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オーダースーツのヨシムラ
新着レポート

 ネクタイについて
今年の冬は厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?

さて、今回の新着情報では、スーツには必要不可欠なアイテムであるネクタイを取り上げたいと思います。

当社では取り扱いはありませんが、スーツには重要な要素ですのでそのポイントについてご案内いたします。
まずは...
■□■ ネクタイ(necktie)のルーツ ■□■

クラバット(cravate)ともいいます 〜
フランス・イタリア・ドイツなどでは、ネクタイ(necktie)のことを「クラバット(cravate)」と呼びますが、これは17〜18世紀のヨーロッパで着用されていたスカーフ状の装飾物(布)がこう呼ばれていたことに由来します。
「クラバット(cravate)」は、17世紀中頃のフランス宮廷の貴族(ルイ14世)が、同盟国であるオーストリアのクロアチア(Croatia)兵が首もとに巻いていた布を、宮廷ファッションに取り入れたことからその名が付いたとのこと。
クロアチア人兵士の首もとを統一している布に、力強い戦意を感じたからだそうです

また、ネクタイのルーツは首飾り的なアイテムであるとも考えられます。
首飾りは、太古の昔からその人の立場を表したり、守護的・呪術的な意味も込められていましたから、ネクタイには自然とその人の人格や知性を端的に現わすものとして正に男の第二の顔となっていたのです。

その後、ファッションが流行や時代背景に動かされながら、クラバットの形状や巻き方・結び方なども多様化しました。
1850年代には蝶ネクタイ、1870年代にはアスコットタイが生まれたのですが、様々に変遷していく中で、1890年代に生まれたフォア・イン・ハンド(four-in-hand-tie)と言われる現在のネクタイのスタイルが確立しました。

この「フォア・イン・ハンド(four-in-hand-tie)」という呼称の由来は、四頭立て馬車の御者が手綱さばきに便利なように考えた結び方などと言われておりますが、それではここで、基本的なネクタイの結び方についてご案内します。

■□■ ネクタイの結び方 ■□■


スーツのVゾーンを決めるのは、良くも悪くもネクタイの結び方次第。
結び方の基本は「シャツの襟型によって結び目の大きさを替える」ということ。
襟の開きがワイドな場合の結び目は大きめ、逆に開きが狭いものは結び目を小さくするような結び方を決めます。

ネクタイの結び方には、多彩な種類がありますが下記の3種類が基本的な結び方です。


  プレーン・ノット
最も小さな結び目となるこの結び方は、一番使用頻度が高く、アイビーやアメリカントラディショナルの小さなシャツ襟に向いています。
半面、デメリットとしては、一重結びのため緩みやすいといった面がある。



  セミウインザーノット
結び目の大きさは中庸なので、ほとんどのシャツに対応することが出来る。
プレーンノットよりはボリューム感を出すことが出来る。



  ウインザーノット
最も大きな結び目が出来るので、ワイドカラーのシャツに相応しい結び方。
締りが良く、型崩れしないのが特徴。



ディンプルは?
結び方とはちょっと違いますが、ネクタイを結び目の下に作るディンプル(くぼみ)についてちょっとだけ。
ディンプルが出来るとネクタイに立体感が出来ます。

このディンプルは、ちょうど人差し指で押さえながら締めますと簡単に作れますが、いくら仕事が忙しくてもネクタイが緩んでいたりしていないか?ディンプルは綺麗に入っているのか?時々鏡を見るような余裕があると良いですね。
なお、ネクタイを結び下げた時の適正な長さは、長くても短くても良くありません。
大剣と小剣がほぼ同じ長さになるような状態で、ベルトのバックルの上端〜バックルの中央部になるようにすることがお勧めです。
この辺りは、ネクタイの長さや、芯の厚さ・結び方の違いで異なってきますので、なかなか一概に結ぶことは出来ないのですが、やはり一回で結べるようにならなくては伊達男とは言えないでしょう。

また、ネクタイの幅については、太くなったり細くなったりスーツの流行によって左右されているのですが、原則としてネクタイの幅は、スーツの襟幅と同じであるとバランスが良いです。
ですから、現在の平均的なスーツの襟幅は約 8.5cmですので、ネクタイの幅も 8.5センチ位が主流になっています。

昨今は、襟幅が細いスーツも見受けられるようになりましたが、併せて細い幅のネクタイも揃えたいものです。

■□■ スーツとのコーディネートについて ■□■

〜 ネクタイは自分を表す 〜
スーツとネクタイとのコーディネートの基本は、スーツに対して
1.同系色の濃淡、もしくは 2.反対色を使うこと。
1.はシックに、2.は派手な感じになりますが、ネクタイの色柄はその日の心理を表しているアイテムですので、コーディネートを決める際は、どのネクタイにするのか?ということから考えたいものです。

また、ネクタイの色柄には、ソリッド(無地)・ストライプ柄・チェック柄(格子)・ドット柄(水玉)・紋章柄・ペイズリー柄・プリントなど様々なものがあります。

ソリッド(無地)
「ネクタイは無地に始まり、無地に終わる」という言葉があるほど基本中の基本の柄。

ストライプ柄
ネクタイでは最も多く利用されている柄です。ダブル、マルチ、オンブレ、レジメンタル、バーチカル、ホリゾンタルなど、ストライプの種類は数限りないほど。

ドット柄(水玉)
水玉の大きさは小さくなる程、ドレッシーな印象になります。
ピンドット、ポルカドット、コインドットなどあります。

チェック柄(格子)
タータン、マドラス、ギンガム、ウインドーペン、ハウンドトゥース、シェパードなどは、伝統的な格子柄の一つです。
スポーティーでカジュアルな印象のあるチェック柄同士のコーディネートは、結構難しいもの。
上衣がチェック柄ならばネクタイはチェック柄にはせず、無地のネクタイで締まった印象にすると良いです。

紋章柄
家、氏族、クラブ・団体などの紋章を柄としたもの。
よくクラブチームなどで統一したネクタイを使いますが、トラディショナルな雰囲気が出ます。

ペイズリー柄
エスニック調の柄。
19世紀初めに、スコットランドのペイズリー地方で、この柄のエスニック調のカシミヤ・ショールが作られたことから有名になった柄。

最後は...

■□■ネクタイのお手入れについて■□■

〜 シミの処理は素早く 〜
ネクタイは、服装の中で最も目立つ部分に位置しておりますので、ちょっとした傷やシミも目に付きやすいもの。
うっかり汚して致命的な傷が付いてしまったり、クリーニングでも取れないシミがついてしまったならば諦めて捨てるしか方法がありませんので、いつも慎重に取り扱いたいものです。

ネクタイの中で、汚れが付きやすい部分は「結び目」です。
特に夏場は結び目が首筋からの汗や皮脂を吸い、ネクタイが汗シミになったり、淡い色のネクタイなどは黄変することもありますので、首筋の汗などはこまめに拭きたいものです。

例え汚れが付いても『直ぐに適切な処理を』してあげれば、大抵のものは取れます。
まず汚れをティッシュやハンカチなどで、汚れやシミが広がったり、型崩れにならないように、擦らないで軽くたたくよう吸い取って下さい。
次に絞ったぬれタオルで軽くたたき応急処置をします。
汚れが染み込んでしまう前に出来るだけ早くすることがポイントですが、ネクタイの主原料であるシルクは水分で色が落ちやすいので余り水を付け過ぎないようにすることが必要です。

また、ネクタイの表面の糸が解れて毛羽立ってきたならば、ライターの火で軽く炙って下さい。綺麗さっぱり取れますよ。

■□■ 最後に・・・ ■□■

スーツスタイルの内で、ネクタイは『自分らしさ』を一番アピールしやすいアイテムです。
あなたに相応しいお気に入りのネクタイを見つけ、是非首元からのドレスアップも愉しんでみて下さい。