2020年7月10日更新
6月第3週は梅雨の合間のセール前でお客様の来店が落ち着くこともあり、毎年第3月曜に有休を頂戴して3連休で旅行に行っております。(もちろん一人旅ですが,,,,) 一昨年は宮崎、昨年は岩手、そして今年は北海道へ。 宮崎は高千穂峡でのボート、岩手は八幡平ドラゴンアイ、北海道は旭岳トレッキング、それぞれ快晴の時に行ってこそのスポットですが、高千穂峡は雨で河川増水の為運休、八幡平は雨の強風の霧で車から降りることすら出来ず、旭岳も強風の雨の低気温(頂上は何と4℃!)でロープウェイすら乗れず 決して雨男ではなく、むしろ晴男なんですが、私の神通力も梅雨の前には歯が立ちませんでした。 このまま引き下がるのは悔しすぎますし、多大な時間と労力とお金を取り返すべくリベンジで9月の紅葉の時期に北海道へ再度行ってまいります。 次こそは大丈夫でしょう、大丈夫なはず,,,,です笑 見事画像の様な景色が撮影出来れば、またこの場でご紹介しますね。
さて、今回はコロナ禍の下、お嬢様のご結婚式用にモーニングコートのオーダーを頂戴致しましたH様の仕上がりをご紹介したいと思います。 ご結婚式と申しましても、披露宴の開催は延期を余儀なくされたのでご親族の方のみで写真撮影だけを行われるとのこと。 せっかくのご結婚式(ジューンブライド)がこのような形になってしまい残念ではありますが、コロナが落ち着いた頃に盛大な式を挙げて頂きたいと思います。 余談ですが、このGWに同じくご結婚式を挙げられる新郎様よりタキシード及びお色直し用のジャケットのオーダーを頂いていたのですが、同様に10月末に延期されることとなりました。 致し方の無い事とは言え、一生に一度の晴れ舞台のお手伝いをさせて頂ける身から致しますと、ご本人様と同じく残念でなりません。 ここに来て東京では感染者が増えてきておりますが、どうかこのまま無事に終息し、コロナの前の生活に戻ることが1日でも早く来ることを願ってやみません。
本題に戻り、早速仕上がりをご紹介させて頂きたいところですが、今回ご注文頂いたH様、あいにくご転勤で他の地方にお住まいでいらっしゃる為、ご着用姿を撮影させて頂くことが出来ませんでした。 楽しみにして頂いていた皆さま、申し訳ありません! 立ち姿の美しさがモーニングコートの真髄ですので、非常に残念ではありますが、物理的に無理なものをお願いする訳にはまいりませんので、今回は平置きでの撮影となりました。 何卒ご了承の程を。
やはり平置きですと迫力が出ませんが、後ろ側のドレープラインの綺麗さはモーニングコートならではですね。 これがマシンメイドで出来るのですから我がメインファクトリーのオリジナルテクノロジー、恐るべしです。 因みに今回H様よりご注文頂きましたモーニングコートですが、タイや後程ご紹介する小物類(チーフ、サスペンダー、グローブ、ソックスetc)を入れて総額で14万円弱となります。(おそらくレンタルでも同等の金額かと思います) 多くの方はレンタルでお済ませになられるかと思いますが、お子様がお二人以上いらっしゃる方ですと、それぞれのご結婚式でレンタルされるより当店でオーダーされた方が経済的ではないでしょうか。 しかもサイズもきちんと合っているとなれば(そもそもレンタルでは細部までサイズが合うことはほぼありえません)、思い入れもより一層増すでしょうし、主役である新郎新婦をより引き立たせるかと思います。 またベストを白衿付きにして慶弔兼用にすれば、会社経営者の方は弔事でもお使い頂けるので更に経済的です。 これまでモーニングコートをお仕立てされる方は学校の校長先生がほとんどでしたが、せっかくの晴れ舞台にお召しになられる衣装ですから、これを機に近々にお子様のご結婚式をお控えのお父様には是非モーニングコートのお仕立てをご検討頂ければと思います。
最後にモーニングコートをお召し頂く上で必要な小物をご紹介しましょう。
左から時計廻りにタイ、ソックス、グローブ、サスペンダー、リネンチーフです。 まずタイですが、本式はシルバーグレイのアスコットかフォアインハンド(プレーンノットで結ぶタイ)ですが、画像のようなレジメンタルタイ もOKです。 ソックスは黒が基本です、正絹のロングホーズが望ましいですが、短いと着席時にパンツの裾がずり上がり素足が見えてみっとも無いのでその点は注意が必要です。 続いてグローブ、こちらも本式は白かオフホワイトのスウェード素材(セーム革、いわゆる鹿革です)の物となりますが、コットン製の物でも代用出来ます。 またH様はお持ちでいらっしゃったのでこちらの画像にはありませんが、カフスボタンはパール(真珠)の光沢控えめな物が相応しいです。 因みに夜間の正装ではブラックオニキス等の黒い貴石を使用したカフスに変える必要があります。 サスペンダーは基本着用時にはベストとモーニングコートの中に隠れますので、特段これでなければならない、といったルールはありませんが、無難に黒にしておけば大丈夫です。最後にポケットチーフ、こちらは色々な文献を見ているとシルクが相応しいとありますが、一般的にセレモニーで着用する際の挿し方はスリーピークス(3つの山が連なった様)が基本とされております。 この挿し方の場合、シルクですとドレープ感が強すぎて綺麗に山が連なってくれませんが、チーフはシルクでなければならない、という訳ではありませんので、白のリネン素材の方が綺麗に山が形作れるのでお薦めです。
以上、今回のH様のモーニングコートの仕上り及びそれに付随する本式の小物についてのご紹介をさせて頂きました。 ご結婚式の際の衣装としてモーニングコートはレンタルがほとんど、ディレクターズスーツ(黒の通常のダブルジャケットにグレーストライプのコールパンツ)でも代用可能ですが、せっかくの晴れの舞台でのお召し物ですから、オーダーでお仕立てした衣装で新郎新婦の門出をお祝いしてあげてください。