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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
 フルオーダーのご感想 
月が変わり、そろそろ街は初冬の装い、そしてこれもあと1月もすればクリスマスに衣替えですね。
今年もゴールが近づいてきました。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

さて...今月のお客様ありがとうコーナーでは先月のいらっしゃ〜いでご紹介したフルオーダー仕上がりを皆さんにご紹介したいと思います。
ちょうど今回の更新ではフルオーダー工場を使ったコートのサービス企画も実施しますので、是非参考にしてみて下さい。

それでは、誰からご紹介しようかな・・・
ん〜っ、やっぱり一番感激していただいたKさんからかな...

□ 武蔵野市にお住まいのKさん □
Kさんは前編のいらっしゃいでもご紹介したスーツ好きな20代後半(30代前半?)のお客様。
とてもとても楽しみにされた上でのご試着でした。

試着姿をご紹介する前に、Kさんのポイントを簡単に説明すると・・・

ポイント-1:スタイリッシュなデザイン
>>> スーツは身体に合わせるのが最も大切なこと。
でもその身体はお客様によってまちまちです。背の高い人もいればお太りの方もいる。
そんな中 Kさんはお若いこともあり、非常に仕立て映えのする格好良いご体型でした。
胸は厚いし、ウエストは引き締まっている。それ故、その身体の良さを最大限アピールできるようスマートなシルエットをご希望でした。
いかがですか、綺麗にウエストが絞られていてスタイリッシュですね。

ポイント-2:超美脚パンツ
>>> 前述の通り、体型的に綺麗なKさんは、これまで既製服に合わせると無駄なゆとりが出てしまいそれが嫌だったようです。
そしてそれは特にパンツのヒップ下のダボつきに現れていたようでパンツのシルエットも仮縫い時にはかなり気にしていました。
仮縫いでは工場長から『あんまり絞りすぎると足を出しにくくなりますよ...』と注意されつつも、どうしても譲れないということで、「分かりました。生地の癖取りをできるだけして何とか頑張りましょう!」ということに。

そして仕上がったのがこちら >>>
どうですか?お尻に食い込む一歩手前の超美脚シルエット
普段から美脚パンツには私もこだわりを持っていますが、さすがにここまでは仮縫いなしには出来ないぎりぎりのレベルです。恐れ入りました。

ポイント-3:美しいディテール
>>> 前編でちょっとイメージ画像を掲載しましたが、Kさんはスーツ好きだけあって何が縫製上難しく、何が簡単か、よくご存じでした。
そこで言われたことが「チケットポケットとパンツの腰ポケットをカーヴさせて欲しい」という難題。

そしてこれはこんな風な仕上がりに・・・

いかがですか?
チケットポケットはちょっと丸みが少ないので分かりにくいですがズボンのポケットは綺麗なカーブになっていますよね。
う〜ん、これは絶対ハンドでないと出来ないし、中国製フルハンドでも無理だろうな・・・
日本の伝統技術のなせる技です!

他にもKさんのスーツはご覧いただくポイントは多いのですが、紙面の都合上割愛させていただき、次はKさんから頂いたご感想メールのご紹介です。
05.10.25 件名:Re:土曜日はありがとうございました。
吉村店長さま
こんばんは、武蔵野市のKです。 こちらこそ土曜日はありがとうございました。
また、三久服装の皆様の熱意が伝わる報告書ありがとうございました。

ご推察のとおり、本日出陣いたしました(笑)。
一言「
完璧!」期待通りの素晴らしいスーツを仕立てていただきました。
吉井工場長の言葉とおり、生地は嘘をつかなかったです!

肩の収まり、背中のフィット感等、枚挙に遑が無く、一日中着ていましたが、軽くとても快適でした。
ただ、本日はデスクワークが多くシワになってしまいました
(T-T)

ディテールも大満足です。
特にパンツの「
カーブポケット」「パンチェリーナ」は最高です。
用を足すとき、ひとりで悦に入ってしましました
(^_^ゞ
当然の事ながら、家内、同僚の反応もとても良かったです♪

次は「仕事でガンガン着まわせるスーツ」をお願い致します。
色はダークグレー系、気を使わず、出張時にシワになり難い生地がいいですね。
1.リーズナブルな生地でフルオーダーにするか
2.それともゼニア「トラベラー」あたりでイージーオーダーするか
イージーオーダーでどの程度フルオーダーに近づくのでしょうか?
うーん、悩みが尽きません。。。

最後に秋も深まり、そろそろ冷え込んで参りました。
スタッフの皆様にはお風邪など召されませぬようお願い申し上げます。
今回は本当にありがとうございました。(武蔵野市 K)
★☆★ 東京SHOPMASTERより一言・・・ ★☆★

Kさん、過分なご感想ありがとうございました。
フルオーダーはお客様から見れば非常に高価に思われると思いますが、実は ご注文・仮縫い・フィッティング・報告書作成と、私共にとっては従来の2〜3倍の労力を掛けてお仕立てしています。
フルオーダーでご注文のお客様には事後的に縫製報告書をお届けしております。後ほどご紹介します。
それ故、正直手間と値段が見合っていないのが偽らざる事実ですが、こういったお言葉を頂けると販売者である当社も作り手である縫製工場も本当に嬉しいです。

吉井率いる当工場も、これまではご年輩のお客様を中心にディテールやシルエットなどこだわりを持たないお金持ちのご注文が多かったでしょうから今回のような今風のゴージの高いデザインや腰ポケットをカーブさせることなどきっと精神的にもかなりのプレッシャーが掛かったと思いますが、こうしてお客様の生の声を聞かせていただき、きっと苦労が報われたと思います。
Kさん、お作りした型紙はキチンと保管していますのでいつでもご相談下さいね

□ 続きましては 熊谷市のYさん □
Yさんはお仕事がお忙しく工場長とスケジュール調整ができずやむなく工場にてフィッティングを行い、一部お直しを加えた上で最終的に東京店にて最終フィッティングを行いました。
ただ、大変残念なことにちょうど私が仕入先との折衝で問題があり、お約束の時間に間に合わず直接ご試着を承ることが出来なかったので、仕上がり画像とディテールを少しだけご紹介。

ポイント-1:今風のデザイン
>>> フルオーダーというと皆さんまず牽制するのは、年輩の方向けのデザインではないか?ということ。
画像をご覧いただいてどうですか?
さすがに高価な生地(ゼニアTROFEO)を使っていますのでトレンド最先端までトンガリませんが、トレンドも取り入れつつ良い感じのデザインですね。

ポイント-2:微妙に違うバルカポケット
>>> バルカポケットというのは胸ポケットの下側を緩やかにカーブさせ、胸の厚みに合わせ綺麗に見せる技巧。
このポケットそのものは昨今のイージーオーダーでも出来るようになりましたが、パッと見ると分かりませんが、手の掛かる仕事というのは画像の部分に現れます。
赤丸を付けた部分角が丸くなっているのがご覧頂けますか?
この角を丸める作業というのは、一般には織り込むだけですから、そこを内側に生地を丁寧に差し込んでいくことで行いますのでかなりの手間と時間を掛けないとここまでは出来ません。
目立たない所ですがこういった所にハンドメイドの手間暇をかけた証があるのです。

ポイント-3:柄合わせ
>>> 縫製工場にとって柄合わせは「must」ではありませんが出来る限り美しく見せるという考えの元、できるだけ善処したいところです。
今回のYさんの仕上がりでは特に内ポケット周りが見事でした。(検品で気付きました!)
いかがですか?
内ポケットの玉縁とお台場周りの生地のストライプがピッタリ合っていますよね。
この辺、お客様が気付かれるかどうか別として、作っている職人さんは絶対に!意識していますよ。...ねぇ、斉藤さん(←担当の職人さんです)

□ 最後は、長野から単身赴任中のNさん □
Nさんは仮縫いを行う土曜日には、単身赴任中故にご自宅長野へ戻ってしまうためスケジュール調整ができずやむなく縫製工場にて仮縫いを行ない、その際に 作り手の話を聞けて、作っている現場を垣間見れて良かったとコメントいただいた方です。
そしてお仕立ての内容については、前編いらっしゃ〜いでは紙面の関係でご紹介できませんでしたが、実はNさんはご体型的にこれまでスーツでは非常に苦労された方でした。
だからこそののフルオーダーだったのですがポイントはこんな所でした。

ポイント-1:強い前肩
 
前肩とは肩先が前方へ向いている状態を言い日本人に一番多い体型です。
>>> Nさんは従来からイージーオーダーでのリピーターすが、非常に前肩状態がキツイ上にタイトなフィッティングがお好みのため肩幅を標準よりややタイトにするため尚更肩が浮きやすいという何点がありました。
正直申し上げるとこれまでの当店でのイージーオーダーでは一度たりとも100%満足いただける物は仕上げられませんでした。(悔しいですが事実です)
そこで初チャレンジのフルオーダーでしたが、工場長の判断で強めの前肩補正の上、それとは別途次のような処置をしました。
肩パッドをやや後ろに付ける
肩パッドの前肩部分の中綿を抜き、前肩の当たりを和らげる

参考までにその時の補正伝票を掲載しますとこんな感じ...(恐ろしいほど補正が入っています!)



ポイント-2:強いウエスト絞り
>>> ウエスト絞りを強調して欲しいというのもNさんのご要望でした。
(肩入れの話の後だとあまり難しくなさそうですね...)
仮縫い時Nさんがこだわられたのは仮縫いで具体的にイメージの出来る仕上がり寸法の微調整と、Nさんの発案でウエストラインの細さを強調するため内ポケットの底をウエストラインより上に設定したこと。
(Nさんが内ポケットに名刺入れ程度の物しか入れないため、結果的に実用重視なのですが...)
ここまで具体的に場所決めが出来るのも仮縫いの良さかも知れませんね。

いかがでしょうか?
画像が少ないので分かりにくいと思いますので、それではNさんにお送りした仕上がり報告書でご案内しましょう。
フルオーダーの皆さんには仮縫い時やフィッティング時に出来るだけ写真を撮り次のような報告書をお送りします。

報告書、ご覧頂けましたか?
一部雛形的な部分もありますが、基本は全て個別に作成しています。
手間は掛かりますが、こうしてカルテみたいな物を受け取るのもフルオーダーならではで良いのではないでしょうか?

で、最終的なご試着の方はどうだったかというと...もちろんバッチリでした!
それどころか、これまでの未解決だった肩周りの問題が解消され、Nさんも大喜び。
気を良くしたNさんはそこでもう1着ご注文!!ということになったのですが、さすがに全てのスーツをフルオーダーにするにはちょっと奥様の視線が怖いと言うことで...
何と掟破りの・・・フルオーダー型紙をイージーオーダー工場へ持ち込み!!
という荒技に出てしまいました。

こういった事は、ホントはお店の経営的には良くないのだと思いますが、Nさんもフルオーダーにご満足いただきましたし、吉井工場長をはじめ工場スタッフの努力をお認め下さいましたのできっと3〜4着に一度は今後もフルオーダーをご注文いただけるということで、それぞれの良い所(フルオーダーの技術、イージーオーダーの価格)の言いトコ取りをすることにいたしました。

★☆★ 東京SHOPMASTERより一言・・・ ★☆★

こうしてフルオーダーの皆さんを何名かご紹介してみましたが、皆さんご覧になられていかがですか?
いや〜、お店の負担もさることながらお客様の金銭的負担時間的負担も大変ですね〜。
でも、フルオーダーの一番良い所はこの負担の部分なのではないでしょうか?
特に時間的負担は休みの少ないビジネスマンにとっては苦痛ですが、でも見方を変えれば愉しみでもあるはずです。
これを「苦痛」と捉えず、「愉しみ」と考えられる方、ただ今募集中です。

□ おまけ(ちょっと宣伝)□
このようにフルオーダーではかなり色んなことが出来ますが、やっぱり普通の人にとってはなかなか触れるチャンスの少ない高嶺の花だと思います。(私も自分のスーツを自腹で払っていますが、毎度だとチト苦しいです)
そこで、本稿アップと同時に掲載するサービス企画で、スーツではなくコートですが本工場を利用したハンドメイド仕立てのコートを格安提供いたします。(ただし、仮縫いは行いません)

詳細はこちらですのでどうぞご覧下さい。
 >> 新着情報:サービス企画開催します!