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出来たかな?ポールスミスの彩り
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東京でも朝晩冷え込むようになり、北の大地北海道では初雪も降ったとのこと、連日の好天もそろそろ秋晴れから冬晴れと言わなくてはならなくなりました。 皆さん、風邪などは引かれていませんか? さて 11月も半ばになり本格的に冬支度をする時期となりましたが、今月は冬物スーツのアイデアの一助になればということで先月ご紹介したポールスミス風のスーツ最新版の出来上がりをご紹介したいと思います。 前編のお客様をご覧になられていない方はこちらと併せてご覧下さい。 ご登場いただくMさんはとあるオークションサイト(?)からポールスミスらしいスーツの画像を添付いただきご相談になられました。 どんなところがポイントだったかというと・・・ |
□ スーツの外見は・・・ □ | |||||
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□ スーツの内側は・・・ □ | |
ご注文に当たってMさんから特に依頼を受けたのはスーツの表側よりもむしろ裏側でした。 画像のようにポールスミスでは裏地の前身頃と後ろ身頃で色を分け、加えて内ポケット玉縁の色まで分けて合計3色のカラーリングを楽しんでいます。 Mさんもこれを取り入れたいとのご要望でした。 ポールスミスならではの彩りですね。 |
そして、ご注文の方は上記をポイントに次のアレンジを加えてご注文をお受けしました。
こんなアレンジを加えてみましたが、さて、仕上がりはどうでしょうか? それでは早速仕上がりのご紹介です! |
■ 全体は・・・ ■ | |||
ポールスミスは既製服、当店はオーダーですので全く同じような仕上がりにはなりませんが、Mさんのご体型を加味した仕上がり全体像はこんな風になりました。
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いかがでしょうか? タイトさ加減というのはサイズに依存しますし、裏で絞ればそれっぽく出来てしまいますが、外見的な雰囲気はだいたい近い物になったのではないでしょうか? |
■ ディテール(スーツの内側)は・・・ ■ | |
そして、ポイントとなるスーツの内側はさてさてどうなったでしょうか? まずは画像をご覧下さい。 お台場仕立ての部分が大きく雰囲気を変えていますが、前身頃を濃紺にして、後ろ身頃をメタリックな感の出るブラウン(Z494-7)にしてみましたがなかなかカラフルですね。 質感までは画像では分かりませんが、内ポケット玉縁のスウェードも良いアクセントになっています。 ふ〜っ、何とかポールスミス風出来たゾ! 検品も自ら済ませて、よ〜し、Mさんに仕上がり連絡だ〜 するとMさんから早速配送依頼のメールが...(ホントはご試着にお越し頂きたかった!) 仕事の方がお忙しいようですね... 致し方ありません。 そこで、仕上がりをお送りしてお受け取りになられた頃、こんなメールをいたしました。 |
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よし!、これでMさんからご感想頂ければWebでもご紹介できるし、良い感じに仕上がっているからきっと良い感想を聞けるぞ!などと勝手に捕らぬ狸の皮算用をしていていたのですが、その日の夕方Mさんの仕上がり画像をファイルしながらとんでもないことに気付くことになりました。 夕方、落ち着いた頃Mさんの画像のファイルをこんな感じで整理していると・・・ ン?ン!ン!! 皆さんお気づきになられましたか? |
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そうです!私の方でお仕立てした右画像の方、前身頃の上部の裏地がブラウンなんです!! それに対してポールスミスはお台場がないためでもありますが、前身頃の上部まで濃紺です。 大失敗してしまいました...自ら検品していたのに... 検品は縫製のミスやサイズのチェックに主眼を置いて実施しますが、今回の検品ではポールスミスの画像との比較もすべきでした。 私はそれを失念して、そのまま「良かった!良かった!」と一人よがりしてMさんに送ってしまったのです。 『あ゛ぁ〜!!』酷い自己嫌悪に苛まれましたがまずはMさんにお詫びをするのが最優先です。 そこで取り急ぎ次のようなお詫びメールをお出ししました。 |
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あぁ・・・ 仕様書上は間違いはなかったため明らかに工場ミスではありましたが、それにしても私としたことが検品をしていながら気付かないとは。情けない×××。 何か新しいことをする時は予想外のトラブルに見舞われる事は多々あります。 でも、それが例え工場ミスであっても、自らが検品した商品です。 Mさんに対しては全て私の責任です。 Mさんご迷惑をお掛けしました。 ということで、原稿作成時点でMさんからのお返事はないのですが、前身頃上部の裏地張り替えを近々行う予定ですので次回の更新までにお直し後の物が仕上がるようでしたら本稿末尾に改めて画像を掲載いたしたいと思います。 今回は私自身も勉強になる1着でした。 ポールスミス、、、う〜ん、奥が深い... |
〜 ポールスミスの彩り その後・・・ 〜 (H18.11.下旬追加)
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上述の通り、ちょんぼ(?)をしてしまった私でしたがその後Mさんと相談し、お直しをすることになりましたのでその顛末記を追加します。 Mさんへは事情をお話して、仕上がりを送り戻して頂き、待つこと約10日 当初の仕上がり(画像左)は次のように(画像右)生まれ変わりました!! |
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いかがでしょうか? ほんの僅かなことかも知れませんが、これでお台場部分上部の違和感がなくなり、オリジナルのポールスミスに近づきましたね。 ふ〜っ、これでようやく本当の完成です。 今回は初めてのことということで縫製現場でもどうやら混乱したようです。 Mさんにはご迷惑をお掛けしました。 最後に今回のことを振り返ってみますと... どこの工場でもそうだと思うのですが、彼らはお仕立てに対しては非常に熱意を持っていても流行やデザイン的なことには残念ながらあまり関心を持たないケースが多いです。 だからこそお店の方はこういったデザイン面を縫製現場に伝える必要があるのですが、これも直接会って膝を交えて話すわけではなく、仕様書という紙でやり取りしなければなりませんのでなかなかこちらの意図が伝わらず苦しむことがあります。 特に今回は仕様書をまとめた私でも検品時点で気付かなかったことですから一概に工場を責められませんが、1着1着、スーツにかける思いと仕上がりを確認するのは難しいことだとつくづく思いました。 今回はこの点でトラブルを起こし、Mさんにはお時間も余計に頂いてしまいましたが、結果的には良い物が出来ました。 また、これも良い意味で「蟻の一穴※」となり他のポールスミス好きの方にご提案できれば...と考えています。
さぁ、これでポールスミス風スーツのバージョンアップが出来ました。 ポールスミス好きの方どしどしご相談下さい。 |