|
|
ビンテージクロス企画 |
そろそろ春の陽気が多くなり、桜の開花が待ち遠しくなってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
ファッション業界もこうして春が来るとにわかに活気づき、お陰様で当店もご来店の方が多くなりました。 さて、 そんな皆さんが活動的になる時期、お客様がご来店になられる時期に合わせて、ちょっと変わった企画をしようと、こんな事を考えてみました。 |
|
ビンテージクロス企画
|
|
ビンテージクロスというとこれまで何度かWebでご紹介したり、個別にお問い合せ頂いていましたが、これだけに着目して準備をする企画というのは今回が初めてです。 当店は特定のデザインやシルエットに固執した展開をしていませんから、こういった企画は極めてマニアックで、読者の皆さんも驚かれるかと思いますが、ファッションの色んな側面をお知りになることは役立つことも多いですので、ご興味のない方も是非この機会にご覧になって下さい。 そこで簡単にまずビンテージクロスを語る上でのキーワードとなる言葉を皆さんにご紹介したいと思います。 この言葉を聞いて、魅力を感じられる方は是非試してみてください。 |
■ ビンテージクロスを語る上でのキーワード ■ | |||
>>> 1930年代のスーツスタイルを総称してこのように言いますが、この時代は襟幅の広いシングルのピークドラペル、上着は絞り込まれたタイトシルエット、一方でボトムは股上が深く、ユッタリとしたシルエット。 最近のトレンドが上下ともタイト、ナローラペル(細い襟幅)なのと比べると圧倒的な存在感を出すスタイルです。 |
|||
|
その他、30'Sのディテールでは次のようなディテールのキーワードもあります。 | |||||||||
|
>>> 最近ではゼニア・ロロピアーナがさも最高級の生地メーカーのように思われていますがこの時代には両社はそれほど注目されておらず、もっぱらドーメル・スキャバル社が主役を飾っていました。 もちろんドーメル、スキャバル社とも現在でもビッグブランドであり当社でも取り扱いがありますが、昔の素材は重量感があり雰囲気が違います。 特にドーメル社のスーパーブリオなどはマニア垂涎の品物です。 ビンテージクロスではこれ以外にも最近ではあまりその名を聞かなくなったペッパーリーやマーチンソン、はたまたこんなブランドが自ら生地を作っていたのか?というような銘柄もあり(イブサンローランなど)見る人が見ると懐かしさや驚き、新鮮さを感じさせます。 |
>>> この時代の生地は今ほど高性能の織機がありませんでしたから、概して重量感があり、ザックリ織った素材感が主流でした。 織りで言えば、夏物ならポーラ織り、3プライ(3つ杢)など。 素材もウールを基本に夏物はモヘヤ高混紡の素材や、シルク入り素材など。 特に3つ杢(3本の糸を撚って1本の糸にしたもの)などは、糸その物は太いもののザックリと通気性良く織り上げているため、重量感の割には夏場に涼しく着用できる物でした。 |
>>> 色柄は千差万別ですから何とも言い切れませんが、それでも特徴としては今では見られないような強いストライプ柄や夏物は明るいブルーなどの色調が多いのが特徴です。 ちょうど画像のような感じです。 こんな企画をすべく先日東京SHOPMASTERが大阪の某羅紗屋へ行って、仕入れて来ました。 |
|
|||||||||||
今回の企画でご用意できる商品はその数、総数50〜60点。 銘柄もドーメルスーパーブリオを始め往年のビッグブランドや激しい?!色目の生地ばかり。 全て一品物で、仲間は既にこの世から消えて無くなってしまった色柄の生地達です。 どうでしょうか? こんな絶版品を使ったビンテージクロスのスーツ。 何も1930年代風にシルエットを限定する必要はありませんが、スーツの面白さ、奥深さを知るには良い機会です。 良い例をご覧いただきましょう。 これは昨年Webでご紹介したNさんのビンテージクロス。 生地画像をご覧下さい。 色目はベージュで、細かいヘリンボーン柄が入っています。 ベージュの色目。普通のビジネスマンとしては腰が引けてしまうような色目ではないでしょうか? それがスーツになると、こうなります。 凄くカッコ良くないですか!! 私も長年生地屋をやっていますが、生地で見るのと仕上がりとでこれだけ印象が変わる素材も珍しいです。 それだけ常日頃、仕事柄トレンドを意識し過ぎてしまいトレンドという偏見に犯されてしまっていたかも知れません。 さて、 こんな企画ですが皆さんはどうですか? ご覧いただくだけできっと何か得られる物があるのではないかと思います。 その企画を次の日程で東京店大阪店それぞれで開催します。 |
|||||||||||
|
|||||||||||
〜 補足事項 〜
当日は↑にてご登場頂いたNさんにご協力いただき、Nさん所有のビンテージクロスを使ったスーツやインバネスコートを皆さんにもご紹介したいと思います。 温故知新、そんな言葉がピッタリな企画をご用意いたしました。 |