2018年10月26日更新
先日、実家で久しぶりに食事をしていた時、母親から衝撃の一言が,,,,! (以下、リアルな大阪弁の会話となり、不快に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、どうかお許しください)
仕込んだみたいな笑話ですが(笑)、私の名前と実家の電話番号が完全に一致して電話を掛けてきているということは、何かしらの名簿が出回っているということですよね。”あっ、おれおれ”みたいな感じならランダムに掛けているのだと理解出来ますが、今回はちょっと不気味に感じてしまいました。 物騒な世の中ですので、皆さんもくれぐれもお気をつけください。
さて今回、秋冬物ヴィンテージ生地の中から突如現れた〝生地のロールスロイス″との形容詞が付く〝FINTEX of LONDON″(フィンテックスオブロンドン)を使用したOさんのREAL Britishなスーツの仕上がりをご紹介したいと思います。 この生地をお譲り頂いたテーラーさんは職人を抱えてのハンドメイド専門店でしたが、その当時、このフィンテックスは縫製込みで75万円!のプライスが付いておりましたから、どれだけ貴重で、高価な生地であったか、お分かり頂けるのではないでしょうか。 もちろん代替の生地もございませんので、非常に緊張したオーダーとなりましたが、まずは仕様をおさらいしつつ、こだわりポイントを画像と共にご説明致します。
今回のFINTEX、正確な目付は当時の資料が無い為分かりかねますが、おそらく320g前後ではないだろうか、というのが、私とOさんの見解です。 それだけの目付としっかりとした打ち込み具合が凛々しいラインを形成している仕上がりかと思います。 ただ1点反省点、それは冬期はサイズがアップするとのことで、バスト周りのゆとりを少し多く取った為、若干左右に抱きジワが発生しております。 こちらはOさんの了承を得、修正することとなりました。 ラペル周りはスーツの顔ですからね、しっかりと対応しなければなりません。 しかしこうして見ても、いささかも古さを感じさせないのは、ブランド力とそれに裏付けされた品質の高さがあってこそですね。 私のブログの中でご紹介した後、多くの方からお問い合わせを頂きましたが、あいにく数着分しか残っておらず、ご迷惑をお掛けしました。 このフィンテックス以外にも良いヴィンテージ生地が東京、大阪両店舗にはたくさんございますので、是非一度足をお運びください。
ファッション雑誌等を見ると、今のスーツスタイルの潮流としては比較的イタリア寄りであると思われますが、当店での傾向としては完全英国寄りであります。 おそらく今シーズン、ヴィンテージ生地をしっかりと揃えたからであると思いますが、決してトレンドだけに流されないのが、当店の面白いところかもしれませんね。 その点からすると、今回のOさんのパンツディテールは忠実に英国調を表現していると言えるでしょう。 INタック、シングル、小丸持ち出し、極めつけはブレイシーズ用ボタンですね。 蛇足ですが、当店フォーマルアクセサリーの取り扱いを行っており、無地タイプのみとなりますが、albert thureton(アルバートサーストン)もお取り寄せ可能です。 東京、大阪各店、店頭にサンプルをご用意しておりますので、ご希望の方はどうぞお気軽にお声掛けください。
背裏に使用したダマスク柄ですが、柄いきだけで見ると派手に感じになる方が多いのですが、今回のOさんの仕上がりを見て割と落ち着いた印象にお感じの方も多いのではないでしょうか。 表地との色のコントラストを付けると(例えばジャケットに使用したワインを背裏に持ってくる)、パワーが出すぎてしまい、職場ではいささか不向きではありますが、同系色で合わせると不思議とシックにまとまってくれるのでお薦めです。 またアルバートチェーンホールもオーダー感がグッと高まるので、例えお使いになられなくても、話題作りとして付けるのもアリかもしれませんね。
以上、今回のOさんのBritishテイスト溢れるスーツをご紹介させて頂きました。 Oさんには引き続きヴィンテージコートをご検討頂いているので、そちらも確定しましたらご紹介させて頂きたいと思います。