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Dormeuil Super Brio:美しきその仕上がり

2019年5月31日更新


とある日の夕方の出来事
友人である北新地のバーテンダーT氏が突然来店
〝大至急シャツ作ってくれ、会議に間に合うように!″

私: 〝なんやねん藪から棒に、バーテンダーが何の会議に出るねん?″
T氏: 〝会議っつったらG20に決まってるやんけ!″
私: (コイツ頭おかしなったんかな?)〝はぁ?どういうことやねん?″
T氏: 〝昔、ホテルで一緒に働いていた同僚からG20のレセプションパーティでシェイカー振るやつが全然足れへんからって、ヘルプのお呼びが掛ったんや″
私: 〝マジで!!!スゴいやん、トランプ大統領とか習近平にカクテル出すんちゃうん?″
T氏: 〝かもしれん,,,,どうしよう?マズイの作って機嫌損ねたら?″
私: 〝そんなもんお前、もちろん外交問題やろ笑″

6月末に大阪で日本初のG20サミットが開催されるのですが、会議中はもちろん、直前の大阪市内は凄いことになるかと思います。
東京にお住まいの方は比較的慣れてらっしゃるかと思いますが、何分にも大阪で大規模な国際会議が開かれるのは久しぶり(20数年前にAPECが大阪で開催されましたが、その時の警備も凄かったです)ですし、最近はテロ対策も昔に比べて格段に厳しくなっているでしょうから、おそらくかなりの厳戒態勢になることでしょう。
ただでさえ、この大阪店の近辺はリーガロイヤルを始め、リッツカールトン、ヒルトン、コンラッドetc一流ホテルがひしめき合っていますから、ひょっとすれば営業になにかしらの影響があるかもしれません。
通行止め等の交通規制で困難かもしれませんが、期間中お越しの際はどうぞ気を付けください。

さて今回は、先日“ヴィンテージショップYOSHIMURA”にて、『国家元首の服地』との形容詞が付くDormeuil Super Brio(ドーメル スーパーブリオ)の生地を探し当てられたOさんのオーダーをご紹介したいと思います。

詳しいオーダーの内容につきましては、下記のページをご覧ください。

>夏の宝石:キッドモヘア Dormeuil Super Brio

今回、当店のHPでご紹介するのは初となるOさん
前回の更新後、私が作成した原稿をお読みになり、大いにお喜びになられまして、お仕事先では様々な方に“この中で紹介されているのは私なんです!”とお話になられたそうです。
サービス業に従事するたる者、お客様に喜んで頂いてなんぼですから、このように仰って頂けることは何物にも代え難い喜びであります、
ただ肝心の商品の仕上がりが及第点でなければ何の意味も成しませんから、常に高みを目指して精進してまいりたいと思います。

また今回の仕上がりですが(早く見せろ!とお叱りを受けそうですが笑)、仕立ての良さもさることながら生地のクオリティが素晴らしいです。
それは原毛のクオリティではなく、生地の織り込まれ方がやはり今の世の物とは一線を画します。
現在でも非常にクオリティの高い原毛は手に入りますが、短い時間がより多くの生地が織られることが求められる(効率化)ことにより、犠牲となるもの、失われるものはとても多かったということが、今回の仕上がりをみれば非常によく分かります。
生地だけに限らず、一昔前の手間暇を惜しまない物作りの火は灯し続けなければなりませんね。

それではお待ちかね、お題目にありますように美しき仕上がり具合をとくとご覧あれ

出来上がり(全体像)

本当はOさんに直接ご来店頂き、ご試着姿を是非皆さんにご紹介したかったのですが、あいにくご多忙のOさんのスケジュールとHP更新のタイミングがどうしても合わず、泣く泣くBODYに着せての撮影となりました。
Oさん、秋冬では余裕を持ってご用意致しますので、その時は是非ご協力くださいね。

皆さん、いかがですか?
私の第一声は“衿のロール感が素晴らしい!”
因みにですがオプションの本バス芯はプラスしておりません、でこの立体的なロールはもはや芸術の域と言っても決して言い過ぎではないと思います。
またショルダーラインから袖山を経て袖先迄の直線的なライン
シンプルなデザインながらも生地の特性と相まって、とてもクラシカルな英国調スーツに仕上がっております。
あいにく撮影時は曇天であり、サマーキッドモヘア特有の光沢感をお伝え出来ないの残念ですが、晴天時の太陽光の下ではところどころがキラキラとまるで冬の北海道のダイアモンドダストのようにも見えるのが、モヘアが夏の宝石と呼ばれる所以です。

出来上がり(ディテール)

続いてディテールにまいります。

まずは私が個人的に購入したリアブラウン&ダンスフォードのヴィスコース製ペイズリー柄裏地
キュプラより滑り具合は劣りますが、光沢はこちらの方が上
見た目を取るか、実用性を取るか、それぞれで悩ましいところではあるかと思いますが、後者を捨てても補って余りある魅力がこの裏地にはあります。

続いては織ネーム

前回ご紹介したようにヴィンテージクロスにはやはりOLDスタイルの織ネームが相応しいですね。
OLDの織ネームは文字繊細さや色の彩度、解像度等、現行の物と比べると安普請ではありますが、それが逆に味わいという点では抜群ですね。
OLDスタイルの織ネームは数に限りがありまして、生地の在庫数とは全く比例しませんので、必ずしもご希望にお応え出来るとは限りません。
ご希望の方は忘れずにリクエストしてくださいね。

最後におまけでこんなことをしてみました

OLDの織ネームが無い場合によく提案させて頂いていた仕様なんですが、生地の耳部分にあるブランドネーム部分を衿吊りに改造してみました。
強度的観点からすると生地耳を使用するのはあまり宜しく無いので、実際にここにジャケットを引っ掛けるのはお止め頂きたいのですが、ちょっとしたアクセントとするには良い遊びだと思いませんか?
ここ以外には内ポケットの玉縁に使用したり、向当て(内ポケットの内側上部分)や上衿の内側に張り付けたり、と色々とアイデアは持っておりますので、ご希望の方はご遠慮なくリクエストしてくださいね。

以上、今回Oさんよりご注文頂きましたDormeuil Super Brioをご紹介させて頂きました。
あいにくスーパーブリオは最後の1着分でしたが、夏の宝石キッドモヘアを使用した生地は東京、大阪両店舗共、まだまだたっぷりと在庫はありますので、これから夏用スーツのオーダーをご検討されていらっしゃる方は是非とも選択肢の内の1つとして頂ければ幸いです。
またこれぞ!という生地でご注文頂いた時は皆さんにご紹介させて頂きますね。