2019年10月25日更新
前回の「お客様いらっしゃ~い」掲載から1か月、エレガントダンディKさんこと木村氏のスリーピースがようやく仕上がって来ました。大変お待たせしました。
早速皆さんに紹介したいと思いますがその前にお知らせが、、、
今回はいつもの「お客様ありがとう」と趣向を変え、初の試みとしてなんと動画でご紹介しちゃいます。
先ずは今回のスリーピースの仕様を、改めてご案内しますね。
前ボタン | シングル2つボタン |
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衿型 | ピークトラペル ハイゴージカスタム仕様 |
衿巾 | 10cmワイドラペル |
ベント | サイドベンツ |
腰ポケット | フラット |
胸ポケット | バルカポケット |
袖ボタン | 4個キッシング |
裏仕立て | 本台場 |
裏地 | AK105-258 |
ボタン | 本人持込みボタン |
袖幅 | サイズ指定カスタム仕様 |
袖付け | マニカカミーチャ |
芯地 | ソフト芯 |
内ポケット | 玉縁別生地使用 |
前ボタン | 6つボタン |
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腰ポケット | 箱ポケット |
ボタン | 本人持込みボタン |
裏地 | 内側AK105-258 、背外側AK1700-490 |
ベストの背は、通常外側も内側と同じ裏地で縫製されるので、派手な裏地を選んだ場合、上着を脱いだ時に他人の眼が気になることがあります。その場合の対応策に、外側はベーシックな裏地をつけて内側と別々にすることも承っています。
タック | ノータック |
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脇ポケット | ナナメ |
ピスポケット | 両方共不要 |
裾口 | ダブル巾4cm |
オプション | ベルトレス脇尾錠付き、後ろVカット付き |
膝裏 | 総裏で長さ指定カスタム仕様 |
以上でしたが、今度は仕上がったスリーピースを木村氏に実際に着用して頂き、ご注文の背景などを伺いましたのでどうぞご覧ください。
これで収録は一旦終わりかけたのですが、木村氏、「これだけは譲れない」ポイントを追加トークして下さいました。
他にも多々ある拘りの一部をご紹介すると、、、
ラペル~衿~肩先 |
袖口フレア |
パンツシルエット |
とってもフレンドリーに終わった収録で僕は独りよがりの大満足だったのですが数日後、、、
なんと木村氏よりご丁寧な寄稿をメールで頂きました。今回の結びとしてご紹介しますね。
『ヨシムラでスーツを作るようになってほぼ5年。玉岡さんの記事を読むまでは、そんなに長くお付き合いしているとは思いもしませんでした。そこで「これまでヨシムラで何着のスーツを作っているのだろうと」と思い、数えてみると12着もオーダーしています。ワイシャツにいたっては19枚。つくづく「私はスーツが好きなんだ」と思った次第です。
なぜこんなにもスーツが好きなのか。それは子供の頃に、スーツを着ている大人がカッコよく見えたから。ドラマや映画でスーツを着る俳優に目が釘付けでしたし、銀座や六本木で見掛けた洗練された大人の着こなしに「いつかは洒落たスーツを着て街を歩きたい」と子供ながらに思っていました。社会人になって念願のスーツを着られるようになりましたが、次第にデザインやシルエットにこだわるようになって、ブランド物にも手を出すようになってきたのです。
ブランド物のデザイン性の高いスーツに、当初は結構満足していました。しかし「ウェストのシルエットが」とか「ラペルのデザインが」と元来凝り性なのが災いして、さらなる追求心が芽生えてきます。そしてある時「これは私の欲しいスーツとは違う気がする」と感じて、オーダースーツを作ろうと決めたのです。
そんな私は数々のこだわりをヨシムラで実現しようと、無理難題をお願いしてきました。出来上がってきたスーツを試着して「次は袖を5mm広げてフレアにしよう」とか「ラペルの角をもっと鋭角に」と凝りだす始末。中には理想のシルエットを追い求め過ぎて「来ているのが苦しいスーツ」なんて失敗もして来ています。
今ではどれだけ指定しているのか自分でも覚えていないぐらいですが、玉岡さんは「木村さんのオーダーシートを書くのに、普通の方の倍の時間が掛かります」と言われる程です。自分言うのもアレですが、よく呆れもせずに付き合ってくれるなと思っています(ホントに感謝です)。
そして今回出来上がったスーツですが袖を通した瞬間、かなり完成度が高いと感じました。サイジングはまさにジャストですし、極限まで突き詰めた数々の仕様もバッチリ再現されています。また素材が放つ独特のツヤと風格は、ある意味着るシーンを選ぶスーツと言えるかもしれません。こんな生地はそこらのテーラーではまず置いていないでしょう。そしてこれまでの苦労と失敗の数々が生んだ「大切な一着」である事は間違いない。
近年ではオフィスカジュアル化が進みつつあります。そんな時代でも、私はスーツを着続けたいと思う。なぜならスーツを着こなすのは「大人の男の象徴」と信じて疑わないから。つまりカッコイイと思っているんです。だから私は、これからもオーダースーツのヨシムラと、さらなる理想のスーツを追い求めるでしょう。』
木村さん、嬉しいお便りと撮影のご協力、本当にありがとうございました。
スタッフ一同大変やりがいを感じております。今後とも宜しくお願い致します。