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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
 さぁ〜、これからが出番です! 
さすがに9月の声を聞きますと朝晩もめっきりと涼しくなりますね。
とは言え、日中は今だ残暑も厳しく大阪では30度を超える日もちらほらとあります。
毎年のことながら、秋の訪れはゆっくりともどかしいものです。

そして、気温と共に気になるのが朝晩の通勤の折りの男性の上着 着用率です。
悲しい習性ですがこれも商売の一環、これから先はコートもウォッチの対象です。
ちなみに、8月末では上着の着用率は1割でしたが、さすがにここ2〜3日の冷え込みで一気に増加し今は4割といったところでしょうか。
もちろん全て夏物で、この分では秋冬物の着用姿が見られるのは例年通り10月中旬かと思います。
(いずれも9月8日現在の関西のお話しで、比べて関東はさすがに真夏でも着用率は高いようです。)

さて、9月も半ばになりようやく秋めいてきましたので、本来ならばここは秋物の仕上がりをご紹介しご注文にもつなげたいのですが、う〜ん残念...
あいにくいずれのご注文も工場で只今懸命に縫製中でして、仕上がりはもう少し先になりそうです。

そこで、今回は行く夏を惜しむかのように、先月開催したゼニアのサービス企画にご参加頂いたお客様の商品がドンドンと仕上がってきましたので、その中のお1人、Oさんの出来上がりをご紹介したいと思います。
春夏物といえど、夏〜秋向けの色柄でまさに今こそがベストシーズン!かなり重宝する代物です。
ちなみに、Oさんというお客様は、昨年にもマッチョマンとしてご登場頂いた、Oさんです。
それでは、まずは頂いたメールからどうぞ!
06.08.08  件名:サービス企画注文

こんばんは 清水さん・一野さん
バーゲン期間に行けなかったんですが、サービス企画最高ですwww
初ゼニアですw よろしくお願いいたします。
で、基本的には紺ブレなのですが、迷っています。
メタルボタンにするか、しないか・・

後は決まっていますので、オーダーシートでなくご迷惑をかけます。m(__)m
3ボタン 段返り(多分ここだけブレザー風)
肩はお勧めのマニカカミーチャ仕様やナチュナルショルダーは私の体型にはに合わないと思いますので・・(-_-)
肩パットはいつもの通りと、胸ダーツもガ〜ンと入れてください。(^.^)
コージーライン・丈等も前回の紺スーツと同じでお願いします。
ただ、フロントカットは丸目でお願いします。
ポケットは腰がアウトポケットで胸は箱でお願いします。
ベントはサイドベンツ

問題のボタンです。
メタルだと金色でツルとした表面に刻印等の加工のないものが希望です。

あと、生地的にメタルより水牛ボタンのほうがお勧めでしょうか?
水牛ボタンの場合は4つ重ねの本切羽でお願いします。
メタルなら2つ。
あと、裏地はキュプラで水色か淡いピンクで涼しい感じでお願いします。

お勧め等ありましたら、教えてください。
よろしくお願いいたします。  (和歌山県 O)
★☆★ 大阪SHOPMASTERより一言・・・ ★☆★

すごいですね、絵文字タップリの Oさんらしくない(失礼!)カワイイお便りです。
サービス企画には初めて応募されたのですが、以前より紺ブレが欲しいとおっしゃっていましたので、格好の企画と喜んでいただけようです。

それでは、出来上がりをご覧頂く前にOさんの仕様をご紹介します。

素材は...
Eゼニアのシルクウールリネンの紺色です。(品番:BL3261)

シーズン半ばまではサンプル帳に「同品で紺あり」と表示のみされていたのですが、紺ブレが今の旬と言うことから売れ筋に間違いなしと、あえて生地の見本は掲載していませんでした。
おまけに構成はウール53%、リネン31%、シルク16%と、ラグジュアリー感のあるイイトコ取りの固まりのような素材です。
同じ紺ブレでも濃い紺はビジネス感が先行しますが、明るめはカジュアルさがたっぷりなので、これからの秋の行楽にはもってこいですね。
ボタンは...
茶色のナットボタン
紺ブレはボタンが大きなウエートを占めるのはご存知の通り。
最初のメールでは、メタルか水牛かでお悩みの様子でしたが、紺地にはナットの茶をぜひとお勧めしたところ、そちらを採用いただきました。
紺地に茶色とは?と首を傾げる方もありますが、これぞ通な合わせ方とお勧めしています。
紺地に黒のボタンはお馴染みのセオリーですが、そこを茶色のボタンひとつ付けるだけでこだわりを表現し、それがビジネスからオフタイムまでにと守備範囲を広げます。

ところで、
ナットボタンとは...ココナッツボタンの略で、南米エクアドル産のタグワ椰子の硬い皮を削って作った物です。
使い込む内に手の油分がこびりつき、得も言われぬ風合いを醸しだします。
また、バー●リーなどのスーツにはナット表面にブランドロゴを刻印してお馴染みですが、本来はカジュアル性を演出する小道具の一つです。
ただ、近年はその素朴な表面感はエコロジーブームの影響か人気が高く、ビジネスからカジュアルまで意外と広く用いられています。

ちなみに、今回使用のナットボタンはこのような色のバラエティがあります。
お好みや素材に合わせてお選び下さい。
上から、黒、焦げ茶、茶、キャラメル、オフホワイトです。
裏地は...
爽やか&少し可愛さも持ち合わせた白地にピンクのストライプです。
それでは、仕上がりをご覧下さい。

こちらは改めてご紹介するまでもなく、マッチョOさんのボディは健在です。
う〜ん...と、胸を張ってくださいとお願いしているわけではなく、これが通常のリラックスした姿勢です。
なんたる巨乳!(失礼)この体型を維持されるには影に恐らく涙ぐましい努力があるのでしょうね。

ただ、Oさんの体型にフィットさせるにはこちらもそれなりの苦労談がありまして...
話せば長くなりますので、ご興味を持たれた方はバックナンバーの「マッチョな方にも朗報です」をご覧下さい。


そして、ご試着当日のコーディネートはというと...
ボトムは紺ブレに合わせた白のパンツにライトブラウンの靴と、上級者編のセットアップになりました。
紺ブレはボトムの合わせ方次第で制服っぽくなる危険性を孕らんでいますので、この辺りは注意するポイントです。
★☆★ 大阪SHOPMASTERより一言・・・ ★☆★

秋色夏素材」とは、業界用語で生地は夏の残暑にも対応できる薄手にも関わらず、反して色目は濃く、秋口の着用を意識した素材を総称して呼びます。

ちょうどこのOさんのジャケットはそれにドンズバ、今からが本番でご利用が多くなりそうです。
ちなみに、これからの秋冬物の紺ブレのラインナップは、フラノ地から、コットン素材あるいは最高級のカシミア地までと豊富に揃えてご用命をお待ちしています。
今シーズンもどうぞよろしくお願いします。