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〜大阪編〜 こんな衣装も承ります! Part.2
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今やワールドカップに明け暮れる毎日、日本はいきなり初戦敗戦と厳しいスタートとなりました。( この原稿を書いているのはちょうど6/13でした ) WBCの奇跡をもう一度!と願うのはちょっぴり厚かましいかな... 私のような、にわかサッカーファンまでTVの前で一人前に能書きを垂れるのですから、やってる選手は大変ですよね。 ワールドカップと我々重衣料アパレルはさほど関係はありませんが、それでも日本代表団のスーツは某ブランドで一着数十万だの、某国は某デザイナーがじきじきのデザインだのと、その熱狂に一役は買っています。 「あのプレイヤーが着ているあのブランドがカッコイイので是非私も!」とばかり、お店に走られるお客様もさぞやおられることでしょう。 そこで今回は、そんな憧れのモデルのイメージを再現したスーツをオーダーされたお客様をお二人をご紹介したいと思います。 はたしてうまくいきましたかどうか? それでは、まず最初のお客さまはビートルズバンドの制服でご注文いただいた、Mさんです。 題して...「 ようやく完成、長〜いありがとう 」です。 |
ビートルズバンドの制服と聞いてアレッ?前にもあったよね?と、ピンときた貴方は立派なヨシムラ通です。 そうです、今を去る事ちょうど1年前の6月、こんな制服(衣装)も承ります!のコーナーでWebに登場して頂いていました。 記憶の良いお客さまならご存知の通り、あの稿にはその後掲載されるはずの仕上がりをご紹介する「お客様ありがとう!」がなかったのです。(仕上がりを楽しみにされていたお客さま、スイマセンでした) そこで気になるのは、なぜ続編の「お客さまありがとう!」がなかったのか?ということですが、実は残念なことに仕上がりのイメージが違っていたからでした。 具体的に言うと、たった1つだけ、衿幅の太さがイメージと違っていたためご満足いただけず、最終的にWeb掲載までに至りませんでした。 「えっ?衿幅ひとつで?」と思われる方もおられるかも知れませんが、見た目からもビートルズそっくりになりきりたい!とのTさんの熱烈な想いには私も脱帽しました。 |
このような経緯もあって、Tさんとはその後しばらくお会いする機会がなかったのですが、そのTさんがひょっこり1年ぶりで尋ねてこられたのが先月で、バンドの新しい仲間を伴ってご来店されました。 そうです、最後のメンバー真打ちリンゴスター役Mさんの登場です。 (昨年のご注文当時のバンドのメンバーは、ジョージ、ジョン、ポールの3人でした。) そこで昨年の汚名返上とばかり、今回は特に衿巾を中心に打ち合わせを重ね、以下のような内容でお仕立てさせて頂きました。 (お仕立て内容は前回同様ですが、おさらいの意味もこめてポイントだけ掲載します。) ● 色はブラック無地 ● シングル4ツボタン ● 上衿にはベルベットを付けて ● 衿巾は6センチで >>>思いっきり細いです! ● 上着丈はバランスの許す限り短く! ...これで立派なビートルズコスチュームのコピー完成です。 基本的には昨年が完成形でしたので、それに少しだけ手を加えました。 |
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リンゴスターと言えばドラムスの担当、他のメンバーのように立ってのボーカルや演奏と違い座りっぱなしのポジションはそれなりの苦労もあります。 それだけに、サイズ面で出来ればこうして欲しいなという要望もありました。 ◆ 4ツボタンでビシッときめながらの演奏ですが、実際には両手でスティックを振り回すので、胸や腕周りの窮屈感を少しでもやわらげたい >>>前ボタンを留めてのプレイは想定外ですが、バスト周りに少しゆとりを持たせ、アームホールは逆に小さくすることで手を前に出しやすいようにしました。 ◆ 座りっぱなしでいると腰回りやももの周りなども圧迫されるので、これもできるだけカバーしてほしい >>>ライトを浴びての座りっぱなしの叩きっぱなしでは、汗みどろで生地もたまりませんが、上着同様パンツのサイズにも一工夫が必要ということで、ワタリ幅(太股の幅のこと)や膝をタイトにする代わりに、ヒップ周りにゆとりを持たせました。 こちらは実際に椅子に座って頂きイメージを確認して貰いましたが、動きやすいと好評でした。 画像は何となくスティックを振っている雰囲気ですね。 ◆ 裾巾の太さは、バスドラムのペダルが踏み込んで帰って来た時にスポッとパンツの裾に入り込まない程度の太さに >>>ここら辺りはドラマーならではのポイントです。 ペダルのアタマは5センチ程度ですが、それが入り込まないとなると裾巾は15センチくらい? さすがにこれでは狭すぎてバランスが取れませんので、画像のように裾口を靴下の中に入れてとお願いしました。 ◆ ↑とは少々矛盾しますが、入場する際のメンバー紹介もあるのでステージで映えるように細身で格好良く >>>最後にこれはお約束ですね、ハイ 承知しました。 |
今回でようやくバンドのリーダーのTさんからも合格点を頂くことができました。 何せ、我々団塊の世代はビートルズ世代、ビートルズと共に青春を過ごしてきた世代です。 それだけに、Mさんのようなビートルズがバリバリ活躍していた頃をまったくご存じない若い人達までを虜にするのは、嬉しくもあり誇らしいかぎりです。 お陰で今回のお仕立てには思い入れたっぷりで、あの当時を思い出しながら楽しくお仕立てさせていただきました。 あっ、そうそう最後に今回の皆さんのバンド名は「フィールズ」です。 どこかで「フィールズ」の公演を見かけられましたら、あのスーツが!と、思い出して頂ければ幸いです。 |
次にご紹介するお客さまは、映画の画面から惹かれてあんなスーツが欲しいな〜というご相談を頂いたIさんです。 こういったケースはかつての「マトリックス」でもお馴染みですが、今回はあそこまでのデザイン性に富んだものではありませんでした。 それでは、まずは頂いたメールからご紹介します。
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文面から拝読しますとかなり深刻そうですが、そんな時頼りになるのがお助けマンこと他ならぬ当社です。 「今まで幾多のお困りの人を助けてきたことか、この実績を見よ!」と少々力んでしまいました。 早速「大丈夫です、お任せ下さい」とご返事したものの、より忠実的に雰囲気を盗み取ろうと念入りにwebサイトをチェックしながら、予行練習に励みました。 ご来店いただいたIさん、口で説明するよりは...とわざわざコラテラルのDVDをご持参頂きました。 |
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そこで早速ご持参されたDVDの冒頭の一部を揃って見ましたが、案外スーツ姿がはっきりと静止状態で映っている場面が少なく、大きな特徴としてはこんな感じかな?というようなご相談を交えた上で、お仕立てに取り掛かりました。 トムクルーズ扮する殺し屋のデザインとしては... ● 色目はグレー無地 >>>さすがに画面からは質感は分かりづらく、日本毛織のミディアムグレー(G3015)が色合い的に良いのでは・・・となりました。 ● 衿は細めのナローラペル >>>見たところ衿の雰囲気は流行のハイゴージではなさそうでしたので、当社で言うところのハイゴージAで、巾も7センチ程度で指定しました。 最近はちょっと見ないスタイルですからこれだけでも既製服で探すのは大変ですね。 ● 前ボタンは1で釦位置は低め >>>この辺は映画を見た印象から決めました。 これまた珍しい。。。 ● ベントはサイドで >>>実は、、、DVDを観ても後ろ姿はあいにく確認できませんでした。 がサイドのような雰囲気でしたので、、、(誰か知ってる人がいれば教えてください。。。) ● フロントカットは直線的に >>>これもスーツの大きな特徴の1つですが、当社仕様のスクウェアがぴったりでした。 ...と言うところで仕上がりはこんな風になりました。 はてさて、和風トムクルーズばりになったでしょうか? |
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出来上がりをお納めしてから数日後、Iさんから頂いたメールにはこのようなコメントが書かれていました。
...と言うところで、今回はギリギリ合格点を頂けたかな?というところだったようです。 Iさん、こちらこそこれからもよろしくお願いします。 |
「日本人は肩でスーツを着る」と言いますが、欧米人は胸で着るというのが私の見方です。 胸、つまり胸筋の発達度によりスーツはよりフィットし立体的に見え、引き立ちます。 ところが残念な事に我ら日本男子はここが薄い! おまけに撫で肩ときていますからキモノを着るにはピッタリときています。(恐るべしDNA) イタリア野郎が身体のラインに添ったセクシーなスタイルをチョイス出来るのも、その持ち合わせた体型の恩恵を受けているのは間違いないところですね。 よし、私も今からでも遅くない、ボディ作りに磨きをかけますか! と言いたい所ですが、なにせ五十肩で腕さえも上がらない、、、トホホ。 代わりに「 お〜い、一野、これから鍛えてスーツの似合う体型を目指せ!! 」 |
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...ん?またオレ?(by 一野)
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