2023年8月7日更新 執筆者:東京店 河本
梅雨も明け、本格的な夏の季節がやってきましたね。 暑さの厳しい毎日ですが、皆さんどうぞお体には十分気をつけてお過ごしください。 さて 今回の「お客様ありがとう」では、私の友人であるA君より注文いただいた『40’s風のヴィンテージスラックス』が完成しましたので、そちらをご紹介します。 本題に入る前に、先ずは注文内容のおさらいを。 完成までの詳しいストーリーは【2023/5/12更新 40’sのヴィンテージ風スラックス!?】よりご覧いただけます。
A君は、雑誌や広告、MVをメインとするファッションスタイリスト。 仕事柄、服には人一倍拘りを持っていますが、その中でも特に好きなのがヴィンテージの洋服です。 ただ、なかなか身体にピッタリ合うスラックスを見つけることが出来ないため、今回ヨシムラでオーダーしてくれました。 そんなA君からの依頼は、『40’風のヴィンテージスラックス』を作ってほしいというものでした。 ポイントは大きく分けて3つ。
これが、A君の求める『40’sのヴィンテージ風スラックス』を実現させるための重要なポイントでした。 特に、絶妙なサイジングが必要となるシルエット作りにかなり苦労しましたが、果たして上手く仕上げることは出来たのでしょうか。 それでは、これより実際にA君にも登場いただき、完成した『40’s風のヴィンテージスラックス』を拘りポイントと共にご紹介させていただきます!
いかがですか!? 「40年代を感じるスラックス」にしっかり仕上がっているのではないしょうか。 今回一番のキモであり難関であったシルエット。こちらは、本来40‘sでは裾はダブルで股下はハーフクッションが一般的であったのに対し、今回A君の希望により裾はシングル、股下はワンクッションで設定しました。 その為、裾の溜まりがある分少し分かりづらいかもしれませんが、太いながらもダボっとし過ぎない良いシルエットを作ることは出来たのではないかと思います。 また、今回ヴィンテージの生地こそ用意することは出来ませんでしたが、ハリコシがあり、あまり今っぽくない奥行きのあるグリーンが印象的なYOSHIMURA ORIGINAL生地で仕立てたことで、ヴィンテージライクな雰囲気を醸し出せているものgoodポイントですね!
さて、全体像をご覧いただきましたので、続いてはA君の拘りが詰まった各デザインについてご紹介しましょう。
40年代はベルトではなく、サスペンダーが主流であったため、今回はベルトレス仕様で仕立てました。 ただ、よりデザイン性を高くするべく、通常のベルトレス仕様とは違い、オビ巾を5.0cmと太く設定、また持ち出しの長さも長くすることで、オーダーらしさを演出。 これぞ『オーダースラックス』というディテールです。 このように、オビ部分に大胆なアクセントを加えてあげると、襯衣 (上着の下、肌の上に着る衣類)とパンツの境目にメリハリをつけることが出来るため、A君のようなカットソーをタックインしたスタイルをされる方にはオススメです。
この時代の主流はノータックですので、A君が選んだのももちろんノータック。 このシルエットでタックを入れてしまうと、30‘Sスタイルのように寸胴のシルエットになってしまいますので、どこかすっきり見える40‘Sスタイルを再現するにはノータックがマストです。
サイド尾錠・フォブポケットは、40年代とは関係のないものの、オーダーらしさを出すのであればもってこいのディテールです。 特にノータックでオビ下部分に寂しさが出る分、フォブポケットは良いアクセントとなり、デザインを詰め込み過ぎていない程度のちょうど良い洒落感を演出してくれています。
また、ボタンも敢えて目立たせるような形、色を選び、生地とのコントラストを付けているところも粋ですね。 (ここにゴールドチェーンを持ってくるあたりもニクイね~、A君)
さて、このスラックスの仕上がりにA君の反応!?
と嬉しい言葉をもらいました! A君、今回はオーダーしてくれてありがとうございました。 なかなか難しい注文でしたが、なんとか無事納めることが出来、私もホッとしております。 良かった。。。 因みにA君、実はこの後もう2本追加でスラックスをオーダーしてくれました。 そのうち1本の生地はこんな感じ、
今回もなかなか面白い生地を選んいました。笑(こちらはヴィンテージの生地です) 只今絶賛作成中でございますが、ディテールも含め非常に面白い内容となっておりますので、またどこかの機会でお披露目できたらなと思っております。皆さん是非、楽しみにお待ちくださいね。