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スーツの四季(今秋編) |
思い起こすと恐ろしい8・9月の猛暑が10月に入りますと、急に 涼しくなってきた感があります。
つい先日まで30度を超える日が多々あり、ファッションアパレル業界全体として、暑くても冷や汗が出るような日が続いていたと言えるでしょう。 これで、ようやく本格的なシーズンに突入してくれれば良いのですが、地方によっては未だ夏日もあるようで、日本の美しい四季が安倍政権のように崩れなければと願わずにはいられません・・・ そんなスーツ業界にも四季に適した素材や色があります。 ただ、昨今の気候を鑑みますと、やはりスーツの四季もまたバランスを失い掛けていると言えるかも知れません。 厳に今年は10月を過ぎても、夏服を着ざるを得ない地方もある訳ですから、我々にとってはマーケットが縮小してしまうことに繋がります。 来年の京都議定書の効果を期待し、最大の二酸化炭素産出国であるアメリカ殿には現実を直視してもらいたいですね。(でないと四季ではなく、死期になってしまいます!) そのスーツの四季の彩りを素材別に例えて言うならば、春はサマーウールやモヘア、(詳しいモヘアについては、こちらへどうぞ)、夏はリネンやコットン、秋はウール全般、冬は起毛したウールのフラノ(※1)やサキソニー(※2)、そしてカシミアなどに分かれております。 |
(※1)フラノとは、フランネルの略で、縦糸横糸に紡毛と呼ばれるモコモコした毛をねじり、糸にした紡毛糸を用い生地を織り上げた後、水に濡らして叩いたり揉んだりし、縦糸と横糸がずれ縮むことにより、緻密でしっかりさせた生地にしたものを指します。 (※2)サキソニーとは、フランネル同様に生地を縮ませますが、フランネルより縮ませ具合を大きくさせ、より緻密にし、生地表面の毛羽立ちを抑えた生地で、フラノよりしっかりした質感です。 |
しかし、現在(特に今年は)春〜夏〜秋まで春夏スーツで通す方が多く、来年も定番になることが予想されると思うと、嘆かわしい限りです。
せめてスーツには四季を感じ取りたい今日この頃、今秋に相応しいと思われる当社生地にフォーカスしたいと思います。 先ず秋らしい色として思い浮かぶのが、ブラウンです。 (個人的な見解は有りますが、ここは私の主観で・・・) そして一言でブラウンと言っても色々な色名に分けられます。 オリーブブラウン、カッパーブラウン、ココアブラウン、シュガーブラウン、チェスナットブラウン、チョコレートブラウン、バンダイクブラウン、、、等々ありますが日常では色が明るいか濃いかで表現した方が分かりやすいので、ライト(明るい)ブラウン、ダーク(暗い)ブラウン等が頻繁に用いられております。 そのブラウン、どのような意味合いを持つのでしょうか? ・・・渋い、円熟、落ち着きなどのフレーズが浮かびます。 ともするとオジサマっぽくなりがちですが、そこは当社の一野君が考えて若い方にも着られるようにとチョコレートブラウンやココアブラウンなど気持ち明るめのブラウンを仕入れております。 勿論、明るいだけではなく光沢感ある柔らかい生地などをチョイスすることにより、昔の茶スーツとは一線を画すこと受け合いです。 今期はパッと集めただけで日本毛織、中外毛織、デルフィノ、スキャバル、カノニコ、チェルッティ、ロロピアーナ、ゼニア他10点以上あります。 あとは靴などの小物で明るさやお洒落度を高めれば、尚良しです。 画像は今期生地の中からブラウンベースをピックアップし、靴と合わせてみました。 ※:色が分かりやすいよう、殆どフラッシュありで撮影しました。 実際の生地の色とは、少し違いますのでご注文は生地をご覧頂いてから、お願いします。 |
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素材はウール中心ですが、その他にもサンプル帳にはブラウンベースで挙げればBL7320:ハリスツィード、BL7314:オルメザーノ社製フランネル、BL7303オリジナル製コットンベルベットがあります。 実際、既にブラウンの生地で数着オーダー頂いており、今日の納品にも3着ありましたので、画像を撮りました。 |
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3着並ぶと黒い三連星ならぬ茶色三連星ですが生地は、G7002デルフィノのブラウン地にブルーストライプが人気です。 裏地もベージュやオレンジ、ブラウンと裏地一つで印象も変わりますね。 その他、店頭にはフェイクスェードやピュアカシミアのブラウンも取り揃えておりますので、ネイビーやチャコール、ブラックスーツをワードローブに既にお持ちの方には、ブラウンスーツも今後のオーダーに加えて頂けると、更に着こなしの幅も広がりますよ。 以上、秋の夜長にスーツの四季についての話でした。 |