HOME > お客様ありがとう > 1年越しのWedding Suits完成!

1年越しのWedding Suits完成!


もう2021年もあと1ヶ月と少しになりましたね。
今年の総括をするにはまだいささか早いですが、皆さんは今年1年どんな年でしたか?
コロナ禍で仕事もプライベートもガマンガマンの1年だったとお感じの方も多いかと思います。

今もニュースでは第6波云々、といった報道がなされていますが、今のところ感染者も落ち着いてはおりますし、どうかこのまま無事に年越しを迎え、コロナ禍の前の生活に少しでも戻るよう順調に行ってほしいものですね。

来年にはGOTOも再開されるようですし、北京冬季オリンピックも開催されますし、リバウンドが無ければ、飛躍の年になりそうな予感がしています。

私達の業界は皆さんが元気にならないと成り立ちませんので、せめてモチベーションが上がる洋服をご提供出来るように頑張りたいと思います。

力を合わせて来年のこの時期は良い1年だったね、と言えるよう頑張りましょう♪

さて、今回はコロナ禍でせっかくの結婚式が延期となり、ようやく1年越しに開催することになったSさんのオーダーをご紹介したいと思います。

ザクッと今回のコンセプトをご説明致しますと、結婚式の衣装はレンタルでタキシードで決まっており、新婦さんのお色直し後の衣装に合うスーツで、式が終わっても何らかのシーンで着れる事が出来るが、仕事ではスーツは着ない、という内容でした。

詳細は下記を御覧頂くとして

1年越しのWedding

今回のご注文で最もアタマを悩ませたのは、新婦さんのドレスにどう関連性を持たせるか?ということ。
ご注文を承った以上、列席者の方々に"オシャレだね"、"さすが!"と言わしめるためにこれまでの経験値をフル活用してご提案させて頂きました。

それでは早速、Sさんの仕上りを御覧頂きましょう♪

いかがでしょうか!?
タイト過ぎず、オーバーサイズ感も無し、正にジャストサイズで仕上がっていると思いませんか?
挿色である赤のウィンドウペーンも程よく効いており、新婦さんの赤のドレスとの関連性も、式が終わってから普段に着れる、という点も十分クリアしております。
(赤のドレスとの関連性はまだもう1つありますけどね)

今回の生地はヴィンテージコレクションの中からお選び頂いたMade in Englandのモノ
元々ハリコシのある生地である上に程よく脂が抜けているので、バストからウエストに掛けてのライン及び衿のロール感は非常にキレイに出ているでしょ?
この辺りはスーツの顔ですから、細かなサイジングが必要となります。
Sさんからもパンツを含めたシルエットには合格点を頂けたのでまずは一安心。

それでは続いて各デザイン毎のコダワリポイントを画像と合わせてご紹介したいと思います。

【ジャケットデザイン】

基本デザイン シングル1B マニカカミーチャ仕様
ラペルデザイン ピークドラペル
ベント サイドベンツ
袖仕様 重本切羽 3B
腰ポケット ハッキング±1.0cm
裏仕様 総裏
※裏地 秘密!
※ボタン イタリア製ボタン "ステルス15"
※ネーム "14th Nov 2021"

コダワリポイント1・・・衿のピークドラペル

基本デザインがシングルで衿をピークドラペルにした場合、ノッチドラペルに比べるとグッとドレッシー感が上がります。
ビジネススーツでしたら職場のドレスコードによって不向きな場合がありますが、今回は結婚式の衣装ということで、非日常感を出すためにもこのピークドラペルをご提案させて頂きました。

コダワリポイント2・・・裏地

こちらは前回のいらっしゃいではもったい付けて秘密としておりましたが、見えない部分にも新婦さんのドレスカラーに関連させたいと思いましたので、特別にSさんの為に笑、大阪谷町の付属屋さんにてワインレッド(ドレスの色目がワインレッドなんです)の水玉ジャカードを手配しました。
無地でももちろん良かったのですが、最後にご紹介する秘密の仕掛けが前提であったので、この水玉に決めた次第です。
後程ご紹介するので暫しお待ちを。

コダワリポイント3・・・ボタン

本水牛ボタンでは日常感しか無い、ということでボタン一つにもコダワル男が私南浦です。
他店ではあまり取り扱っていないイタリア製ボタンを今回お付け致しました。
本当は邪道なのかもしれませんが、敢えてこのようなアイテムを使用することによりスーツに個性を持たせることが出来ます。
今回のSさんは仕事でスーツをお召しになられないので、今後このスーツを着るとすればご友人の結婚式に列席されるとか、いわゆる慶事用になるでしょうからこのままのボタンでOKですが、もし仕事で着る、となった場合は本水牛に付け替えれば良いだけですので、これまでのスーツスタイルから脱却したいとお考えの方には良いアイテムだと思います。

コダワリポイント4・・・ネーム

こちらは前回ご説明したように日付の英語表記にはアメリカ式とイギリス式とがあります。
今回は生地が英国製ということで「日月年」の順のイギリス式を採用致しました。

【パンツデザイン】

前タック ノータック
サイドポケット ストレート
ピスポケット 両玉縁左右ボタン留
裾仕様 ダブル 折り返し巾4.0cm 糸留
その他 ベルトループ無し 左右脇尾錠付

コダワリポイント1・・・裾カブラ糸留

細かいといえば細かい部分ですし、どっちでもいいと言われればどっちでもいいのかもしれません。
ただ1つ断言出来るのは、ダブルのカブラ(折り返し)はスナップ留では無く、糸で始末する方が遥かに収まりが綺麗です。
デメリットはカブラの内側に溜まった埃が取りにくい、ということだけです。

コダワリポイント2・・・左右脇尾錠

すっかりポピュラーな仕様となった脇尾錠ですが、これもパンツに個性を持たせる事の出来るデザイン且つオーダー感、ストイックさを表現することが出来ます。
ベルトを使用することと比べると腰周りのフィット感は若干劣りますが、慣れればどうってことありませんし、それを補って余りあるメリット(上記)がありますので、これまでのスーツスタイルからの変化を楽しみたい方には是非お選び頂きたい仕様であります。

以上、今回のSさんの結婚式用スーツの仕上りをご紹介させて頂きました。

それでは最後にお待ちかねの秘密の仕掛けをお見せしましょう♪

いかがでしょうか?
今回裏地に使用したジャカードの水玉でバタフライポケットチーフを作成してみました。
(バタフライが手結び風で味があっていいでしょ?)
これは大阪店で修理をお願いしている仕立て職人のK君に作成を依頼、本来はここまですることは無いのですが、乗り掛かった舟と言いますか、ご提案した手前、何とかしてあげたいなとの思いで作成させて頂きました。
そこそこ費用も時間も掛かるので、お急ぎの場合はお受けすることは出来ませんが、そこをご理解頂けるようでしたら大阪店の南浦までご連絡ください。
(裏地代と作成費合わせて1万円位)
フィッティング時に一緒にお越しになられた新婦さんにも喜んでもらえましたし、今回も良い仕事が出来たかな?と思います。

またこれからも"俺も真似したい!"とか"面白いオーダーだな~"と感じて頂けるようなご注文を紹介していきたいと思いますの

ではまたお会いしましょう♪


back number

過去のback number