2023年1月20日更新
初代SHOPMASTERの吉村です。毎日寒い日が続きますがお元気ですか? “えっ?寒い?”そんなこと言ってはダメですよ。 青森や秋田、山形の縫製工場ではこの時期毎日が雪との戦いですから! さて 前回ご登場いただいた某大学理事長のジャケットが暮れに完成したので、皆さんにご紹介します! その前にちょっとおさらいをすると、、、 ご依頼は・・・
でも、このご注文、お受けするのは簡単ですが工場に縫製指示を出すのが本当に大変です。 なにせ、裏地が↑ですから、どこをどう使う等細かい指示が必要です。 しかも時期は師走の忙しい時期。 そこで初代SHOPMASTERは職権を乱用し、忠実なしもべにミッションを与えます。
今や東京店では欠かせない存在となった河本君は、何事にも前向き。 今回の理事長のジャケット職出しも、何事も経験!と考え、彼に託しましたが、こんな仕様書を作ってきました。
最近はデジタル発注もできるようになりましたが、複雑な仕様はやはり手書きでないとだめです。
この資料では、裏地のどこを中心にするか?を指示しています。 特に、女の子のイラストは一番のアイキャッチになる部分ですので、敢えて中心から外して位置するように指示※しているところが憎いですね! ※メインのイラストをどうして真ん中にしないかというと、真ん中にすると縫い込みがあるためイラスト(顔)が変形してしまうためです。→完成写真(後掲)をご覧ください。
ここでは、全体としての袖裏や見返しのパイピングの生地をどこから取るかまで指示しています。 細かいところまでニクイです。 正直、全国どこのテーラーを見てもここまで細かく指示出来る担当者は、そうはいないと思いますよ。しかもそれをプリントからオリジナルで用意するようなアホなお店はウチぐらいでしょう。(笑 いたずらに社員を褒めるのも良くないとは思いますが、河本君今回は本当によくやってくれました!ありがとう!(今回は“お客様ありがと~う”ではなく“河本君ありがと~う”かも知れません。) こうして河本君の手を借りた理事長ジャケット、暮れの最後に完成です! まずは、シレっとボディーに着せた画像をご覧ください。
どうですか? 新春のジャケットとしては爽やかで申し分ないでしょう。 柔らかい水色は上品で、GOODです。 さて、こんな上品なジャケット、ひとたび裏を見せると・・・(マウスを近づけてください) どうですか?チラ見せだけでこのインパクト! でもベースの色に水色やネイビーがメインですから驚きはしますが、色が合わない訳ではありません。 これだけ見ると、どうしたの?この派手な裏地!ってぐらいでしょうか。 では、これを更に全面で広げてみると・・・
どあっ~!!!凄いインパクト! これを見た人はさぞ驚き、すかさず理事長はこう言われるでしょう。 「どうしたのこの裏地!?」 そう言われたら、しめたもの。 「これ大学のイラストなんだ!うちの大学が使っているイラストを裏地にしたんだよ~」 こうなったら理事長の勝ちです。 「小さなイラスト1つ1つが学部を表してるんですよ!」とか 「学生たちの未来を1つ1つのイラストに込めたんですよ!」とか
多分、文科省の役人の方にはウケないかもしれませんが、学生に見せたら、すごく喜ぶんじゃないかな? こんなジャケットになりました。 最後に、スーツを広げてもらってパチリ!
そしてこの笑顔♪ 仕立て屋をやっていて本当に嬉しく思う一瞬です。 今回は唯一無二のオリジナルプリントの製作からジャケットの出来上がりまでをご案内しました。 実のところ、「じゃぁ、私にもオリジナル裏地作ってください!」と言われると時間と労力の関係から簡単には出来ません。 でも、もしこういったお話が20着30着とまとまるようでしたら同様のスキームでオリジナル裏地・ジャケットなどを作ることも可能です。 どうでしょうか? 会社の周年記念に、オリジナルプリント裏地! (あまり派手にすると社長の思惑と違い、ウケが悪くなるかもしれませんが) ヨシムラでの縫製は業界的にはイージーオーダーと呼ばれているオーダー方法ですが、イージーオーダーの枠組みをフル活用して、イージー(簡易)でない、ディフィカルト(難しい)イージーオーダーをするのがヨシムラの仕事です。 今年もどうぞよろしくお願いします!(初代SHOPMASTER 吉村雅隆)
今回は明海大学の宮田理事長に色々とお世話になりました。 このイラスト、東京駅周辺の方は京葉線へ行く 歩く歩道脇に掲載されていますのでので是非ご覧ください。
・・・って、撮影したのですが、既にイラストが変わってる! 不覚・・・