2021年1月22日更新
こんにちは、東京店の築地です。 1月も早半ば過ぎ、寒波の到来や「見えない脅威(コロナ)」など、外出が気ままに出来ないのは歯痒いですね。 衣服は実際に見て着てをモットーにしている私も、休日の気楽な服屋巡りが出来ず、むず痒いばかりです。 さて、 今回はそんな私が以前YOSHIMURAでオーダーしたジャケットが出来上がってきたので、ご紹介と共に、少しでも明るい話題を共有し、皆様とファッション的嗜好を満たせたらと思っております。 というのも、2020年11月9日のYOSHIMURAのHP更新「カジュアルコーディネートをご提案します」の回にて、私の着用分だけ、オーダーのタイミングの都合で、まだ出来上がっておらず、スタイル画のみのご紹介となっておりました、、、
今回、満を持して遅ればせながらのご紹介にはなりますが、これはこれで経過も含め、オーダーの「構想(生地選び)から出来上がりまで」の一連の流れを、オーダー慣れしているお客様やこれからオーダーをご検討中のお客様へも、一つのモデルケースとして見て頂けるのではないかと思います。どうぞお付き合い頂けたら嬉しい限りです。 今回はご紹介の流れを<料理>に例えながら、ご案内したいと思います。 (僕はチャーハンぐらいしか作れませんが。汗)
先ずは土台となる <レシピ> 。 頭の中のイメージを絵型に起こすと、 こんなジャケットが作りたいなということで、先ず土台の出来上がりイメージが事前にありました。 お客様も事前にこんなイメージのものがつくりたいという、ばっくりとしたオーダーの青写真をそれぞれお持ちかと思います。
続いて、 <具材> となる生地です。 私が今回ジャケットを作るに当たってチョイスしたのは、ブラックのコーデュロイの生地になります。 コーデュロイ素材自体はここ数年秋冬では必ずトレンド素材としてフィーチャーされているので、既にお手元にお持ちのお客様も多いのではないでしょうか。 コーデュロイ自体は畝(ウネ)の太さの種類が大きく分けて3つ有り、「細畝、中畝、太畝」と縦方向のストライプのような線の太さがそれぞれ有ります。いわゆる夏のコードレーン生地の冬版のような立ち位置の素材です。
実際に3種類の畝(ウネ)の太さを比べてみると(画像の上から細、中、太)と、それぞれ生地の表情が異なる事が分かります。 細畝は主張が少なく、遠目でより無地ライクに見える。太畝は生地感のインパクトが有り、それ単体でコーディネートを完成させやすく、目付(重さ)もガシッとしたものが比較的多くちょっとマニアック。 私はビジネスでもオフでも兼用でサラッと使いたいなということで、中庸を取った結果、中畝をセレクトしました笑
最後に <調理> となる希望デザインを加えていきます。 コーデュロイジャケットを作るにあたり主に拘ったのは3つ。 ※1≫コーデュロイ自体がソフトな生地感なので、ダブルで作るなら通常の6B×2のカチッとしたものではなく、少しリラックス感のある4B×2をチョイスしました。 ※2≫表がブラック一色なので、内側ぐらい色を使いたいなということで、弊社オリジナルのプリント裏地からヘアリーチェックイエローを付けてみました。ニードルパンチ技法を使ったようなウーリーな色と柄で、一目惚れしたプリントです。 ※3≫当初のスタイル画では、裏地カラーのイエローに合わせて、ボタンもゴールドのメタルボタンにする予定でしたが、コーデュロイ素材自体の個性と合わせて盛り盛りになってしまいそうでしたので、鈍く光るブラックのメタルボタンをチョイスしました。 希望デザインを煮詰める段階で、少しずつ仕上がりイメージが変わることもありますが、 そんな過程もオーダーならではの嬉しい悩みだと思っています。
数々の工程を経て完成しましたのがこちらです。 (ちなみに、履いているパンツは同時期にオーダーで仕立てた、千鳥柄の白黒のモノトーンパンツ。ホワイトグレーの為、膨張色なので、このような明るい生地で作る際は少しシルエットを細目に作るのをおすすめします。) ネクタイも色味は抑えて、柄は使いつつも、なるべくゴテゴテしないように気を配りました。 コーデュロイはリラックス感のある素材なので、シャンブレーのシャツも非常に合わせやすいので便利です。 1着1着に込める思いはお客様によって様々ですが、テンションの上がる1着を、オンでもオフでも欲しくなるものです。 装いから元気に。ビジネスウェアもカジュアル化へ舵を切る中、皆様の思い思いの1着のオーダーを、引き続きぜひ店頭で(WEBでもお気軽に)ご相談下さいませ。