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オーダースーツにふさわしいシャツって? |
読者の皆さんはビジネスシャツはどちらでお求めになられていますか? |
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シャツも中国製980円の物から3万円を超えるイタリア物高級シャツも
ありますから、スーツと同じかそれ以上に品質・価格共に幅のあるアイテムです。 それだけに、お金を払う側としてはコストとパフォーマンスの バランスについてよく考える必要があります。 上の表はさながらスーツで言えば、上から中国製既製服、パターンオーダースーツ、オーダースーツといった感じです。 それでは、オーダーシャツについて話を進めてみましょう。 皆さんは、シャツをオーダーされる時、何(どこ)がオーダー出来ればご満足ですか? スーツでしたらきっと、生地のクオリティーと身体にフィットするサイジングと思われるかと思いますが、意外とシャツについては皆さん次のような感じではないでしょうか? |
【 採寸については ... 】 スーツについては「ツキジワが出る×××」とか「アームホールがしっくりくる...」とか専門的な言葉をご存知の方も、意外と大抵の方はシャツでは次の3、4箇所がオーダーできればご満足される のではないでしょうか? 1.首周り メンズシャツはネクタイをしますから釦を留めた上で苦しくないサイズが 望ましく、逆に首周りがユルユルですといかにもだらしない印象になってしまいます。 それ故、首周りのサイズ指定は重要で、一般に実寸に対し+1.5〜2.0cmが 望ましいとされています。 2.裄丈(・袖丈) 次に重要とされるのが裄丈です。 裄丈は背中の中心から肩先を通って、袖先までの距離を言いますから、つまりこれは肩幅の1/2+袖丈ですね。 若くてスラッとしている方ですと首周りが細い反面、身長が高く、 既製品だと袖丈が短い!なんて方も多いと思いますが、袖丈の長短は結構目立つところで皆さん気にされるところです。 3.バスト・ウエスト・ヒップ周り ここは普通体型の方ですとそれほど気にならないかと思いますが、既製品は大は 小を兼ねるという発想から身幅のゆとりが大きく、痩せた方にはダボダボになってしまいドレッシーではありません。 一方、オーダーでサイズを測れば適切なゆとり量を持たせつつ身体に無理のない絞りが可能です。 (4.着丈) これはレディースで特に言えることですが、最近はボトムでローライズ(股上の浅いパンツ)などを履くと、着丈が短いとシャツが出てしまい、下着が見えてしまう!だから着丈は必須指定項目なんて方もいらっしゃいます。(男性ではあまりこだわりませんが、、、) |
【 生地 については... 】 一方で、生地についてはどうでしょうか? スーツの生地ブランドはゼニア、ロロピアーナ、ダンヒル等々よくご存知で、インポート素材のスーツを着る方も、意外とシャツメーカーの名前はご存じない方が多いのではないでしょうか? ご存知の方でもTHOMAS MASON、ALBINI、CANCLINI、アルモなどのメーカー名が出てくる位で、洋服地のメーカー数ほどはご存じなく、実際着られる物も大抵の方は国産シャツ地で満足されていることと思います。 こんなことを申し上げるのも、私共オーダースーツのヨシムラでオーダーシャツのサイトを作ろう!!と思った時、色んなシャツ屋さんを研究しましたが、概ね上述のような感じだったからです。 では、それで本当に良いのでしょうか? 私達はスーツの仕立屋の目線でシャツのオーダーを考えた時、 |
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というところからまず考えました。
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そこで考えたのが次の3点でした。 |
■ 基本設計をしっかりなされたシャツであること ■
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一番、大切なのはやはりシャツの基本設計 でした。 基本設計?シャツなんて、縫製する箇所なんてスーツほど多くないし...と思われる かも知れません。 しかし、どうでしょうか? ●皆さんのシャツ、第1釦を外した時、襟が柔らかく綺麗に立っていますか? ●見えない裾の裏側などロックミシンの跡などが目立っていませんか? ●毎日掛けるボタン1つ1つに良い素材を使って丁寧にボタン付けされていますか? スーツでも型紙やアイロンワークの手間暇が重要なのと同時に、 シャツも縫製の緻密さなど基本設計が非常に重要です。 右の画像は某シャツメーカーで仕立てた物(公平性を保つためクリーニング屋から戻ってきた状態)の写真です。 ビニール袋越しに、中の襟をよくご覧下さい。 左右で襟の角度が違うのがお分かりになりますでしょうか? これは、襟付けをする縫製の際、向かって左からグルッと縫うのですが、 生地にテンションを掛けすぎて縫ってしまうと、縫いの最後(向かって右襟)では生地にズレが生じ、このように左右で違った襟の 角度になってしまうのです。 この点は改めて別ページにて詳述いたしたいと思います。 |
■ 体型補正を十分意識した作りであること ■
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次に大切な点は、本当に身体に合っているかどうか?ということです。 先述いたしました4点(首周り、裄丈、バスト・ウエスト・ヒップ、着丈)などの他に実はもっと大切なポイントがあります。 それは体型補正です。 スーツについては以前このようなページでご紹介したことがあります。 >>>>新着情報:体型補正について それではシャツはどうでしょうか? 画像は当社従業員のK君ですが、K君の体型的特徴は強いなで肩です。 |
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彼が着ると、シャツはみんなこのような肩先が落ちて皺(タスキ皺と言います)が寄ってしまいます。 特に左肩下がりが強いようですね... これは右画像のように、なで肩の分だけ肩先をつまみ上げれば取れるものなのですが、これは上述の4点だけのオーダーだけではどうにも直せないK君自身の体型的な特徴なのです。 試しに、読者の皆さんもNETのシャツ屋さんを調べてみてください。 どれだけのお店がなで肩・前肩・反身・屈伸など体型補正についてコメントしているかを。 私共は体型補正に積極的でないシャツ屋はオーダーシャツを販売する資格はないと考えています。 |
■ オーダースーツとのマッチングを考えたシャツであること ■
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最後はスーツとのマッチングです。 一言でマッチングと言っても色んな見方がありますが、気になるところは次の点です。 |
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□サイズ面のマッチング□ スーツのサイズでもお客様のお好みは千差万別で、ゆったり目が好きな方もいればタイト目好みの方もいらっしゃいます。 イタリア物好きな方もいれば、英国紳士を理想とするビジネスマンもいます。 こういったお客様のニーズのバランスを取ることが出来るのはやはりスーツのオーダーをお受けしてお客様の採寸データをしっかり持っている仕立屋ならではないでないでしょうか。 例えばこんな事もあります。 スーツを仕立てる時には、腕の長さの差から一般に左右の袖丈を変えてお仕立します。 でも、腕の実寸が仮に左右で1cmの差がある方でも、私共はお客様に次のようにお聞きします。 お客様は、シャツはオーダーで作られていますか? 何故、これを伺うかというと、もし、シャツが既製品(=左右の袖丈が同寸)であるならば、腕の長さが違うからといってスーツの袖丈に差を付けると見た目に違和感が出てしまうからです。 こういったところまで気にかけられなくて良いシャツ、良いスーツは出来ません。 |
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□ 色柄のマッチング □ シャツとスーツの生地の色柄のマッチングもコーディネートには非常に重要です。 よくありがちなことは、派手目のストライプが好きな方が、シャツもネクタイもキツ目のストライプにしてしまい、ストライプonストライプでうるさくなってしまうケース。 コーディネートはシャツ、ネクタイ、スーツ、それぞれのバランスが大切ですから、適切なバランスを提案できるお店が望ましいと言えます。 |
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□ 素材のマッチング □ 当店ではイージーオーダーのスーツは国産生地で37,000円〜59,800位まで、インポートの素材で53,000〜98,000円位で販売していますが、お求めになるグレードに合わせたシャツの素材もあるのではないかと思います。 つまり、普段使いの制服代わりのスーツであれば国産のお手頃素材を使い、その時のシャツはそこまで高級品でなくても良い。 一方で、ここ一番勝負時には、スーツもシャツも気合いを入れて良い物を着たい。 でも、そんな時、良い素材の物が良く分からない... 当社はそんな方へのポータルな存在になりたい。 そして、日頃インポート素材のスーツをお求めになられる方にはイタリア物の高級シャツ地を知って貰いたいということで、今回のインポート素材シャツサイトを作ることにいたしました。(2010年8月末完成予定) いかがでしょうか? スーツとシャツのバランス、シャツの体型補正、そしてシャツの基本設計etc 当社のサイトをご覧になってスーツにこれだけご興味のある方ならシャツについても興味がないはずがありません。 シャツのサイトではこういった点を皆さんにご紹介したいと思っています。 |