼装スタイルの当店でのお値段を簡単にご案内いたします。

 燕尾服  20万円〜(仮縫いつきフルオーダー)
 燕尾服はさすがにイージーオーダーではどこでも扱っていません。
 モーニング  70,000円〜100,000円
 タキシード スーツ価格 + 10,500円 意外とお買い得♪
 コールパンツ単品 24,000円前後
 オッドベスト 15,700円〜
 (略礼服) 45,000円〜 礼服サンプルより
 (ブラックスーツ) 43,000円位〜 通常サンプルより

格式の高い装いについては上でご案内させていただいた通りですが、次に、日本におけるフォーマルなシーンで圧倒的に着用する機会が多い略礼装について考えてみましょう。

□■□ 略礼装のグローバルスタンダード □■□
我々日本人にとって一般的な「略礼装」といえば、ご存知の通りブラックスーツですね。
白ネクタイで慶事に、黒ネクタイで弔事に、着まわすことが出来る合理的なスタイルですが、実はこれは日本独特の礼服事情でして、海外では全く通用しない習慣です。
グローバルスタンダードからすると、ブラックスーツ弔事用慶事にはダークスーツを着るものとされておりますので、海外でのパーティーなどに出席される場合には、この点をご注意ください。
ちなみに、ダークスーツとしては昼間はグレー系、夜間は濃系の無地がより相応しいですね。

それではここで、正礼装・準礼装から略礼装のダークスーツまで、フォーマルとして代表的な生地を幾つかご紹介いたします。

□■□ フォーマルに相応しい生地 □■□
「モーニング」「燕尾服」「ディレクターズスーツ」「タキシード」などの正礼装・準礼装に相応しい代表的な生地は、鹿革のような表面を持ちモーニングに相応しいとされる「ドスキン」、「タキシードクロス」、「カシミアクロス」などがあります。

当店では年間を通じて日本毛織社製のサイバーブラックに人気がありますが、これは濃染加工によって黒の濃さが極めて深く、冠婚葬祭の全てにお召し頂けることから人気があります。
これらの生地は、画像の「礼服サンプル」にてご案内しておりますので、フォーマルスーツをお考えでしたらどうぞお気軽にご請求下さい。

一方、慶事などに略礼服としてブラックスーツやダークスーツをお召しになる場合は、重厚感のある礼服用の生地も良いのですが、無地であれば通常の季節のサンプルに掲載されている生地もお勧めです。
当社ではイタリア製生地の細番手の生地を筆頭に、国内外の優れたメーカーによるブラックスーツ・ダークスーツに向いた無地シリーズをご用意しておりますが、それらの華やかな光沢感や、柔らかさな仕立て上がりがとてもドレッシーです。
画像は左側がゼニア(トロフェオ)の黒無地、右が国産ですがシルク混でシャドーストライプを配した素材。どちらも光沢感が強くお洒落です。

□■□ 略礼服をドレスアップ □■□
シングルスーツをよりお洒落にドレスアップするデザインとしては、ダブルの衿で使うようなピークドラペル。
トレンドとしても注目されているこのピークドラペルのデザインは、シングルのスーツにダブルのスーツのような貫禄とドレッシーさが加わります。
また、Vゾーンも深くなりつつある傾向にあり「2ボタン(1ボタン)」にも再び注目が集まっていますが、その開いたVゾーンに「ベスト」を覗かせて華やかさを演出してみてはいかがでしょうか?
ブラックスーツやダークスーツなどの略礼服でも、「ベスト」というフォーマルに重要なアイテムを身につけることでグッとドレスアップ致しますよ。
生地は、オーソドックスなライトグレーのウール素材の他に、シルバー系のシルク素材なども良いですね。

最後に、フォーマルシーンに相応しい「シャツ」についてもご案内いたしましょう。

□■□ フォーマルのシャツは白が基本です □■□
フォーマルなシーンでは、白無地のシャツが基本ですが、更に言いますと光沢感のある細番手のものが理想です。
また、白であればドビー織ヘリンボーンなどの織り柄が入っていても構いません。
衿型は、レギュラーカラーが基本ですが、正礼装や略礼装に用いられるウイングカラーを略礼装に用いたり、ピンホールカラーなども素敵です。
2次会などのリラックスしたパーティーなどでは、デュエボットーニなどのシャツをノーネクタイスタイルで着こなしても良いのですが、ボタンダウンのようなカジュアルなもの以外ならばお好きなもので構わないでしょう。

そして、ドレスアップの仕上げに、白やシルバーなどの「ポケットチーフ」の一挿しと、「カフスボタン」などのアクセサリーもあると良いですね。
カフスも礼装に近い場合は、黒蝶貝なんかのフォーマルカフスを使い、そうでないリラックスしたパーティーではいっそのこと、茶目っ気のある小洒落た物なんかが最適です。

□■□ 最後に □■□
ブラックスーツやダークスーツなどを略礼装としてフォーマルシーンにお召しになる際、正礼装や準礼装に用いられるような、ベストやシャツ、タイなどのアイテムやアクセサリーを用いることでドレスアップが愉しめます。

また、何よりも周りの人への敬意や配慮だけは身につけることを忘れないようにすることが大切です。