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失敗しないオーダー |
こんにちは、東京店スタッフの山橋です。 Webではこれまでは日記帳のみの登場でしたが今回からWebの原稿でもデビューする事になりました。 皆さんどうぞ宜しくお願いいたします。 私の第1回目の原稿は「失敗しないオーダー」と題してお届けします。 Web情報へ登場するにあたりどんな内容が良いかと色々と思案しましたが、私は接客がメインという立場からお客様の目線に立った情報を発信していきたいと思います。 さて 当社HPをご覧頂いているお客様の中にはオーダースーツに対してこんな漠然とした不安をお持ちの方はいらっしゃいませんか? ・オーダーが初めてで何を相談して分からない漠然とした不安 ・イメージと違う物が出来上がってくることはないか?という不安 今回私はこういった漠然とした不安をお持ちの皆さんの背中を少しでも押すことが出来ればと思い、生意気ですが少々アドバイス的なことを書かせて頂きます。 ポイントは 自分に合うデザインは何かということ 自分に合う生地(色・柄)どんな色ということ 自分の希望をしっかりと ということに尽きますが、以下幾つかご提案を交えながらご紹介いたします。 先ずは... |
■ 1.自分の体型に似合うデザインとは? ■ | |
オーダースーツの大きな魅力の一つはやはり『自身の体型に合った物が作れる』ということではないでしょうか? 既製品ではどうもサイズがしっくりこない...という声を良く聞きますし、太めの方、痩せている方、背の高い方、低い方、中肉中背の方、、、体型というのは人それぞれですから。 そこで、ここではそれぞれの体型に似合う基本デザインをご紹介してみます。 <太め、がっしり体型の人 > オススメ基本デザイン 2×1(2つボタン)、3×1(中掛け)、3×1(段返り)、ダブルのいずれかで、ボタン位置は標準値で設定 >>> 太め、大柄の方に似合うデザインはズバリVゾーンが広いデザイン。 昨今のトレンドはVゾーンが狭い物が主流となっていますがこれはNGです。 胸囲がしっかりある方は逆にその胸囲を利点として胸を強調して着こなしみてください。 この様な体型の方は細く見せたいと考えられているかと思いますがゆとりの少ないタイトな物は逆に太さが目立ってしまいます。 ある程度のゆとりを持たせることが実は細く見せる一番の方法です。 ※:画像は東京店司茂さん。イメージ作りのためちょっとお腹を出してもらい撮影ました。(^^;) |
<小柄、痩せられている方 > オススメ基本デザイン 2×1、3×2(上2つ掛け)、3×1(中掛け)のいずれかでボタン位置は高めに設定 >>> 胸囲のない方はその細さを逆に利用しシャープに着こなしてください。 Vゾーンが狭いデザインで首元をコンパクトに見せればより体型は生きてきます。 この様な体型の方は細いという部分を気にされてゆとりを入れたいという方が多いのですが身体のラインに合わせてタイト(細く)に仕立てられた方が実はがっちり見えます。 無駄な皺(余り皺)を無くすことが身体のラインを綺麗に見せてくれるので思い切って細くしてみてもいいですね。 ただし、細い人があまりに絞りすぎると逆に貧弱になることもあります。 例えば、細身の人がパンツを必要以上に細くするとルパン3世みたいになってしまうこともありますので程度は大切です。 |
<中肉中背体型の人 > オススメ基本デザイン 基本的には何でも大丈夫です。 >>> 実は何でも着られるために着こなしが一番中途半端になってしまう体型です。 スタッフにご相談いただき客観的に判断するのも重要なポイントです。 ※ 私はまさしくこの体型です。 お客様に偉そうなことを言っておきながらなかなか着こなしは難しいですね...(^_^;) □ ま と め □ オーダーされた事のある方はイメージと違う物が出来てしまったことはありませんか? 雑誌のモデルを見てこんなデザインを、と思ったのに...何か違う・・・? この様な経験をされた方の殆どがご自身の体型に合わないデザインを選んでしまっている可能性が高いと思います。 折角、体型に併せてオーダー出来る訳ですから今一歩踏み込んでご自身の体型を把握し、似合うデザインの物を考えることも失敗しない大きなポイントです。 トレンドを意識してばかりではご自身の体型に合わない物を作ってしまいかねませんのでご注意を! |
■ 2.自分に合う生地の色柄は? ■ | |
次に、自分に合う生地の色柄探しのポイントをご紹介しましょう。 生地選びはその方のお好みで決めるのが一番ですが、それでも客観的に見た「色や柄のイメージ」というものも大切です。。 この辺は意外と知られていませんが結構大きなポイントです。 全てはご紹介出来ませんが代表的な色目、柄をご紹介していきましょう。 < 紺地 > >>> ビジネスでは後にご紹介するグレーと共に一番着用する色目だと思いますがメリハリの効いた着こなしを得意とする色です。 シャツやタイ、シューズなど何でもコーディネートしやすいイメージがありますが他の色目を引き立たせてしまう為、インナーに濃い色を持ってくると派手になってしまいます。 また、ブラウンのシューズが意外と合わせづらいのも特徴です。 最近は昔リクルートで使用してしていた様な青みの強い紺は影を潜め、より黒に近い物が多く出回っています。 その為、よりシャープなイメージとなるのでインナーの色などは抑えめにされると丁度良いかも知れませんね。 大切な会議や商談などには外せない色です。 <グレー地 > >>> 紺と比較しますと非常に柔らかい印象を与えるカラーです。 またどの様な色目のインナーを合わせてもその色目を抑えてくれるのでコーディネートしやすいですね。 シューズなども色を選ばず何色でもOKです。(やりすぎは禁物ですが...) 紺に比べ、柔らかい印象ですから人の輪を大切にするような仕事の時などご自身の第一印象をソフトに見せたいときなどはオススメです。 <黒地 > >>> 昨今、若い方を中心に需要が高いのが黒地です。 私の世代から見ますと黒地というのはフォーマルかデザイナーズ系というイメージが強くビジネスでは不向きと考えていましたが最近はビジネスでも着られる方が増加しています。 紺地以上にシャープな印象となりますので俄然、着こなしは難しくなります。 一つ間違えるとホスト的な着こなしになりますので年輩の方などには敬遠される恐れもありますね。 この辺りはご注意された方が良いかも知れません。 <ストライプ地> >>> 若い方ほど派手な物、年輩の方ほど地味な物を選ばる傾向にありますがこれは大きな間違いです。 スーツは年齢を重ねる毎にお召しいただける色・柄が増えてきます。 若い方ほどシンプルな目立たないストライプで若さを全面に出し、逆に年輩の方は渋さを全面に出し、若い方が着られない様な派手目のストライプをどんどんお召し頂きたいと思います。 例で挙げますと、、、若い方はシャドーストライプやペンシルストライプなど。 年輩の方はチョークストライプやオルタネイトストライプなどがお似合いになるでしょう。 |
<< 生地の生産国とそれが与えるイメージの特徴は? >> >>> 代表的な生産国別に英国、イタリア、日本とご紹介していきましょう。 |
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< 英国製の特徴 > 先ずは英国からですがしっかりと織り上げるのが特徴です。 その為に若干重たくなりますが、反面強度が増し型くずれしにくいのが特徴です。 当社取り扱いブランドではテイラー&ロッジ、スキャバル、ジョン・フォスター、アーサーハリソン、ダンヒルが英国のブランドです。 ※最近のダンヒルはイタリア生地のようにしなやかさが特徴です。 |
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< イタリア製の特徴 > 次にイタリアの生地ですが英国と比べますと細番手糸を使用しますのでしなやかな風合いとなり軽さが魅力です。 反面、デリケートになりますのでヘビーユースには向きません。 但し何とも言えないドレープ感があるので捨てがたいですね。 当社ではゼニア、ロロピアーナ、グアベロ、キャノニコ、ポリカルポ、レダ、ピューロ、レッソーナ、デルフィノ、オルメザーノ、ソンドリオを取り扱っています。 |
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< 国産の特徴 > 最後に国産の生地ですが当社では英国、イタリア物に趣味性を持たせ、国産品はヘビーユースに対応するような商品をチョイスしています。 普通のビジネスマンには一番お召し頂きやすいかも知れません。 当社では日本毛織、中外毛織、ハニーテックスをはじめオリジナル商品もご用意していますがストレッチ素材や皺になりにくい商品など、機能性の優れているのも国産の特徴です。 |
□ ま と め □ これまで客観的に見た色柄、生産国の特徴をご案内してきましたが、ここではこの点を踏まえた上で一番重要なことはお選びになった物を気持ち良く、かつストレスなくお召しいただけるかという点につきます。 意外と多い失敗は、好みとは違うのにこの色柄は持っていないというだけ理由で購入してしまい、後になって着なくなってしまうこと、ではないでしょうか? 偉そうに書いている私ですが、そんな私でもかつてよく経験しました。 ビジネスマンにとって、常に着用しなければいけないのがスーツですから時間が掛かっても納得のいく生地をしっかりとお選び下さい。 |
■3.自分の希望はしっかりと■ | |
最後は自分の希望をいかにしっかり持つかということ。 お似合いになるお洒落なスーツを作るためには、しっかり体型に合わせることも必須ですが、ご注文はまずはお客様のお好みを我々(お店)が知ることから始まります。 時々「お任せします」といって注文される方がいらっしゃいますが、注文をお受けする立場として一番困るのは「何でもお任せ」というお客様で、やりやすいようで実は一番困ります。 ・これまでに着ていたスーツの何処が気に入らないか、 ・どういった部分が気になっているか、 ・逆にこの部分は気に入っている等々... こういった事をお教えいただくとお客様の理想とするスーツのイメージがお店にも伝わり、良いスーツへの近道となります。 また、ご来店の際に一番気に入っているスーツをお召しになってご来店される と、百聞は一見に如かずで非常にお話が進めやすくなります。 これがジーンズやスウェットなどでは我々も把握しづらく、デザイン等のご提案に自信が持てなくなる事もありますので、お店へは(当店に限らず)出来る限りスーツでお越し下さい。 また、スーツのことに詳しくなくても、ここは私のような者がアドバイスいたしますので疑問点は何でもご質問下さい。 喜んでアドバイスさせていただきます。 〜 忘れがちなこと 〜 自分の希望をしっかり伝えることと、相反するところで一つ忘れていけないところは『オーダーだから何でも出来る』という考え。 これもまた大変危険な考えです。 つまり、1着目からディテールにこだわり過ぎると、本来体型に合わせることが大前提のオーダーなのに、 ディテールばかりに気を取られ、着心地、シルエットなどが二の次になってしまいます。 初めはホドホドに、完成度が増す2着目、3着目と段階を踏んでから徐々に増やしていった方が良いでしょう。 気持ちは分かりますけどね... □ ま と め □ 分からないことはどんどん質問してください。 お客様のご要望が出来る出来ないは別としてこういった質問に対してご案内を嫌がるお店では良い物は作れません。 スーツをお仕立てするのはお客様とお店側の共同作業です。 当社では出来る限りお客様のお好みに近づける事が出来るようにと考えていますので先ずは何でもお気軽にご相談下さいね。 しっかりとしたスーツをお仕立てするためにもしっかりとしたお店をお選び下さい。 |
◆ おまけ:お洒落に着こなす裏技 ◆ | |
最後に、スーツをオーダーする際のちょっとしたテクニックをお教えしましょう。 ご注文される方の中で、意外とボタンで悩まれる方が多いのですがこれはスーツに合わせるシューズの色目にするとグッと締まります。 例えば黒のシューズしか履かないという方は黒色のボタンというように小物の色目を合わせることでお洒落になります。 生地との相性だけで考えると以外とイメージと違う物になりますので合わせるシューズの色目を基本に考えてください。 着こなしがグレードアップしますよ。 |
さて、 今回は失敗しないオーダーを考えてみましたが、皆さまお役に立ちましたでしょうか? 簡単な事かも知れませんが意外と忘れがちな事ですのでオーダーの際はちょっと思い出していただければ幸いです。 それでは次回をお楽しみに !! |