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お待たせしました!カントリーテイストなスリーピース完成


この原稿がupする頃はもう師走
今年は5月にコロナが5類に移行したこともあり、コロナ前の世の中にほぼ戻りつつあるので、忘年会も盛り上がりそうですね。
飲食店関係のお仕事をされている方にとっては待ってました!といった感じでしょう。
インバウンドでの外国人観光客も増え、ホテル業界もコロナでのマイナス分をようやく取り返せるようになってきましたからね、喜ばしいことだと思います。
ただ我々オーダー業界もコロナで大きくビジネスシーンが変わって大打撃を受けましたから、負けてられません、もっともっと頑張らねば。
まだ今年は終わっていませんが笑、来年は売上完全復活元年にするぞー!

PS:画像は先日の祝日に鹿児島は指宿市にある開聞岳の頂上からの景色です。
標高低い(924m)から完全に舐めてました,,,,, 3合目の時点で汗だく&脚パンパン、山形の月山よりキツかったけど天気に恵まれたし、達成感と景色でしんどさも吹っ飛びました。
やっぱり山は良いですな笑

さて、今回は先日YOSHIMURAの古参リピーターでいらっしゃるFさんより頂いた【カントリーテイストなスリーピース】がようやく完成&撮影が完了しましたので、そちらをご紹介したいと思います。

完成画像をご紹介する前にご注文に至った経緯は下記を御覧頂くとして

カントリーテイストなスリーピース

今回Fさんからのご注文はそもそも【4ply vintage archiveの杢調生地のダークグリーン】をベースに、基本デザインやポケットの形状、裏地や細かなディテールにFさんのコダワリを反映させたところ、非常にカントリーテイスト溢れるスリーピースに仕上がりまして、そのご要望の数は近年稀に見る多さでした笑
久しぶりに仕様書の作成にかなりの時間を費やしましたが、その苦労が実った仕上りになったかと思います。
早速、画像を御覧頂きながらFさんコダワリpointをご紹介してまいりましょう。

まず最初に今回のご注文でFさんが最も重要視していたpoint、それがジャケットのVゾーンからのベストの見え方胸ポケットの形状です。
上記画像の右側、Fさんから頂いた参考画像(上部左)とでは生地感及びサイズ感が異なるので寸分違わずとまではいきませんが、概ね近い見え方に仕上がっているかと思います。
このpointは仕上がり後の調整は絶対に不可能ですので、前回のご注文時(下記画像)にFさんの私物と当店の見本服とを合わせて細かな調整を行ったことにより得られた結果と言えるでしょう。

続いてのpoint、胸ポケットの形状ですが、こちらも参考に頂いた画像(下部右)のように綺麗に右上がりになっていることがお分かりになられるかと思います。
これは型紙作成の必要も無く、工場の現場担当者の努力のお陰で無事具現化出来ました。
こういうことがあるとしみじみウチの工場は器用というか、出来る限りのことはやってくれるよな、と嬉しくなってしまいます。
誰しも面倒くさいことは出来る限りやりたくない、というのが本音かと思いますが、それを面倒臭がらずにやってくれるのは有難い限りです。

続きましてはパンツの腰裏、縞スレキです。

当初Fさんはこの縞スレキをベストの胴裏に使用したいとのことでしたが、前回もご説明したように、この縞スレキは腰裏に当たる部分の幅でカットされたテープ状となっているため、ベストの裏地に使用するには何枚も継ぎ合わせなければならないので、この点はFさんにご説明した上で、代替案であるジャケットの袖裏ストライプ地を採用致しました。

また前回のいらっしゃいの原稿内でご紹介した縞スレキの画像はオフ白の物を使用しておりましたが、これは私個人的な考えで濃紺の物を使用するよう指示致しました。
何故かと申しますと、薄い色目の物は何年も着用しているとどうしても薄汚れてくるのが嫌でして、表地が白やオフ白のように透ける可能性のある生地以外は全て濃色系の物を使用するようにしております。
見えない部分とは言え、やはり汚れは目立たない方が良いですもんね。

さぁ、どんどん行きますよ、続いて

カントリーテイストなディテールと言えば,,,,,幾つか思い浮かぶかと思いますが、代表的なものを挙げますと、エルボーパッチに4パッチポケット、レザーボタン、ノーフォークに、このバックベルトといったところではないでしょうか?
共布(同じ生地)でベルトを作成、それをミシンで縫い付けるとグッとカントリーな雰囲気に仕上がりますし、ウエストのシェイプを強調する効果もあります。
今回の仕上りを見て、このバックベルトのように共布でエルボーパッチをお付けしたらどうですか?とご提案すればよかったかなと。
採用されるかどうかは別として、よりカントリーテイストを出すのであればご提案すべきだったと反省しております、私もまだまだ未熟です笑

続いては

Fさんからのご要望はインの1タックで、しかもタック量を多く取るというもの。
通常1タックの場合、デフォルトで4cmのタック量となりますが、今回は1cm多く5cmにてお仕立て致しました。
タック量を多く取るということはその分前身頃の分量が増えるので、パンツのヒップ廻りの仕上り寸法が大きくなる、つまりゆとりのある仕上りになるということです。
効果の程としてはタックの開きがより目立たなくなり、エレガントさが増すといったところでしょうか。
画像を見てお分かり頂けるかと思いますが、しっかりと折り目が付いているでしょう。
細身ですっきりとしたシルエットの場合はもちろんノータックになりますが、タックが開いておらず、ピシっと折り目が付いたプリーツパンツの方がよりエレガントに見えるのでスーツに品の良さ、きちんと着ている感をお求めの方には断然プリーツ付きをおススメします。

以上、今回Fさんコダワリのデザインpoint5つをピックアップし、ご紹介させて頂きました。
本当はもっと早くにUPしたかったのですが、ありがとうでご紹介するにあたり、どうしてもFさんにご来店頂いた上でご試着姿を撮影したかったので、このタイミングになってしまいました、すいませんでした。

ただFさんにも大変ご満足頂けましたし、なんとお引き取りに合わせて今回のパンツの仕様と同じくで2本の追加注文を頂けました!
これは嬉しい!だって自分の仕事が評価されたということですからね、こんな嬉しいことはありません。
Fさん、今回ご協力頂き、この場を借りてお礼申し上げます、ありがとうございました。
またコダワリのご注文お待ちしてますね。

PS1:帰り際、Fさんから"YOSIMURAさんにお世話になるようになって20年、初めてHPに取り上げてもらいました、念願叶って嬉しいです"とのお言葉を頂きました。
あ〜やっぱり皆さん、自分のオーダーした物を紹介してほしいと思っていらっしゃるんだな、皆さんに支えられとるな、としみじみ嬉しくなりました。
コダワリ満載のご注文であればガンガン紹介して行きますから、取り上げて欲しいと思っている方、お待ちしております!

PS2:大阪店が今の店舗に移転してくる前、西区靱本町にあった頃、初代東京ShopMasterから"仕様書は汚してナンボだ!"とよく叱られました。
要は仕様書に書き込む量が多ければ多い程、お客様の満足度が上がるということなんですが、今回のFさんの仕様書を作成してふとその言葉を思い出しました。
初心忘るべからず、ですね。

皆さん、ではまた次回


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