2022年も早いものでもう1ヶ月と数日。。。1年ってあっという間。本当に早いですね。
ちなみにこの『あっという間』は、文字のごとく『あっ』と声を上げる間だけの合間だそうで、、、いやいや早すぎるでしょ。(汗)本当にそうならば今頃幾つになっているやら。
何気なく使ったりする言葉の語源を考えたりすると面白いものですね。
毎年『あっ』と言う間に時間が過ぎてしまい困っている、YOSHIMURA&SONS(佐野)です。
時間は有限。大切な時間をどう使うのか、真剣に考えて残り2022年を過ごさねば。。。
読者の皆さんはいかがですか。この2022年それぞれ色々な事があったと思いますが、
充実した1年でしたか。ってなんだかもう今年も終わりという感じでおセンチになっていますが、まだまだ残り1ヶ月はありますからね。(それもあっという間ですねきっと。。。)
年末にかけては楽しいイベントも盛りだくさんですから楽しんでいきましょう。
さて、いつもの歯切れの悪い私(佐野)のご挨拶はもうほどほどに、夏に(8月頃)受けたステージ衣装のオーダーも、あっという間に(しつこいですね。)出来上がってまいりまして、、、っていきなり本題に入ってしまいますが、今回のお客様ありがとうは、普段なかなかお目にかかれない《ステージ衣装》のオーダーのお出来上がりをお披露目します。
ここまでの前日談は非常に長文となっておりますので、是非『お客様いらっしゃ~い』をご一読いただければ幸いです。より今回の完成までのストーリーが楽しめますので是非こちらもご覧ください。
今回のご注文はステージ衣装。普通のスーツとは違い、何よりも舞台映え、写真映えを意識したデザインとサイジングが重要です。
時代背景やコンセプト、役柄に応じて、生地やデザインを慎重に選んでいかなければと、
メールで打ち合わせを重ね大まかなデザインは決定。ここまでが簡単な前日談です。
そしていよいよ役者さんと対面し、ステージ衣装の採寸を!!!と少し特殊なサイズの採り方を皆さんにご覧いただけたらと思っていたのですが、、、なんと私が採寸やデザイン決めに夢中になってしまい、、、採寸風景を撮ってもらうのを忘れてしまっておりまして、、、申し訳ないです。
残念ながら(本当にスミマセン。。。)採寸風景等は皆さんにお見せすることができないのですが、今回のステージ衣装が一体どんなスーツになったのか、そのストーリーも含め皆さにお披露目していきたいと思いますので、どうかご勘弁くださいね。
さて、気を取り直して、お披露目してまいります。
今回ご注文いただいたステージ衣装は3着。それぞれ役柄の背景に合わせた生地とデザインを選びました。
それではまず1着目は、今回の主人公?! ダンスホールクリフサイド支配人のための衣装。
Kさんからご依頼いただいた際の打合せメールを振り返ってみると、、、
《ダンスホールクリフサイド》今でも実在するダンスホールで、舞台本番もこのダンスホールで行われるそうで、とっても雰囲気のるダンスホールです。
こんな素敵なダンスホールの支配人ですから、ご依頼の通り華やかでちょっと浮世離れした派手目でキザっぽい雰囲気(これは私が付け加えました。)を出すには、どんなイメージで衣装のデザインと生地を決めようかと色々と考えた結果、まず衣装のイメージソースは、
《フレッド・アステア》をベースに、生地は華やかな雰囲気を出したいと考え、《ゼニアのラメ入りストライプ》の生地をセレクトしました。
アステアのように、上着はウエストを絞りグラマラスに、華やかさと男の色気を存分に。ダンスをする時に動きやすさと動きを大きく魅せるために、パンツはワイドに設定。
今のスーツトレンドとは真逆とも言えるグラマラスで色気のあるスーツを目指して、衣装をイメージしていきました。そして完成したのが、、、
画像ではラメはちょっと目立ちませんが、、、シャツにネクタイそしてオッドベストこのコーディネートをする人は中々いないだろうと。
クセのある雰囲気と浮世離れした着こなしになったのではないでしょうか。
襟は超ワイドに、そして胸に沿って湾曲しているベリート衿のデザインを採用。
通常のラペルよりも、胸周りのボリューム感を演出。
ウエストもかなり絞ってあるのでよりグラマラス感が伝わるかと。
今回はオッドベストをコーディネートに加えて、クラシックも忘れずにと言ったところ。
上着とのコントラストと、何よりもこのクラシックな柄は、ある意味でコーディネートを引き締めている効果もあるのではと感じています。
見てくださいこのパンツの太さを!!!
動きがダイナミックに見えるように、パンツは極太シルエットに。
上着がタイトフィットでパンツはややルーズに。
アステアっぽく仕上がりましたよね?!?!
これはオマケです。。。衣装ですが、ネームが入っているのは面白いかなと。
実はコレKさんに内緒でサプライズで入れたのですが、、、
実はこのネームで失敗してしまったんです。。。
どういう失敗かと言うと、、、
そうなんです。なんとオマケ&サプライズで入れたネームの文字が間違っているという
なんとも恥ずかしい失敗。ある意味ではサプライズか。。。正直に伝えるとKさんからお返事が。
救われたメールでした。凡ミスですからね凡ミス。お恥ずかしい限りですよ。。。
良かれと思ってやったことが裏目に出てしまいました。
なぜ工場が間違ってしまったのかと言うと、、、私の字がお上手じゃなかったから。。。
本当にそうなんですよ。誰にでも読める字を心掛けていかなければですね。
ここまで来て、あれ??役者さんが着たところは?!?!って疑問に思う方、
お待たせしました。役者さんが実際本番でいている画像をいただけたので、みんなで思う存分見ていきましょう。
どうですか皆さん!っと写真から語り掛けきそうな雰囲気で、とっても躍動感溢れた支配人の衣装に仕上がったのではないでしょうか。
役者さんが着てこそ洋服が生きると。
続いて2着目をご紹介。一体どんなテーマの衣装なのかというと、、、
さて、クリフサイドの支配人の服とは、真逆なイメージ『ホテルマン』の衣装。
色々なキーワードが出てきていますが、《マッカーサーズスイート》という、スイートルームに従事するホテルマンの衣装。
当然お相手になるのはエグゼクティブなお客様。一体どんな衣装がふさわしいのか。
正直ホテルマンの制服は、時代背景から色々探してみたのですが、コレ!!!というのが見つからず。苦戦を強いられました。
マッカーサーだから、ミリタリー??でもホテルマンだし、、、そもそもそういう雰囲気の服は作れないし、、、そこで思いついたのが、重厚感のある『ダブルタキシード』。
色はミリタリーと制服っぽい感じという事で《グリーン》にしようと。
そんな色々なエッセンスを取り入れたダブルタキシードが、、、
合わせるパンツは、こちらも支配人に負けじと極太シルエット。これも動きをつけて時のことも考えてあるのですが、何よりも全体のシルエットを迫力のあるものにしたかったのでこの極太に。タキシードのパンツですから、側章(そくしょう)も忘れてはいけませんね。
コチラも支配人一緒で内緒で入れたネーム。《マッカーサーズスイート》と英語で入れてみました。スペル間違っていないか。。。と何回も確認しましたが、こちらは間違いなく入っていました。(ふぅ~一安心)
さあ、このダブルタキシードを着たエレガンスかつ重厚感のあるダブルを着たホテルマンの出で立ちはこんな感じです!!!
いかがですか???このエレガントなホテルマンは!!! どことなくこの写真からはロックスターか?!という雰囲気が!!! 先輩後輩とい間柄もよく出ているのではないでしょうか。これは役者さんの力ですね!!!
いや~何度見てもいい感じ。自画自賛は恥ずかしいのでここまでに。
しかし、こんな素敵な制服があるなら私もこのホテルでホテルマンとして働きたい、、、応募してみようかな、、、なんて架空の制服ですからね。でも制服って働くうえでの大切な要素ですよね。と、なんか話が脱線しそうですのでもとに戻します。
この衣装がステージで輝いてくれたことは、役者さんが纏っている写真から伝わってきますね。
本当はこの衣装が実際に躍動している姿を皆さんにもっともっと動画でも撮ってお見せしたかったのですが、スケジュールが合わず本番を見に行くことが叶わず。。。これも皆さんに謝らなければなりませんね。スミマセン。。。
ステージが無事成功したのか気になっているところこんなメールをいただきました。
無事講演終了したんだと、衣装を担当させていただいた私が一番安心してたりして。
普段なかなか見ることができないステージ衣装のご紹介でしたがいかがでしたでしょうか。
3つの衣装とも役者さんが着ることで命が吹き込まれて、何倍にも何百倍も良いものに。
それは今回のステージ衣装にかかわらず、通常のスーツでももちろん同じですね。
着る人がいてこそです。
着る人のことを思い考えて洋服を作る。この仕事の醍醐味ですね。
どんな洋服も全力で着る人に寄り添った1着をお仕立てすることを1番大切に考えていますので、ステージ衣装に限らず、お客様一人一人の思いを是非私にぶつけて下さいね。
全力でお応えします。
今回もステージ衣装を担当させていただいた、Kさんはじめ、ウキヨホテルプロジェクトの皆さん、本当にありがとうございました。
最後になりますが、、、私のインタビューがKさん主催の《ウキヨホテルプロジェクト》のホームページに掲載していただいています。ご興味のある方は是非覗いてみてください。