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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
 春のバラエティ 
ここ数日の冷え込みを花冷えと言うんだそうですが、寒かったり暖かかったり、行きつ戻りつしながら春めいて来ましたね。
それに伴い、ここ関西ではさすがにコート姿を見る事も少なくなって来ました。
季節と共にコートと言うアイテムがひとつ減る事は、商売とは別にオシャレを楽しむアイテムがひとつ減る事で、移ろいとは言え、ちょっぴり残念な気もします。
...とはいえ、それに取って代わるようにして今は春物のご注文がドンドンと増えてきています。

ついこの間まで春物を見ては、生地が薄いなあ!と(スイマセン、素人見たいな感想で)思っていたのですが、季節も追いついて来たようで、即戦力となってきました。

そして、その中からいつものように早々と頂いた春物の中から、選りすぐりの仕上がりをご紹介したいと思います。
Hさんの仕上がりは・・・
まず最初の仕上がりは、前回のHP更新の際原稿が間に合わずご紹介がかなわなかったHさんのジャケットから。

前回のご紹介はどうぞこちら(お客さまいらっしゃ〜い:春はそこまで)をご覧下さい。

素 材
Zegna社製 カシミア80%シルク20%
>>> 素材はこれでもか!とばかりな、カシミヤとシルクの2大ゴージャス素材のコラボです。

撮影当日Hさんがお召しになっておられたのは、淡い藤色のタートルネック
ジャケットの下にタートルネックと言う組み合わせ、この組み合わせはいかにも春らしいと言うか、今のこの時期にしか楽しめない組み合わせです。
つまり、もう少し寒いと上へコートを羽織ってしまい、もう少し暖かくなるとタートルは暑苦しいとなります。

ただ、パンツは白い色目の方がよりらしさが出ますので、この色目系をご希望の方にはそういうコーディネートをお勧めします。

これだけ大きいチェックを左右縦横とキッチリと合わすのは仕立てに神経を使う上、結構生地が余分に要るもんで、本来は仕立屋泣かせです(トホホ!)

主なデザイン
>>> 基本のデザインはこんな感じでお仕立てしました。
素材が高級だと概してデザインはシンプルになるものですね。
3つボタン、段返り
ノーベント
>>> 日本では絶えて久しいノーベントですが、イタリアではトレンドを超えた不動の仕様としてお馴染みです。
フルオーダー仕様
>>> 仮縫いのため、わざわざ上京し、東京中野の三久服装の工場まで足を運んで頂きました。
遠いところ迄わざわざHさんにご足労をお掛けし、誠にありがとうございました。

春らしい色目のご注文でしたね、工場の中にいますと季節の移り変わりは、このような色目のご注文から感じられます。(by吉井工場長)

最後にHさんのご感想は
「春らしい色で、仕上がってみますと、そう派手目でもないですね」との事でした。

Oさんの仕上がりは・・・
続きまして・・・
春のジャケットつながりとして次にご紹介するお客様はOさんです。

画像と共にまずデザインからご紹介します。

□ デザイン □
ボタン位置がやや高めの2つ釦スーツ。
 ボタンは鼈甲ツヤあり
腰ポケットはハッキング
サイドベンツ
肩はマニカカミーチャ仕様
マニカカミーチャ=イタリアンタイプのシャツ袖仕様
>>> WEBで何度かご紹介しお馴染みですが、このシャツ袖は大げさに言えば業界をクロスオーバーした!と言っても過言ではないほどの仕立て方です。

業界、つまり我々のアウターの業界は通称重衣料業界と呼ばれるのに対し、シャツなどのインナーの業界は軽衣料業界と呼ばれますが、このマニカカミーチャ仕様は外側は軽衣料並の軽さを持ちながらも、内容的には重衣料で、この点でクロスオーバーなのです。

肩パットを抜いただけじゃないの?
>>> そんな声も聞こえそうですが、このマニカカミーチャは単に肩パットを付けないというだけではなく、見た目は軽くても作りは重衣料ベースですから仕立てもキチンとしています。

ちなみに、重衣料と軽衣料でどんなところが違うかというと、
素材は綿のシャツ地に比べ、重衣料はウールなどかなり分厚い
>>> マニカカミーチャではウール物でも軽めの素材感のものが良いようです。
重衣料の仕立ては裏地や芯地、ポケット地など複雑
>>> マニカカミーチャでは裏地も芯地も要所要所を除いて殆ど使いません。
仕上がりの見た目と精度が重要になるもの重衣料。
>>> マニカカミーチャは軽くてもアウターですからキチンとしないとダメです。
肩パット付きが前提。
>>> もちろん重衣料ならではアイロンワークを駆使したいせ込みも行います。

などなど、本来肩パットがあり袖山があるのを前提とするお仕立てになっていますので、簡単に肩パットさえ抜いてしまえばマニカカミーチャ(軽衣料風)になるとは行かないのです。

マニカカミーチャ仕様についてはこちらも参考にご覧下さい。

素 材
G6107 伊Canonico社製
     Super120S
>>> 白黒のハウンドトゥースに薄茶のウインドウペーンが掛かっています。
ハウンドトゥースはトレンドのブリティッシュ調の中でも最も王道といえる柄のひとつです。
しばらくお目に掛かれなかったのですが、ここへ来てグレーの流れに相まって代表的な柄としてグレンチェックと共に注目されています。

今回の素材はMEN'S EX4月号(P.170)に偶然同じ素材を使ってスーツのお仕立てで取り上げられていました。
コメントに曰く、「しなやかな風合いが、着る者を優雅に演出してくれます」との事です。

確かにかつてのハウンドトゥースは「剛」と言うイメージでしたが、この素材感は「柔」のイメージです。
このあたりもOさんのお目に留まったようですね。
おまけにマニカカミーチャ仕様とあって、全体に軽快感に溢れるソフトな仕上がりとなりました。

 ★☆★ 大阪SHOPMASTERより一言・・・ ★☆★

クールビズも3年目、どうやら定着したようで、このようなジャッケットのご注文をドンドンと頂くのも、ひとえにクールビズ効果が波及した結果のようです。

とは言っても、スーツのご注文がその分目減りするのは痛し痒しですが、ジャケットの華やかな色目の仕上がりは、見ているだけで、心なしかウキウキしてきます。

また、それに合わせるボトムはどうする? クツは? アンダーは?...と嬉しいコーディネートの悩みもジャケットスタイルの楽しみのひとつ。

ここでご提案、春の着こなしは上着のインナー、あるいはボトムまで上着より明るい色目を合わすのが基本のようです。
つまり全体を明るく、若やいで、よりカジュアルに、濃いジーンズより明るいチノパンを、が狙い目と言うわけです。

あくまで春にしか着られない装いを心掛けるのも、装いの楽しみのひとつとしてお勧めします。

 ■ お ま け ■

ここで、先日お客さまいらっしゃ〜いコーナーにてご紹介した今時人気のショート丈って?に便乗して、大阪でも印象的なショート丈のジャケットが仕上がってきましたので、簡単に画像のみでご紹介します。
題して、今時人気の「ショート丈」って?大阪版
ご紹介するのはHさんのダブルのショートジャケットです。

Hさん、ご身長は優に170センチを越えて、それでいて上着丈が67センチですから、レディスでは珍しくはありませんがメンズでは並みのサイズではありません。

ショート丈かどうか一枚の画像だけでは分かりにくいですが、袖丈の長さをご覧下さい。

本来メンズでは袖丈は上着の丈より7〜8センチ程度長いのが通常なのに対し、画像では上着丈と袖丈が殆ど同じ長さですから、この辺から上着丈の短さがお分かり頂けるかと思います。

それにしてもここへ来てのショートジャケットブーム、全国的にまだまだこのパワー続きそうですね。